作家、森巣博さんはお元気かな、何か消息はないかな、と思ってふとGoogle検索をしたけど近況は不明。
体調がちょっと心配。また「非国民」みたいなワイルドな本を読みたいな。
奥さんのテッサ・モーリス=スズキさんを検索すると、このようなテキストを見つけた。
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/715
論文がアップされているのはRMITのサイト?
RMITはオーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学ではなかったでしたっけ。
たしかここの大学の日本校が日本で最高レベルのカイロプラクティックの授業を行っている。
何回か4年生のインターンにRMIT新橋外来センターというところで、格安で診察してもらったことがある。
安くて良心的でおすすめ。でも生徒さんによってかなり技量のレベルが違う。
・RMIT大学カイロプラクティック学科日本校 新橋外来センター
http://www.chiro.jp/soc/
それはともかく、スズキ教授(モーリス=スズキ教授、と呼んだほうが適切なのでしょうか?正確なことを知らなくてすみません)は慰安婦問題にも取り組んでおられるようだ。
この問題に関してはさまざまな意見があるけど、教授はどのようなことを書かれているのだろう。
論文、と書いてあるし、学術的な内容が期待できる。教授はがんばり屋さんらしいし。
まず、日本語訳を読むとちょっとよくわからないところがあった。
学術書というのは宣伝文ではないから、厳密に「誰が」「いつ」「何を」「誰に対して」などといった要素をきちんと記すことが求められる。
だけど、訳者のレベルが問題なのだろうか、大事なことを中曽根元首相が「誰に対して」言ったのかが書かれていない。気になる。
誰に対して、慰安所の設置を認めたのか?
日本語訳がいいかげんなのかな。英語だったらこういう基本的な論理構成はしっかりとしているでしょ、と思った。
でも英語の原文を見たら、そこにも書かれていない。
http://nautilus.rmit.edu.au/forum-reports/0706a-morris-suzuki.html
Former Prime Minister Nakasone recalls in his memoirs authorizing the building of a "comfort station" on the island of Borneo for the use of men in his Naval Corps.
訳者は忠実に英語を訳してたわけですね。疑ってすみません。
軍人だった中曽根元首相は、遊郭業者さんに対して運営の許可を出したのか、日本軍の部下に対して運営の許可を出したのか、論文ではそういう基本的なことも判断できない。
なぜ調査して、はっきり書かないのか。
東京都の役人がソープランド経営者に運営の許可を出すのと、都の職員に許可を出すのとでは大違い。
ちなみに、戦後すぐには役人が自分の部下に慰安所(アメリカ占領軍向け)の許可を出したそうですが。
(東京都はソープランドを運営しているとは言えないけど、日本国はアメリカ占領軍向けの風俗店を経営していたと言える)
物事の構造を把握するには、雰囲気は必要ない。誰が誰に対して何をいつ行ったか、淡々と根拠を示して記すだけでいい。
歴史学の研究において一番こまるのは、いい加減なことを書いた研究書のせいでその研究全体がうさんくさく見られ、学問としての信頼性を落としてしまうことだ。
周囲の雰囲気や空気がかわるとすぐ否定されてしまう論文は弱い。
反対の意見を持つものに対して、いい材料を与えてしまう。
こういうテキストの論理に何の疑いも感じないで、そうだそうだーと同調する人は、何かを主張しても簡単に言い負かされてしまうかもしれないから、注意したほうがいい。
保守派にも改革派にも少なくないのかもしれないけど、空気に流されやすい人は、人を論理で説得するのがむずかしい。
学説というのは信じる信じないの問題ではなく、論理がしっかりしているかどうかが大切。
その他にも、概論的なのかもしれないけど、論文の中には重要な構造を明らかにしてないところが多い。
元慰安婦たちが証言したという「給料をもらわなかった」というのはどういう状況なのか。
最初から給与は全く記録もされず、支払もされなかったというのであれば、まさしく奴隷的だろう。
そうであればそうとしっかり厳密に書くべき。
奴隷貿易で大稼ぎしたイギリスで長く暮らした教授は、奴隷の定義についてもきっと詳しいだろうし。
