バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

楽器遍歴

2009年03月31日 | 楽器

写真はMy楽器、ピュヒナー・アルテベルト

中・高とホルンを吹いていたが、大学に入ったらクラリネットを吹きたいと思っていた。高校の吹奏楽部の顧問の先生にお借りしたカール・ライスターの吹くモーツァルトのクラリネット協奏曲のレコードを聴いて虜になってしまったのだ。そのレコードのB面はギュンター・ピースク演奏のモーツァルト・ファッゴット協奏曲だったが、そちらはたまに聴く程度で、へぇ、ファゴットってこんな音なのか、と思っていた。

大学に入りオーケストラの門を叩いたが、クラリネットに初心者はいらねぇ、とあっさり断られてしまった。そして、断られた横で練習をしていたバスーンの先輩に、じゃあ、この楽器やってみたら? と誘われたのが、私のバスーン始めであった。

じゃあ、やります。と返事をした次の日には新大久保の方にある楽器店の人が早速楽器を持ってやってきた。そのときの楽器はシュライバーであった。どの機種だったかは覚えていない。

2年ほどそのシュライバーを吹いたが、何となく物足りなくなってきて、楽器店のクリニックで知り合った音大生の方からピュヒナーを譲ってもらうことになった。そのピュヒナーは音量も大きく、今思えば芯のしっかりした派手な音色の楽器だった。2年半ほど吹いたころ、大きな壁にぶつかった。市民オケに入って吹いていたのだが、楽器のコントロールが全くできていない自分がそこにいた。pp然り、音程然り。自分の演奏技術の未熟さが一番の原因だが、まるでじゃじゃ馬に翻弄されるカウボーイの如きであった。

一時は、もうバスーン吹くのをやめよう、とまで落ち込んだ。あるとき、その市民オケにトレーナーとして指導にみえていたプロオケ奏者の方に相談したところ、楽器を替えてみるのもいいよ、とアドバイスを受け、ピュヒナーを下取りに出し、そのころ販売が始まったヤマハの812を入手した。

楽器を替えて、本当によかったとそのとき思った。音程も取りやすくなり、ppも断然出しやすくなった。楽器を吹く楽しみが戻ってきた瞬間だった。あのとき、楽器を替えていなかったら、もしかすると今楽器を吹いていなかったかもしれない。

その後、何年かして田中先生に出会い師事し、楽器も田中先生が選定されたヤマハ811に乗り換えた。811の方が音色が明るく、自由に吹ける感じがする。

このように色々なメーカーの楽器を渡り歩いて最後にたどり着いたのは、写真のピュヒナー・アルテベルトだった。この楽器は、現在のノナカ仕様になる前の楽器で、ウォーターチューブではなく、ハイEキーも付いていない。

この楽器は、田中先生が晩年ヘッケルからピュヒナー・アルテベルトに楽器を替えられたとき、最初に田中先生が手にされた楽器で半年ほど先生が使用されていた。先生は、ピュヒナー氏が田中先生用に特別に楽器を作られるということで、この楽器を手放したわけだが、縁あって私がその楽器を入手することができた。

アルテベルトは、ヤマハに比べると音色がかなり柔らかい感じがする。それとppをきれいに出すことができる。吹き方やリードの調整の仕方にもよるのだろうが、ヤマハだと、ppでE2やF2をのばすとき、少しでも息の量が足りなくなってくると、音がぶら下がってしまったのだが、アルテベルトではこれが起きなかった。音量ではヤマハの方が勝っていたように思うのだが、このごろボーカルを先述のヘッケルGVCDE1に替えたことで、音量も出るようになった。

ヤマハ811は、知人に譲ってしまったのだが、今思えば手元に置いておけばよかったと後悔している。このさき、アルテベルトから他に楽器を替えようとは思わないが、ときどきヤマハを吹いてみたいと思うことがあるからだ。今自分で作っているリードとボーカルで吹いたらどんな音がするのだろう、と妄想してしまうことがある。これでは昔の彼女に未練たらたらの情けない男のようだ。いかん、いかん。

