ダニエル書 8章
しかし、人手によらずに、彼は砕かれる。(8・25)
先の「四つの獣」について預言したその3年後、ダニエルは「雄羊と雄やぎの幻」について預言しました。時はバビロン帝国の時代です。
雄羊には2本の角がありました。その後に登場する雄やぎには1本の角があったが、やがてそれは折れて4本の角を生やします。この幻については、ダニエルは御使ガブリエルによって解説を受けています。
2本の角を生やした雄羊とは、メディア・ペルシャ帝国のことです(8・20)。この国はメディアとペルシャの二つの王国が連合した帝国であって、2本の角はふたりの王を意味しています。
バビロンはこの2本の角を生やした雄羊によって倒されます。つまり、メディア・ペルシャ帝国によってバビロンは滅ぼされると預言したわけです。これは史実の通りです。
次に、その雄羊(メディア・ペルシャ帝国)は、1本の角を生やした雄やぎによって倒されます。この雄やぎとはギリシャ帝国であって、その角はギリシャの王を意味します(8・21)。
この王とは、アレキサンダー大王のことと思われます。彼は破竹の勢いで世界を支配下に治めました。先の7章では「豹のような獣」だと預言されていましたが、まさに、アレキサンダーは豹のようにすばやく世界を征服した王でした。
しかし、雄やぎの1本の角が折れるようにして、アレキサンダーは遠征中にマラリアで急逝しました。そしてその後、4本の角が出てくるようにして、ギリシャ帝国は4人の王によって分割統治されました。4本の角について次のように預言されています。
「その角が折れて、代わりに四本の角が生えたが、それは、その国から四つの国が起こることである。しかし、第一の王のような勢力はない。」(8・22)
この預言の通りに、アレキサンダー大王の死去の後、①マケドニヤ ②小アジア ③シリヤ(セレウコス朝) ④エジプト(プトレマイオス朝)の4つに分割されました。更に預言はつづきます。
「彼らの治世の終わりに、彼らのそむきが窮まるとき、横柄で狡猾なひとりの王が立つ。彼の力は強くなるが、彼自身の力によるのではない。彼は、あきれ果てるような破壊を行ない、事をなして成功し、有力者たちと聖徒の民を滅ぼす。」(8・23~24)
この王とは、③のセレウコス朝シリアの王、悪名高き「アンテオコス・エピファネス」のことを預言していました。
アンテオコス・エピファネスは狡猾かつ冷酷な王として人々を震撼させた王でした。彼は、ユダヤ人に対して高圧的な支配をなし、神殿における礼拝の禁止、聖書所持の禁止、挙げ句の果てに彼自身は自らを神と宣言し、エルサレム神殿で豚をささげたのです。
律法において豚は汚れた動物とされていましたら、まさに、神への冒涜、神への反逆でした。ただ、この獣の暴虐ぶりも2千300日の期間であると預言されていました(8・14)。
実はこの後、ユダヤ人の祭司の家系である「マカベヤ家」の人々を中心に抵抗運動がおこり、アンテオコスの軍勢を打ち破り、ユダヤの独立を勝ち取った時代がもたらされます。
大祭司オニアスが殺害されて神殿が汚されるようになって2千300日後。BC165年12月25日に独立を勝ち取り神殿を奪還しました。この日は「宮きよめの祭」として今日まで覚えられています。 ※ヨハネ福音書10・22の「祭」はこの「宮きよめの祭」のことである。
アンテオコスのような人物は、やがて終わりの日にも登場するのだと新約聖書は預言しています。聖書はその人物を「反キリスト」と呼んでいます。黙示録では、彼は獣と呼ばれ、すでに説明してきたように、霊的には歴代の獣の系譜をくむ者です。最後に登場する第4の獣です。
この悪魔的な流れは、ユダヤ人を滅ぼそうとする政策で同じです。エステル記に登場するユダヤ人殺害を合法化したハマンや、生まれた男児の殺害を命じたエジプトの王パロもそうです。近代では、ナチスのヒットラーもそうです。みな、反キリストの霊を受けた人物といえるでしょう。
神はユダヤ人(イスラエル)を通してご自身のご計画を成そうとしておられます※。それは、結論から言えば「天で堕落した御使たちを終わりの時代にさばき、滅ぼすこと」です。それを阻止しようと反キリストの力は終わりの時代に至るまで働いています。特に反ユダヤ主義として現れています ※神は異邦人である我々を軽んじているわけではない。私たちもイエスを信じて神の民、神の子どもたちとして、神のご計画に用いられるように定められている。
この反キリストの最後については、「第二テサロニケ」「ヨハネ黙示録」にくわしく記されています。
いずれにしても、冒頭の御言のように「人手によらず彼は砕かれる」のです。つまり、天からの超自然的な介入によって滅ぼされるという意味です。それは、イエス・キリストの再臨によってなされるのです。いかに、反キリストの働きが激しくても、彼らの滅びと、イエスを信じる者の勝利は定められています。目先の恐れに戸惑うことなく、イエスへの信仰を貫こう。
しかし、人手によらずに、彼は砕かれる。(8・25)
