外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

週べ今週号

2011-12-06 20:37:11 | 大学野球
週刊ベースボール今週号では、いわゆる「統一球」が今年度のプロ野球に与えた影響に関して、投手の視点から鹿取義隆さん(高知商業-明治大学)、打者のアングルからは広澤克実さん(小山高校-明治大学)の2人が、詳細なデータ分析結果を発表されています。

具体的な内容は、週べを買って読んでいただくとして、私が面白いなあと感じたことは、鹿取さんも広澤さんも、「猪突猛進」を信条とする島岡御大の時代に明治で鍛えられた野球選手であったことです。

応援団出身で野球の指導者となったという、異色の経歴を持つ島岡さん。
そんな島岡さんの指導を受けた野球部員たちの中から、プレーヤーとしてプロで活躍し、そして現役を引退した後も理論派のコーチあるいは評論家として存在感を示す人物が登場するというのは、実に興味深いことです。
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我らが早稲田に目を転じてみると、野村徹監督の下でリーグ四連覇を達成したチームから、和田・青木という2人のメジャー・リーガーが生まれようとしています。

あの当時、早朝から深夜まで、野村さんは常にグラウンドに立っていらっしゃいました。

野村さんの指導は、基本の反復に尽きます。

もちろん、専門的な技術指導もされといたはずと思うのです。
でも、ネット裏に座る私たちファンの耳に届くのは、
「早慶戦における大歓声の中では、今のような中途半端な声出しは通用しないぞ。もっと体全体を使って、周囲のプレーヤーに『俺が捕る』と意思表示しろ。」「早稲田のクリーンアップを任されている重みを理解しろ。比嘉!、鳥谷!、その重みを分かっているのか」
野村さんから檄を飛ばされた野手たちは、凄まじい自主練習を深夜まで行なって、メディアから「アマチュア最強打線」と称されるまでになりました。

かたや投手陣では、和田毅くん。
日付が変わる時刻まで黒っぽいジャージを着て深夜の住宅街を走り続けているために、彼の足音に怯えた地元住民から通報を受けたお巡りさんが、身元確認にやってきたというエピソードさえあります。

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島岡さんにしても、野村さんにしても、勝つためのテクニックにとどまらず、学生としての本分を部員たちに徹底して、社会人となった時にも立派に務めを果たす人間に育てるという目的が、ご指導の根幹にあったように思います。

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有力な高校球児の進路に関して、金銭的な損得ばかりを目安にした議論をよく耳にします。
もちろん、経済面を重視しなければならない状況の球児もいると思いますが、そのような制約がないのであれば、ぜひ大学野球で、技量と人間を磨いてもらいたいと私は思います。
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