日本在住のオーストラリア人、マーガレット・プライスさんの著書「神楽坂日記」に、日本は水資源が豊かな国だ、というようなことが書かれていたと思う。
たしかに、日本では水が不足している地域は少ない。
ほとんどの欧米や中国の主要都市は、日本の半分以下の降水量しかない。
だから、欧米や中国の方が街がほこりっぽくなっていることが多いし、人々の肌も乾燥していることが多い。
雨が多いとうんざりすることも多いけど、わるいことばかりではない。
・世界各国の降水量
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/TPage/TPKurabeKousui.html
雨が多い日本では、田んぼでも畑でも庭でも公園でも、放置しておけば数年のうちに草で覆われ、木が生えてやがて落葉広葉樹や常緑広葉樹が多い雑木林となる。
下草も多く人が足を踏み込むのも難しい林となる。
山岳地帯の、高齢者ばかりの限界集落は、数十年もすれば森に飲み込まれてしまうのではないかと言われている。
日本は庭や畑の草抜きがたいへんだけど、植物の生育には適している。
日本より湿度が低く気温も低い欧米では温帯ではなく冷帯に属する地域も多く、下草の少ない針葉樹林が多い。下草が少ないと森の中を歩くのは簡単。
植生にはその地域の気候が大きく影響するから、森林面積を増やすことがむずかしい地域も多い。降水量の少ない地域では木が育たず、どうしても草しか生えないところも多い。
中国は降水量が少ないことに加え、人口増加や工業化の影響で砂漠化が進行している。
オーストラリアも旱魃が続き、砂漠の面積が拡大している。
ただ、かつて森林に覆われた地域で、気候があまり変動していないのに森林が少なくなっている地域も多い。
それは、都市化された地域だったり、穀物や家畜の生産工場と化した地域だったり。
近年では、ブラジルの森林消滅が進行している。穀物やバイオエタノールを得るために森林を伐採してサトウキビ畑や大豆畑・小麦畑にしたり、牧牛を育てるために牧場を作ったりしている。
均質の商品を大量に生産するためには、広い土地を利用することが必要なのですね。
一昔前の悪しき資本主義というか、下手な生産性至上主義でしょうか。
横浜や多摩や私鉄沿線は、ほんの100年前は山や林だったところが多い。それが切り崩されて今では崖の上にまで家々が並んでいる。
ドイツやイギリスやアイルランドなども、2000年前は都市部のローマやギリシャから遠く、うっそうとした森に覆われていた。
それが、今ではドイツ30%、イギリス12%、アイルランド10%程度の森林面積しかない。平地の林が伐採され、牧草地や農地にされた。
地球温暖化に関連して二酸化炭素の排出量を削減しようという流れがあるけど、それと平行して、地球規模での緑化運動を進めてもいいのではないだろうか。
森林面積を増やすことは地球環境の浄化につながる。
森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出し、多くの生命を育み、地表の温度を下げ、環境を安定させる。
私は、世界の緑化を日本政府が提案し、国連が主導して緑の地球作りを進めてもいいのではないかと思う。
具体的には、各国の森林率50%を目標にするのだ。
2000年前の地球は70%以上が森林だったのではないか。
それが今30%まで下がっている。最大の原因は、人類の存在と活動。
また、すでに森林率50%を超えている国でも、地域ごとの森林率を見ればいい。
東京都の森林率は36%、埼玉県と千葉県が32%、大阪が31%。
これを50%以上にすることを目標にしてもいい。
・都道府県別森林率
http://www.rinya.maff.go.jp/toukei/genkyou/shinrinritsu.pdf
世界の森林率は約30%。
東アジアは約20%。
日本や韓国は60%以上だけど、モンゴルや中国の北部・西部は森林率が10%以下。
アメリカ、カナダ、メキシコはそれぞれ33%程度。
ヨーロッパは、フィンランドは70%以上、スウェーデンも70%弱の森林率だけど、
スペイン、イタリア、ドイツ、スイス、ギリシャ、フランスなどは30%前後。
イギリス、オランダ、アイルランドなどは10%前後。
北海道や、イギリス・フランスなどのヨーロッパの田園地帯は美しい。
広く開けた牧場の、小高い丘に生えている牧草は絵になる。
だけど、そのような風景を見ると私はこんなことをふと感じる。
「この風景はとても美しい。すばらしい。だけど、ここは何十年もむかしは木々に覆われていたのではないか。土地が、苦しんでいないか。
かつてこの土地を覆う木々が日陰をつくり、落ち葉を供給し、水分をキープし、動物や微生物など多くの生命を育んでいた。