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リード割り・息のスピード

2009年03月30日 | リード

今日は、昨日から水に浸してあったダンツィを組み立てる。水には一晩以上(8時間以上)浸すようにしているが、短い時間でも大丈夫なのだろうか。試していないので分からない。今度試してみようかな。

写真は、プロファイルドケーンにナイフで切り込みしているところ。私の場合はカラーの3㎜下あたりから端まで6本入れるようにしている。できるだけケーンの中心線に切り込みがこないように注意(割れやすくなるので)。

写真の左に移っているのは、リード割りマシン。オークションで1年以上前に落札したが、ほとんど使っていない。パスタマシンのようにケーンを差し込んで均等に割っていくのだが、筋を付けるというよりも完全に割っていき、ブレードまで割れてしまいそうでで何だか危なっかしい気がして使わなくなった。ナイフで切り込みを入れるのも慣れると簡単。

ケーンの下の台は、ホームセンターで手頃な太さの丸材を買ってきて15~18㎝にカットしたもの。結構便利。

これで先週末から40本ほど組み立てたことになる。来週は糸巻。あぁ、手が痛くなる。

さて、数人の方からコメントをいただいた。こんなメモ書きでも読んでくれている方がいると思うとありがたくて、更新は無理しない、と思っていても何を書こうか悩むものなのね。

ある高校生の方から、「息の量(圧力)を増やすにはどうしたらよいですか?」と質問をいただいた。呼吸法を学ぶのがよいですよ、と言いたいが、私自身ちゃんとした呼吸法なのかどうかも怪しいので、解説ができない。腹式呼吸について書かれた解説も一通りではなく、解説している方によって内容が異なる。加えてこのごろはベルカント奏法などという呼吸法もあり、一筋縄ではいかない。

そこで、今日紹介するのは、私が以前レッスンで教わった方法。田中先生のレッスンに行き始めたころ毎回のように「息の量が足りない」「息のスピードがない」「もっと息の圧力をかけて」と、指導された。私はなかなかそれができなくて、息のスピードと圧力を上げるためのヒントとしての練習方法を教えていただいた。以下は、その方法。私が理解し解釈した内容だということを念頭において読んでいただきたい。

1、体を楽に、アンブシュアもできるだけ楽に。
2、息でアタックする練習。タンギングをしないで、息の圧力とスピードだけで音を出してロングトーン。息のスピードと圧力が下がらないように注意。
下から2番目のラの音くらいで。
3、何回かくりかえす。
4、音になる瞬間の息の圧力やスピードをよく覚える。
5、2のように吹くつもりで音が出る瞬間にタンギング(軽く舌をつく、というかリードに触れていた舌を離す)する。

これは、息のスピードだけで音の発音をして、その息のスピードで音を吹き始められるようにするための練習のようだ。なので、この練習のときには口元をリラックスさせて行なうことが大切になる。息を入れるときリードを噛んで音を出さないように注意が必要。

息のスピードや圧力が足りないと、なかなか発音できなく、音程もぶら下がる。ときどきチューナーで音程を確かめるとよい。あくまでも息の初速を覚える練習なので、乱暴に吹き始める癖が付かないようにしなければならない。

といったところですかねぇ。うーん、文章で伝えるのは難しい。

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バソン

2009年03月29日 | 音楽
今日は、日本におけるバソンの第一人者、小山清さんの演奏を聴いてきた。
とある高校の音楽部の演奏会にゲスト出演されたのだ。
写真は、小山さんの出されたCDのジャケット。

バソンは、CDではモーリス・アラールのヴィヴァルディや、小山さんの録音、ポール・オンニュなどを聴いていたが、生で聴くのは初めてだった。

曲目はヴィヴァルディの協奏曲イ短調。伴奏の弦楽器は総勢20名ほど。

繊細な音。軽やかで流麗に流れていく。何というか情熱的に歌うというより、軽やかにおしゃべりしているような感じ。低い音も威圧的でなく、心地よい響き。

惜しむらくは、ホールの音響があまりよくないこと。バソンの音量はバスーンに比べると小さいのに加えて、このホールは管楽器が抜けてこない。聴く場所にもよるのかもしれないけど。弦楽器がppに落としたところではバソンが気持ちよく聴こえてくるのだが、弦楽器がちょっと音量を上げてくると、バソンの音がその中に埋もれてしまうことがあった。