「給料をもらわなかった」というだけでは、「給与の記録はあったけど戦後のどさくさとインフレでまったく金銭の価値がなくなった」、あるいは「給料はもらったけど飲食費や服代などが必要だったから全くお金を残すことはできなかった」、あるいは「あんな少ない給料では給料をもらわなかったのも同じ」などといったパターンもあったのかなと推測されてしまう。
そもそも、給料は遊郭業者のような人から払われたのか、日本軍から払われたのか、どういう仕組みになっていたのだろう。聞き取りは行わなかったのだろうか。
9割の人は給料をもらわなかったと証言しているそうだけど、具体的にどういうパターンだったのだろう。給料は全くなく、生き延びるだけの食事を与えられ、監禁状態だったのだろうか。それならそうだったときちんと書いたほうがいい。
保守的と言われる人も、革新的と言われる人も、どちらも「歴史の真実が明らかになればいい」と主張している。
おたがいに、自分たちこそが歴史の真実を主張していると思っている。責任感をもって活動を行っている。
言われるほど保守派の人たちが独善的で非を認めないわけではないし、革新派の人たちが社会をこわそうとしているわけでもない。
なんだか似ている。鏡合わせのように。
おたがいに、相手が否定しにくいくらいしっかりとした事実と論理を相手に見せてあげればいいのに。
そうしたら、いつか同じ景色を見ることもできるようになるのでは。楽観的すぎるかな。
仲間うちで敵を攻撃するような宣伝文を読み回しても相手の目には入らないだろうし、論理が足りないと相手に作用することもできないだろう。
また、へんに攻撃的にならず、落ち着いて意見を述べられている教授の名誉のために付け加えておきたい。
教授の論文はあるメルマガに下記のようなタイトルで紹介されていたけど、教授は「安倍の詭弁」とか「安倍の二枚舌」などといった扇情的な言葉は使っていません。
支持者が勝手に付け加えたものだと思われます。
>Date: 2007年4月11日(水) 午後10時37分
>Subject: 速報662号テッサ・モーリス・スズキ――従軍慰安婦、安倍の詭弁 070411
>
>迷走する安倍の二枚舌、真意はどこに?
体調がちょっと心配。また「非国民」みたいなワイルドな本を読みたいな。
奥さんのテッサ・モーリス=スズキさんを検索すると、このようなテキストを見つけた。
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/715
論文がアップされているのはRMITのサイト?
RMITはオーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学ではなかったでしたっけ。
たしかここの大学の日本校が日本で最高レベルのカイロプラクティックの授業を行っている。
何回か4年生のインターンにRMIT新橋外来センターというところで、格安で診察してもらったことがある。
安くて良心的でおすすめ。でも生徒さんによってかなり技量のレベルが違う。
・RMIT大学カイロプラクティック学科日本校 新橋外来センター
http://www.chiro.jp/soc/
それはともかく、スズキ教授(モーリス=スズキ教授、と呼んだほうが適切なのでしょうか?正確なことを知らなくてすみません)は慰安婦問題にも取り組んでおられるようだ。
この問題に関してはさまざまな意見があるけど、教授はどのようなことを書かれているのだろう。
論文、と書いてあるし、学術的な内容が期待できる。教授はがんばり屋さんらしいし。
まず、日本語訳を読むとちょっとよくわからないところがあった。
学術書というのは宣伝文ではないから、厳密に「誰が」「いつ」「何を」「誰に対して」などといった要素をきちんと記すことが求められる。
だけど、訳者のレベルが問題なのだろうか、大事なことを中曽根元首相が「誰に対して」言ったのかが書かれていない。気になる。
誰に対して、慰安所の設置を認めたのか?
日本語訳がいいかげんなのかな。英語だったらこういう基本的な論理構成はしっかりとしているでしょ、と思った。
でも英語の原文を見たら、そこにも書かれていない。
http://nautilus.rmit.edu.au/forum-reports/0706a-morris-suzuki.html
Former Prime Minister Nakasone recalls in his memoirs authorizing the building of a "comfort station" on the island of Borneo for the use of men in his Naval Corps.