先の「四つの獣」について預言したその3年後、ダニエルは「雄羊と雄やぎの幻」について預言しました。時はバビロン帝国の時代です。
雄羊には2本の角がありました。その後に登場する雄やぎには1本の角があったが、やがてそれは折れて4本の角を生やします。この幻については、ダニエルは御使ガブリエルによって解説を受けています。
2本の角を生やした雄羊とは、メディア・ペルシャ帝国のことです(8・20)。この国はメディアとペルシャの二つの王国が連合した帝国であって、2本の角はふたりの王を意味しています。
バビロンはこの2本の角を生やした雄羊によって倒されます。つまり、メディア・ペルシャ帝国によってバビロンは滅ぼされると預言したわけです。これは史実の通りです。
次に、その雄羊(メディア・ペルシャ帝国)は、1本の角を生やした雄やぎによって倒されます。この雄やぎとはギリシャ帝国であって、その角はギリシャの王を意味します(8・21)。
この王とは、アレキサンダー大王のことと思われます。彼は破竹の勢いで世界を支配下に治めました。先の7章では「豹のような獣」だと預言されていましたが、まさに、アレキサンダーは豹のようにすばやく世界を征服した王でした。
しかし、雄やぎの1本の角が折れるようにして、アレキサンダーは遠征中にマラリアで急逝しました。そしてその後、4本の角が出てくるようにして、ギリシャ帝国は4人の王によって分割統治されました。4本の角について次のように預言されています。
「その角が折れて、代わりに四本の角が生えたが、それは、その国から四つの国が起こることである。しかし、第一の王のような勢力はない。」(8・22)
この預言の通りに、アレキサンダー大王の死去の後、①マケドニヤ ②小アジア ③シリヤ(セレウコス朝) ④エジプト(プトレマイオス朝)の4つに分割されました。更に預言はつづきます。
「彼らの治世の終わりに、彼らのそむきが窮まるとき、横柄で狡猾なひとりの王が立つ。彼の力は強くなるが、彼自身の力によるのではない。彼は、あきれ果てるような破壊を行ない、事をなして成功し、有力者たちと聖徒の民を滅ぼす。」(8・23~24)
この王とは、③のセレウコス朝シリアの王、悪名高き「アンテオコス・エピファネス」のことを預言していました。
アンテオコス・エピファネスは狡猾かつ冷酷な王として人々を震撼させた王でした。彼は、ユダヤ人に対して高圧的な支配をなし、神殿における礼拝の禁止、聖書所持の禁止、挙げ句の果てに彼自身は自らを神と宣言し、エルサレム神殿で豚をささげたのです。
律法において豚は汚れた動物とされていましたら、まさに、神への冒涜、神への反逆でした。ただ、この獣の暴虐ぶりも2千300日の期間であると預言されていました(8・14)。
実はこの後、ユダヤ人の祭司の家系である「マカベヤ家」の人々を中心に抵抗運動がおこり、アンテオコスの軍勢を打ち破り、ユダヤの独立を勝ち取った時代がもたらされます。
大祭司オニアスが殺害されて神殿が汚されるようになって2千300日後。BC165年12月25日に独立を勝ち取り神殿を奪還しました。この日は「宮きよめの祭」として今日まで覚えられています。 ※ヨハネ福音書10・22の「祭」はこの「宮きよめの祭」のことである。
アンテオコスのような人物は、やがて終わりの日にも登場するのだと新約聖書は預言しています。聖書はその人物を「反キリスト」と呼んでいます。黙示録では、彼は獣と呼ばれ、すでに説明してきたように、霊的には歴代の獣の系譜をくむ者です。最後に登場する第4の獣です。
この悪魔的な流れは、ユダヤ人を滅ぼそうとする政策で同じです。エステル記に登場するユダヤ人殺害を合法化したハマンや、生まれた男児の殺害を命じたエジプトの王パロもそうです。近代では、ナチスのヒットラーもそうです。みな、反キリストの霊を受けた人物といえるでしょう。
神はユダヤ人(イスラエル)を通してご自身のご計画を成そうとしておられます※。それは、結論から言えば「天で堕落した御使たちを終わりの時代にさばき、滅ぼすこと」です。それを阻止しようと反キリストの力は終わりの時代に至るまで働いています。特に反ユダヤ主義として現れています ※神は異邦人である我々を軽んじているわけではない。私たちもイエスを信じて神の民、神の子どもたちとして、神のご計画に用いられるように定められている。
この反キリストの最後については、「第二テサロニケ」「ヨハネ黙示録」にくわしく記されています。
いずれにしても、冒頭の御言のように「人手によらず彼は砕かれる」のです。つまり、天からの超自然的な介入によって滅ぼされるという意味です。それは、イエス・キリストの再臨によってなされるのです。いかに、反キリストの働きが激しくても、彼らの滅びと、イエスを信じる者の勝利は定められています。目先の恐れに戸惑うことなく、イエスへの信仰を貫こう。
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