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ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

映画「東ベルリンから来た女」

2013-02-06 13:33:16 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
娘と待ち合わせして見る予定だったけど、「残業だ」 とのメールが来て私一人で見る事にした。

最近、映画を見に行くと、それなりに人が入っている。私を含めて、映画は映画館で見たいという人が増えているのだろうか。

全編に笑顔の無い映画。旧東ドイツが舞台だからか。大病院から、田舎の病院に左遷された医師の美しいベルバラは、いつも険しい表情をしている。

秘密警察に監視されているバルバラの住居は、時々、予告も無く秘密警察が来て、家中をくまなく調べる。そして、裸になって身体中も検査される。

西ドイツに住む恋人と秘密の逢瀬を重ね、彼の手引きで西側への脱出の日を待つ。

同僚の医師アンドレからそれとなく優しい想いを向けられるが、ただ、ひたすら脱出の日を見つめる。

脱出の日時と場所が決まり、その日が来たが、収容施設から逃げてバルバラを頼って来た少女を見て心は揺れる。

チャンスはたった一度。そして、脱出の為の費用は一人分しかない。

真っ暗な海岸で隠れて待つ二人に、海から現れた助け人は、指を一本立てる。一人だけだよ、と。

バルバラは、少女を小さなボートに乗せ、アンドレが待っている病院に戻って行く。

風が吹く中を、木々が生い茂る道を周りを気にしながら、いつも自転車で失踪するバルバラの姿が忘れられない。

エンドロールが流れる中、群衆の歓喜の声が聞こえる。あの、東西ベルリンの壁が壊されている時の様子だと思う。TVで見たあの壁を壊す人々。

世界大戦が終わり、冷戦が終わり、長い時間が過ぎたけど、世界は平和になったのだろうか。

まだまだ、世界のどこかで争いがあり、人々が血を流し、未来が閉ざされている人や国。

日本の周りにも不穏な空気が漂い出している。イヤだなと思う。

どうして、人間は優しく生きて行けないのだろう、限りある命なんだから。

限りがあるからこそ、諸々の欲望が膨らんで行くのだろうか。

愛する夫や姉・父を亡くした私は、心静かに生きて行きたい。