その世界が一掃されたあとのシンプルな牧草地帯は、多くの水をキープする力もない。そのうち降水量も減ってしまうのではないか。貴重な生態系を滅ぼし、環境に大きな影響を与えているのではないか」
世界森林資源調査2005(FAO)という調査がある。
下記のPDFファイルの220ページから、世界各国の森林率についての記載がある。
英文だけど、興味のある人は見てください。
ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/008/A0400E/A0400E00.pdf
国名 森林面積(1000ha) 森林面積(%)
ザンビア 42,452 57.1
ジンバブエ 17,540 45.3
マダガスカル 12,838 22.1
南アフリカ 9,203 7.6
ケニア 3,522 6.2
(東・南アフリカ合計) 226,534 27.8
スーダン 67,546 28.4
エリトリア 1,554 15.4
エチオピア 13,000 11.9
モロッコ 4,364 9.8
エジプト 67 0.1
リビア 217 0.1
(北部アフリカ全体) 131,048 8.6
コンゴ 22,471 65.8
コンゴ民主共和国 133,610 58.9
赤道ギアナ 1,632 58.2
カメルーン 21,245 45.6
セネガル 8,673 45.0
コートジボワール 10,405 32.7
ガーナ 5,517 24.2
ナイジェリア 11,089 12.2
(西・中央アフリカ全体)277,829 44.1
日本 24,868 68.2
韓国 6,265 63.5
朝鮮民主主義人民共和国 6,187 51.4
中国 197,290 21.2
モンゴル 10,252 6.5
(東アジア全体) 244,862 21.3
ラオス 16,142 69.9
ブータン 3,195 68.0
マレーシア 20,890 63.6
カンボジア 10,447 59.2
ミャンマー 32,222 49.0
インドネシア 88,495 48.8
ベトナム 12,931 39.7
スリランカ 1,933 29.9
タイランド 14,520 28.4
ネパール 3,636 25.4
フィリピン 7,162 24.0
インド 67,701 22.8
バングラデシュ 871 6.7
パキスタン 1,902 2.5
(南・東南アジア全体) 283,127 33.4
グルジア 2,760 39.7
トルコ 10,175 13.2
イスラエル 171 8.3
イラン 11,075 6.8
アラブ首長国連邦 312 3.7
イラク 822 1.9
アフガニスタン 867 1.3
サウジアラビア 2,728 1.3
カザフスタン 3,337 1.2
(西・中央アジア全体) 43,588 4.0
フィンランド 22,500 73.9
スウェーデン 27,528 66.9
ロシア 808,790 47.9
ラトビア 2,941 47.4
オーストリア 3,862 46.7
ポルトガル 3,783 41.3
スペイン 17,915 35.9
チェコ 2,648 34.3
イタリア 9,979 33.9
リトアニア 2,099 33.5
ブルガリア 3,625 32.8
ドイツ 11,076 31.7
スイス 1,221 30.9
ノルウェー 9,387 30.7
ポーランド 9,192 30.0
ギリシャ 3,752 29.1
フランス 15,554 28.3
ルーマニア 6,370 27.7
ベルギー 667 22.0
ハンガリー 1,976 21.5
デンマーク 500 11.8
イギリス 2,845 11.8
オランダ 365 10.8
アイルランド 669 9.7
アイスランド 46 0.5
(ヨーロッパ合計) 1,001,394 44.3
プエルトリコ 408 46.0
トリニダード・トバゴ 226 44.1
ジャマイカ 339 31.3
キューバ 2,713 24.7
(カリブ全体) 5,974 26.1
パナマ 4,294 57.7
コスタリカ 2,391 46.8
ニカラグア 5,189 42.7
グアテマラ 3,938 36.3
(中央アメリカ全体) 22,411 43.9
メキシコ 64,238 33.7
カナダ 310,134 33.6
アメリカ合衆国 303,089 33.1
(北アメリカ全体) 677,464 32.7
ミクロネシア連邦 63 90.6
パラオ 40 87.6
ソロモン諸島 2,172 77.6
パプアニューギニア 29,437 65.0
フィジー 1,000 54.7
ニューカレドニア 717 39.2
ツバル 1 33.3
ニュージーランド 8,309 31.0
オーストラリア 163,678 21.3
