木曜日の夜、姉から電話があった。
電話があっても、いつもは私は取らず、夫が出る。私への用は携帯に来る。姉は別だけど、家の電話はほとんど夫への用である。
でも、なぜがその時は私がすぐに電話を取った。
「もしもし」と私。「ふみちゃん」「…?ねーちゃん?」「うん。私…」
初めは誰?と思った。いつもの元気印の姉の声とは違っていた。
私は三姉妹。姉と一番、仲がいい。時々、一緒に泊まりで出かける。妹は嫁に行き、商売をしているので、あまり会わない。
姉とは去年の暮れに熱海で一泊したばかりだし、先週も楽しくおしゃべりをしたばかりだ。
姉が言うには“子宮癌”だと言う。今、入院している病院では手術出来ないので、月曜日に大きな病院に移るそうだ。
「ふみちゃん、私、心細い」「明日、休暇届けと後の段取りをして、明後日に行くから。」
姉には娘がいない。息子三人は遠くに住んでいる。
そして姉は言う「誰にも言わないで。子供達にも。みっちゃん(妹)にも。まだ、知られたくない。」と。
その気持ちは、私にもよく分かる。私も、きっと姉だけに話すだろう。
気持ちが乱れて、夜、眠れなかった。
今、新幹線に揺られながら、早く姉の元へと思いながら、いや、着いて欲しくないとの気持ちで、流れる冬晴れの景色を見つめている。
電話があっても、いつもは私は取らず、夫が出る。私への用は携帯に来る。姉は別だけど、家の電話はほとんど夫への用である。
でも、なぜがその時は私がすぐに電話を取った。
「もしもし」と私。「ふみちゃん」「…?ねーちゃん?」「うん。私…」
初めは誰?と思った。いつもの元気印の姉の声とは違っていた。
私は三姉妹。姉と一番、仲がいい。時々、一緒に泊まりで出かける。妹は嫁に行き、商売をしているので、あまり会わない。
姉とは去年の暮れに熱海で一泊したばかりだし、先週も楽しくおしゃべりをしたばかりだ。
姉が言うには“子宮癌”だと言う。今、入院している病院では手術出来ないので、月曜日に大きな病院に移るそうだ。
「ふみちゃん、私、心細い」「明日、休暇届けと後の段取りをして、明後日に行くから。」
姉には娘がいない。息子三人は遠くに住んでいる。
そして姉は言う「誰にも言わないで。子供達にも。みっちゃん(妹)にも。まだ、知られたくない。」と。
その気持ちは、私にもよく分かる。私も、きっと姉だけに話すだろう。
気持ちが乱れて、夜、眠れなかった。
今、新幹線に揺られながら、早く姉の元へと思いながら、いや、着いて欲しくないとの気持ちで、流れる冬晴れの景色を見つめている。