ここに描かれているのは、有名な天文学者ティコ・ブラーエ(Tycho Brahe)による400年以上前の星の爆発の結果の初めての記録、ティコの超新星の残骸の熱く拡大する星雲である。示されたイメージは、軌道を周っているチャンドラX線天文台で撮られた三つのX線カラーの合成である。拡大するガス雲は極めて熱く、一方、僅かに異なる膨張速度が雲にふくれた外見を与えている。ここで確認するには微かに過ぎるティコGと呼ばれる星 Sn 1572 をつくった星は恐らく完全に消え去ったが、これはコンパニオンであると考えられる。ティコの超新星の祖先の残骸の発見は、この超新星が可視の宇宙のスケールを調整する距離の梯子(下記)の重要な段階、タイプIaであり特に重要である。タイプIa超新星のピークの明るさは、遠い宇宙における微かさと距離の関連を調査する際に価値あるものにし、よく理解されているものと考えられている。
<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」
<大判>: イメージをクリック。
<ひとこと>: 銀河や星雲など遠くの天体までの距離を測定するとき、その距離によっていくつかの手段がある。近い天体は三角測量で測れるが、最も遠い天体は到達する光の赤方偏移に依存する。その間には段階的にいくつかの手法が考え出されており、これを「距離の梯子」という。詳しくは こちら を参照。