トンガ 4 5.0
(オセアニア全体) 206,254 24.7
コロンビア 60,728 58.5
ブラジル 477,698 57.2
ボリビア 58,740 54.2
ベネズエラ 47,713 54.1
ペルー 68,742 53.7
パラグアイ 18,475 46.5
エクアドル 10,853 39.2
チリ 16,121 21.5
アルゼンチン 33,021 12.1
ウルグアイ 1,506 8.6
(南アメリカ全体) 831,540 47.7
世界全体 3,852,025 30.3
たしかに、日本では水が不足している地域は少ない。
ほとんどの欧米や中国の主要都市は、日本の半分以下の降水量しかない。
だから、欧米や中国の方が街がほこりっぽくなっていることが多いし、人々の肌も乾燥していることが多い。
雨が多いとうんざりすることも多いけど、わるいことばかりではない。
・世界各国の降水量
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/TPage/TPKurabeKousui.html
雨が多い日本では、田んぼでも畑でも庭でも公園でも、放置しておけば数年のうちに草で覆われ、木が生えてやがて落葉広葉樹や常緑広葉樹が多い雑木林となる。
下草も多く人が足を踏み込むのも難しい林となる。
山岳地帯の、高齢者ばかりの限界集落は、数十年もすれば森に飲み込まれてしまうのではないかと言われている。
日本は庭や畑の草抜きがたいへんだけど、植物の生育には適している。
日本より湿度が低く気温も低い欧米では温帯ではなく冷帯に属する地域も多く、下草の少ない針葉樹林が多い。下草が少ないと森の中を歩くのは簡単。
植生にはその地域の気候が大きく影響するから、森林面積を増やすことがむずかしい地域も多い。降水量の少ない地域では木が育たず、どうしても草しか生えないところも多い。
中国は降水量が少ないことに加え、人口増加や工業化の影響で砂漠化が進行している。
オーストラリアも旱魃が続き、砂漠の面積が拡大している。
ただ、かつて森林に覆われた地域で、気候があまり変動していないのに森林が少なくなっている地域も多い。
それは、都市化された地域だったり、穀物や家畜の生産工場と化した地域だったり。
近年では、ブラジルの森林消滅が進行している。穀物やバイオエタノールを得るために森林を伐採してサトウキビ畑や大豆畑・小麦畑にしたり、牧牛を育てるために牧場を作ったりしている。
均質の商品を大量に生産するためには、広い土地を利用することが必要なのですね。
一昔前の悪しき資本主義というか、下手な生産性至上主義でしょうか。
横浜や多摩や私鉄沿線は、ほんの100年前は山や林だったところが多い。それが切り崩されて今では崖の上にまで家々が並んでいる。
ドイツやイギリスやアイルランドなども、2000年前は都市部のローマやギリシャから遠く、うっそうとした森に覆われていた。
それが、今ではドイツ30%、イギリス12%、アイルランド10%程度の森林面積しかない。平地の林が伐採され、牧草地や農地にされた。
地球温暖化に関連して二酸化炭素の排出量を削減しようという流れがあるけど、それと平行して、地球規模での緑化運動を進めてもいいのではないだろうか。
森林面積を増やすことは地球環境の浄化につながる。
森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出し、多くの生命を育み、地表の温度を下げ、環境を安定させる。
私は、世界の緑化を日本政府が提案し、国連が主導して緑の地球作りを進めてもいいのではないかと思う。
具体的には、各国の森林率50%を目標にするのだ。
2000年前の地球は70%以上が森林だったのではないか。
それが今30%まで下がっている。最大の原因は、人類の存在と活動。
また、すでに森林率50%を超えている国でも、地域ごとの森林率を見ればいい。
東京都の森林率は36%、埼玉県と千葉県が32%、大阪が31%。
これを50%以上にすることを目標にしてもいい。
・都道府県別森林率
http://www.rinya.maff.go.jp/toukei/genkyou/shinrinritsu.pdf
世界の森林率は約30%。
東アジアは約20%。
日本や韓国は60%以上だけど、モンゴルや中国の北部・西部は森林率が10%以下。
アメリカ、カナダ、メキシコはそれぞれ33%程度。
ヨーロッパは、フィンランドは70%以上、スウェーデンも70%弱の森林率だけど、
スペイン、イタリア、ドイツ、スイス、ギリシャ、フランスなどは30%前後。
イギリス、オランダ、アイルランドなどは10%前後。
北海道や、イギリス・フランスなどのヨーロッパの田園地帯は美しい。
