ふみさんの日々雑感

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文庫「ハンニバル・ライジング」トマス・ハリス著

2007-04-24 19:27:00 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
“レッド・ドラゴン”“羊たちの沈黙”“ハンニバル”の三冊も読み、映画も見た。だから、この本が本屋に並んだ時は直ぐに買った。

賢い幼少のハンニバル。愛情一杯の満ち足りた幸せな生活。

戦争がなかったら、ドイツ軍が攻めてこなかったら。そして、それに便乗したならず者がいなかったら。

大好きな母や父、数々の真理を教えてくれた家庭教師、そして誠実な使用人達。彼らの死は、たとえ目の前で母達が燃え上がっても、それは戦争の結果だった。

でも小さな可愛いミーシャ。どっちが肉付きがいいかと比べられて、男達にひょいと両手を束ねて持ち上げられる。

「怖い!アンニバー」精一杯首を回して兄を見つめる小さなミーシャ。鎖に繋がれて、どうする事も出来ないハンニバル。湯が沸騰するミーシャのバスタブ。そして、男が振り上げた斧。

そこからの記憶を取り戻すために苦しむハンニバル。記憶を取り戻し、男達の名前を知らなくては。復讐の為に。

ハンニバルが崇拝する紫婦人でも復讐の為の殺人を止められない。「ミーシャと約束したから」と。

「この世に神は存在しないという事実に、ぼくらは心の平安を見出しているんだよな、ミーシャ。だからこそおまえは、天国で奴隷にされることもないし、この先永久に神の尻にキスさせられることもないんだ」と、亡き妹に語りかける。

フランスでの復讐を終え、アメリカにわたる。そして、アメリカは彼を魅了してやまない。

読み終えて、これは日本人に向けて書かれた本かと錯覚するほど、数々の、種々の日本文化が出てくる。特に美しく教養豊かで上品な紫婦人。和歌や短歌・紫式部からお花・お茶と、あらゆる日本文化をハンニバルに教える。

怪物は知性と教養と品性を備えている。

映画も見に行こうと思う。

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2 コメント

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Unknown (りり・か)
2007-04-25 08:42:13
ふみさん、こんにちは!
「ハンニバル・ライジング」読み終えましたか。映画行かれるのですね?私も気になっている映画なんですが、大画面で観るのは怖いかとなんとなく躊躇しているんですが・・・。小説読んだ感じでは大丈夫ですかね??
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コメントありがとうごさいます (ふみ)
2007-04-26 21:35:17
映画は見にいくつもりです。
多分、片目で見ないといけないような・・・。

映画の紫婦人が日本人ではないのが残念です。
多分、英語が出来て雰囲気のある女優がいないのでしょうね。
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