演奏会最後の曲、ハイドンの「告別」に、小山さんも参加された。ホルンなどと一緒の伸ばしでは、あれこれは何の音だろう、と思うきれいな響きを加える。低弦と一緒のところでは、バスーンなら「低弦を包み込むような」と表現するのだろうが、そうではなく「音の芯を作っている」「音の核になっている」というような響きだ。低弦の響きに華やかさを加えている、とも感じた。

それにしても、有意義な時間であった。

以前、モーリス・アラールのヴィヴァルディを聴いたとき、こんな音が出るのだったらやってみようかなと思い、楽器を買おうかどうか2週間ほど悩んだが、まだまだバスーンでやることがあるだろ、と思い止まった。きっと私に二足の草鞋は無理だろう。魅力的な楽器なんだけどね。

先日、通販でまたプロファイルドケーンを注文した。ノーランテールを20枚とオビディオダンツィを10枚。今日の朝からダンツィは水に浸してあるので、明日時間ができたら組み立てる予定。
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リードの調整

2009年03月28日 | リード調整

写真は、以前にも紹介した『バンドジャーナル』の田中先生の記事に掲載されたもので、リードの調整の目安になるものです。

先生は、「図で表した各部分はリードのタイプによって、それぞれの面積と削られる量が異なります。たとえば、ブレードの中央に背骨のように、厚い部分を残してあるリードでは、両サイドのEやDをあまり薄くできません」と書かれていますので、あくまで一般的なリード調整の目安ということでしょう。

各部分を削ることにより効果は以下のようになると書かれています。

エリア   音色      抵抗     その他
A      明      減    ピッチ下
B    やや明    減    低音のコントロール楽
C    やや暗    減    ティップの開き狭 低音のpp楽
D     暗      増    ピッチ上
E    やや暗丸  やや増  ピッチ上 音のエッジ減
F    やや丸    わずかに増 
G     明      減    削る面積が広くなるとバズ(振動音)
                                  が生じる。

この他の内容については、また後日にでも。

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リード削り

2009年03月27日 | リード

時間があったのでプッペから3本削る。午前中に2本、午後1本。

私の場合。巻いてなかった第1ワイヤーを巻く。このとき、強く締めすぎないように指で強めに押すと動くぐらい、水につけると動かなくなるくらいに締める。

それからリードの先端をリードカッターでカット。ふだんは26㎜で作っているので、まずは26.5㎜でカットして、あとの0.5は先端を薄くしてからカットする。これは、メーキングをかけているときやナイフで削っているときに、先端が欠けてしまうことがあるのと調整の余地を残しておくため。

次にリーマーでチューブの内径をボーカルに合わせておく。水につける前に処理した方がきれいに削れる。中を見てささくれがあれば、ヤスリで取り除いておく。

シェイパーはFoxの2番だが、私はもう少し幅のせまい方が好きなのでサイドをヤスリで落としておく。先端の幅が14.5~15㎜になるようにするのと、カラーから真ん中あたりまでを少し細めに削る。もともとのシェイパーの形と少し変わってくるが、このあたりをちょっと細くしておくと3オクターブ目が楽になるように思う。文章だけだと分かりづらいのでまた後日イラストでも書こうと思う。

写真は、リーガーのメーキングマシン。これに知人に改良を加えてもらい、削る量を調整できるようにマイクロメーターを付けてもらっている。以前はネジの位置で調整していたが、このメーターがついてからは微妙な調整ができるようになって助かっている。

メーキングをかけてからは、一応削る順番を決めているのだが、詳しくは後述。とりあえずクローするところまで削っておいて、日をおいてから楽器に付けて調整。

クローするところまでにかかる時間は、プッペの状態から40分~1時間くらい。時間があるときでも2本削ると、集中力が持たないし、飽きてしまっていい加減になってしまうので、一回に削る本数は2本までとしている。これでは量産できないし、失敗したときの落胆も大きいが、上手くできたときの喜びはそれ以上。がんばろう。

コメント (2)
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