バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

「Serenata」

2019年12月20日 | CD
 「Serenata」Fl.陸井鉄男・Fg.田中雅仁・Pf.鈴木美加



 フルート、バスーン、ピアノによる小曲集で、それぞれのソロやトリオなど16曲で構成されているアルバム。 

 田中雅仁氏といえば、超ハイトーンや超絶技巧の奏者として語られることが多いが、私はこういった小曲の演奏も田中先生の大きな魅力の一つだと思う。とてもやさしく、あたたかな音色、決しておおげさに歌うのではなく、自然に軽やかで、心の中にすっと入ってくる。お気に入りの1枚だ。

 少し前に、このCDがヤフオクに出品されているのを見つけた。このCDはずっと以前から持っていたので、なかなか落札する人がいないなぁ、とながめていたところ、出品者の注意書きのところに、「サインのようなものがあるが何なのか分からない」とあった。

 で、落札。届いたCDの解説書の裏にサインがあった。



 画面下のサインは、間違いなく田中先生のサイン。上のサインは陸井氏のサインと思われる。おそらく以前の所有者が、コンサートか何かのときにもらったものではなかろうか。

 私のお宝CDの1枚となった。
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バウマン・ジェームス・バボラーク

2011年02月07日 | CD
先日、昔よくレコード聴いていたヘルマン・バウマンの『ホルン吹きの休日』とアイファー・ジェームズの『ホラ・スタッカート』のCDをアマゾンで購入した。



特に『ホルン吹きの休日』はレコードが擦り切れるほど聴いたのでとても懐かしい。バウマンの音は深く豊かで骨太だ。ピアノはかつてN響のピアノ奏者だった本荘玲子さん。同じくN響のホルンの首席だった故千葉馨氏の奥様だ。このCDのライナー・ノートは千葉馨氏が書かれていて、バウマンとの親交の深さが伝わってくる。

ホルンを吹いていた高校生のとき、千葉馨氏のレッスンを受ける機会が数回あった。大変に大柄でレッスン内容も厳しく、ほとんど初心者同然だった私は毎回怒られに行っているようなものだったが、今となっては懐かしい思い出だ。

アイファー・ジェームスはフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルで活躍した英国紳士だ。音は艶やかで軽やかだ。デニス・ブレインの父、オーブリー・ブレインに師事していた彼の音は、やはりデニス・ブレインに通じるものがある。

おもしろいことに、この2枚のCDでバウマンとジェームスはともにパックスマンのホルンを使っている。時代によってホルンも主流となるメーカーがあるのだろうか。

そんなんで、最近ホルンのCDをよく聴いているのだが、この間ニールセンでご一緒しているホルンの方からラデク・バボラークというホルン奏者がすごいんだよ、という話を聞いた。2000年からベルリン・フィルの首席だという。最近は、どこのオケにどんな人がいるということに疎くなっていた。

とりあえず聴いてみようと思い、まずはザビーネ・マイヤーやパユなど一緒にニールセンの木五が録音されているCD を購入した。早速聴いてみると、うん、これはすごい。まったく難しさを感じさせない演奏で、しかも音量のコントロールが素晴らしく、pでバスーンと交互に吹くところでは、よく聴いていないとバスーン1本で吹いているように聴こえる。

なので、バボラークのソロのCDを2枚アマゾンで追加で購入した。1枚はバッハの無伴奏チェロ組曲のホルン版。もう1枚はホルンの曲の中では1番好きなブラームスのホルン・トリオ。明日か明後日は到着するだろう。楽しみだ。
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『Serenataセレナータ』

2010年07月07日 | CD
少し仕事が忙しくなってきたため、このところリード作りや調整は一休みしている。吹いたり吹かなかったり。来週に楽器をメンテナンスに出す予定なので、その前にリードの調整をしておきたい。釼持さんは、使っているリードで合わせて下さるので、できるだけ状態の良いリードを用意しておきたい。

下は、故・田中雅仁先生のCD『Serenataセレナータ』。



1998年の録音なので、お亡くなりになる4年前の演奏だ。このCDでは、陸井鉄男さん(Fl)・鈴木美加さん(Pf)と共演されていて、トリオやそれぞれのソロを聴くことができる。収録されている曲目は小品ばかりだが、それぞれの美しい音と音楽が堪能できる。

ブラーガ/天使のセレナータ(Fl.Fg.Pf)
フォーレ/子守歌(Fl.Pf)
ショパン/別れの曲(Fg.Pf)
ショパン/ノクターン(Pf)
バッハ・グノー/アヴェマリア(Fl.Fg.Pf)
バッハ/G線上のアリア(Fl.Pf)
バッハ/アリオーソ(Fg.Pf)
サティ/ジムノペディー第1番(Pf)
オッフェンバック/ホフマンの舟歌(Fl.Fg.Pf)
グルック/精霊の踊り(Fl.Pf)
ベートーヴェン/ソナタ「悲愴」よりアダージョ(Fg.Pf)
ドビュッシー/アラベスク第1番(Pf)
黒人霊歌/深い河(Fl.Fg.Pf)
アルビノーニ/アダージョ(Fl.Pf)
ベートーヴェン/メヌエット(Fg.Pf)
サボン/つりがね草による変奏曲(Fl.Fg.Pf)