訳者は忠実に英語を訳してたわけですね。疑ってすみません。
軍人だった中曽根元首相は、遊郭業者さんに対して運営の許可を出したのか、日本軍の部下に対して運営の許可を出したのか、論文ではそういう基本的なことも判断できない。
なぜ調査して、はっきり書かないのか。
東京都の役人がソープランド経営者に運営の許可を出すのと、都の職員に許可を出すのとでは大違い。
ちなみに、戦後すぐには役人が自分の部下に慰安所(アメリカ占領軍向け)の許可を出したそうですが。
(東京都はソープランドを運営しているとは言えないけど、日本国はアメリカ占領軍向けの風俗店を経営していたと言える)
物事の構造を把握するには、雰囲気は必要ない。誰が誰に対して何をいつ行ったか、淡々と根拠を示して記すだけでいい。
歴史学の研究において一番こまるのは、いい加減なことを書いた研究書のせいでその研究全体がうさんくさく見られ、学問としての信頼性を落としてしまうことだ。
周囲の雰囲気や空気がかわるとすぐ否定されてしまう論文は弱い。
反対の意見を持つものに対して、いい材料を与えてしまう。
こういうテキストの論理に何の疑いも感じないで、そうだそうだーと同調する人は、何かを主張しても簡単に言い負かされてしまうかもしれないから、注意したほうがいい。
保守派にも改革派にも少なくないのかもしれないけど、空気に流されやすい人は、人を論理で説得するのがむずかしい。
学説というのは信じる信じないの問題ではなく、論理がしっかりしているかどうかが大切。
その他にも、概論的なのかもしれないけど、論文の中には重要な構造を明らかにしてないところが多い。
元慰安婦たちが証言したという「給料をもらわなかった」というのはどういう状況なのか。
最初から給与は全く記録もされず、支払もされなかったというのであれば、まさしく奴隷的だろう。
そうであればそうとしっかり厳密に書くべき。
奴隷貿易で大稼ぎしたイギリスで長く暮らした教授は、奴隷の定義についてもきっと詳しいだろうし。
「給料をもらわなかった」というだけでは、「給与の記録はあったけど戦後のどさくさとインフレでまったく金銭の価値がなくなった」、あるいは「給料はもらったけど飲食費や服代などが必要だったから全くお金を残すことはできなかった」、あるいは「あんな少ない給料では給料をもらわなかったのも同じ」などといったパターンもあったのかなと推測されてしまう。
そもそも、給料は遊郭業者のような人から払われたのか、日本軍から払われたのか、どういう仕組みになっていたのだろう。聞き取りは行わなかったのだろうか。
9割の人は給料をもらわなかったと証言しているそうだけど、具体的にどういうパターンだったのだろう。給料は全くなく、生き延びるだけの食事を与えられ、監禁状態だったのだろうか。それならそうだったときちんと書いたほうがいい。
保守的と言われる人も、革新的と言われる人も、どちらも「歴史の真実が明らかになればいい」と主張している。
おたがいに、自分たちこそが歴史の真実を主張していると思っている。責任感をもって活動を行っている。
言われるほど保守派の人たちが独善的で非を認めないわけではないし、革新派の人たちが社会をこわそうとしているわけでもない。
なんだか似ている。鏡合わせのように。
おたがいに、相手が否定しにくいくらいしっかりとした事実と論理を相手に見せてあげればいいのに。
そうしたら、いつか同じ景色を見ることもできるようになるのでは。楽観的すぎるかな。
仲間うちで敵を攻撃するような宣伝文を読み回しても相手の目には入らないだろうし、論理が足りないと相手に作用することもできないだろう。
また、へんに攻撃的にならず、落ち着いて意見を述べられている教授の名誉のために付け加えておきたい。
教授の論文はあるメルマガに下記のようなタイトルで紹介されていたけど、教授は「安倍の詭弁」とか「安倍の二枚舌」などといった扇情的な言葉は使っていません。
支持者が勝手に付け加えたものだと思われます。
>Date: 2007年4月11日(水) 午後10時37分
>Subject: 速報662号テッサ・モーリス・スズキ――従軍慰安婦、安倍の詭弁 070411
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>迷走する安倍の二枚舌、真意はどこに?