田中先生といえば現代曲、超絶技巧、というイメージが強いと思うのだが、こういった小品にこそバスーン奏者田中雅仁氏の魅力が詰まっている、と私は思っている。

私が田中先生に憧れて師事しようと思ったのは『Romantic Bassoonworks』というCDを聴いたのがきっかけだったのだが、帰国された先生のリサイタルを聴きにいって、そのプログラムの曲もさることながら、アンコールで吹かれる小品の美しさにまいってしまったことも理由の一つである。

田中先生は演奏やリード製作では理論派だと思うが、それだけではなくロマンチストでもあると思う。先生のこういった小品を聴いていると、先生の音と音楽が心の琴線を触れて、とても優しい気持ちになる。何度でも繰り返して聴きたくなる。レッスンのときに、「アヴェマリア」だとか「さくら」だとか先生が模範演奏を聴かせてくれることがあったのだが、すぐ近くで先生の音楽を聴けたことはこの上ない幸せであった。

最近は、日本でもこういった小品を集めたCDを出されるバスーン奏者も多くなってきたが、田中先生はその草分け的存在だと思う。10年以上前、他の楽器ではこういった小品集のCDは多々あったが、日本のバスーン奏者の録音では、田中先生の録音の他はほとんどなかったのではないだろうか。

このCDも、私の宝物の一つである。
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ザ・シカゴ・プリンシパル

2010年02月01日 | CD
ヤフオクで「シカゴ響の首席奏者たち(ザ・シカゴ・プリンシパル)」(2枚組)を購入した。送料込みで900円程度だったので何だかお得だった。



モーツァルト:オーボエ協奏曲K.314/レイ・スティル(Ob)
ハイドン:トランペット協奏曲Hob.Vlle No.1/アドルフ・ハーセス(Tp)
モーツァルト:ホルン協奏曲第3番K.447/デール・クレヴェンジャー(Hr)
シューマン:4本のホルンのためのコンツェルトシュトュックOp.86
モーツァルト:ファゴット協奏曲K.191/ウィラード・エリオット(Fg)
ヴォーン=ウィリアムズ:バス・テューバ協奏曲/アーノルド・ジェイコブス(Tuba)
ブリテン:テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード/デール・クレヴェンジャー(Hr)
ラヴェル:ボレロ

まさにてんこ盛り状態。

実のところ、ウィラード・エリオットのバスーンを聴きたかったというよりも、クレヴェンジャーの吹くモーツァルトのホルンコンチェルトを聴きたかったのだ。が、うーん、上手いけれどしっくりこない。トリルはあんまり上手くないなぁ。アクセントも強すぎるように感じる。やっぱりモーツァルトのホルンコンチェルトはデニス・ブレインが最高だ。

しかしながら、シューマンのコンチェルトシュティックはパワフルで良い。コンチェルトシュティックは、ザイフェルト・ベルリンフィル、バウマン、ティルシャル、ダムの4種類を聴いたことがあると思ったが、一番印象に残っているのはザイフェルト・ベルリンフィルだろうか。バウマンは演奏会で生で聴いたのだが、4人の奏者のうちバウマンの他はたしかN響のメンバーだったように記憶しているが定かでない。
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ハルモニー

2010年01月09日 | CD
最近は昔ほどCDを購入しなくなった。演奏会で取り上げる曲で持っていないものを買う程度で、たまに何となく気になったものをネットで買うくらい。

で、ヤフオクを覗いていたら何となく気になったCDがあったので、購入。今年最初の買い物となった。



ハルモニームジーク版のベートーヴェン「フィデリオ」。管楽器で編成される(主に木管八重奏)曲をハルモニーというが、このフィデリオは、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2、ホルン2、コントラバス1、という木管八重奏+コントラバスの編成となっている。その他に同じくベートーヴェンの木管六重奏曲、とロンディーノが収録されている。

演奏は、十八世紀オーケストラの奏者たちで、楽器はピリオド楽器を使用している。ピリオド楽器のせいかとてもあたたかい響きがする。演奏もさすがにまとまっていて聴き応えがある。きっと自分たちがやったらかなり難しいに違いないし、ここまで聴かせる演奏はなかなかできない。

古楽器も少し興味があるので手を出してみたいと思うこともある。ただ、近くに一緒に演奏する仲間がいないと、一人でもくもくと吹くにはちと寂しい。
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