広く開けた牧場の、小高い丘に生えている牧草は絵になる。
だけど、そのような風景を見ると私はこんなことをふと感じる。
「この風景はとても美しい。すばらしい。だけど、ここは何十年もむかしは木々に覆われていたのではないか。土地が、苦しんでいないか。
かつてこの土地を覆う木々が日陰をつくり、落ち葉を供給し、水分をキープし、動物や微生物など多くの生命を育んでいた。
その世界が一掃されたあとのシンプルな牧草地帯は、多くの水をキープする力もない。そのうち降水量も減ってしまうのではないか。貴重な生態系を滅ぼし、環境に大きな影響を与えているのではないか」
世界森林資源調査2005(FAO)という調査がある。
下記のPDFファイルの220ページから、世界各国の森林率についての記載がある。
英文だけど、興味のある人は見てください。
ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/008/A0400E/A0400E00.pdf
国名 森林面積(1000ha) 森林面積(%)
ザンビア 42,452 57.1
ジンバブエ 17,540 45.3
マダガスカル 12,838 22.1
南アフリカ 9,203 7.6
ケニア 3,522 6.2
(東・南アフリカ合計) 226,534 27.8
スーダン 67,546 28.4
エリトリア 1,554 15.4
エチオピア 13,000 11.9
モロッコ 4,364 9.8
エジプト 67 0.1
リビア 217 0.1
(北部アフリカ全体) 131,048 8.6
コンゴ 22,471 65.8
コンゴ民主共和国 133,610 58.9
赤道ギアナ 1,632 58.2
カメルーン 21,245 45.6
セネガル 8,673 45.0
コートジボワール 10,405 32.7
ガーナ 5,517 24.2
ナイジェリア 11,089 12.2
(西・中央アフリカ全体)277,829 44.1
日本 24,868 68.2
韓国 6,265 63.5
朝鮮民主主義人民共和国 6,187 51.4
中国 197,290 21.2
モンゴル 10,252 6.5
(東アジア全体) 244,862 21.3
ラオス 16,142 69.9
ブータン 3,195 68.0
マレーシア 20,890 63.6
カンボジア 10,447 59.2
ミャンマー 32,222 49.0
インドネシア 88,495 48.8
ベトナム 12,931 39.7
スリランカ 1,933 29.9
タイランド 14,520 28.4
ネパール 3,636 25.4
フィリピン 7,162 24.0
インド 67,701 22.8
バングラデシュ 871 6.7
パキスタン 1,902 2.5
(南・東南アジア全体) 283,127 33.4
グルジア 2,760 39.7
トルコ 10,175 13.2
イスラエル 171 8.3
イラン 11,075 6.8
アラブ首長国連邦 312 3.7
イラク 822 1.9
アフガニスタン 867 1.3
サウジアラビア 2,728 1.3
カザフスタン 3,337 1.2
(西・中央アジア全体) 43,588 4.0
フィンランド 22,500 73.9
スウェーデン 27,528 66.9
ロシア 808,790 47.9
ラトビア 2,941 47.4
オーストリア 3,862 46.7
ポルトガル 3,783 41.3
スペイン 17,915 35.9
チェコ 2,648 34.3
イタリア 9,979 33.9
リトアニア 2,099 33.5
ブルガリア 3,625 32.8
ドイツ 11,076 31.7
スイス 1,221 30.9
ノルウェー 9,387 30.7
ポーランド 9,192 30.0
ギリシャ 3,752 29.1
フランス 15,554 28.3
ルーマニア 6,370 27.7
ベルギー 667 22.0
ハンガリー 1,976 21.5
デンマーク 500 11.8
イギリス 2,845 11.8
オランダ 365 10.8
アイルランド 669 9.7
アイスランド 46 0.5
(ヨーロッパ合計) 1,001,394 44.3
プエルトリコ 408 46.0
トリニダード・トバゴ 226 44.1
ジャマイカ 339 31.3
キューバ 2,713 24.7
(カリブ全体) 5,974 26.1
パナマ 4,294 57.7
コスタリカ 2,391 46.8
ニカラグア 5,189 42.7
グアテマラ 3,938 36.3
(中央アメリカ全体) 22,411 43.9
メキシコ 64,238 33.7
カナダ 310,134 33.6
アメリカ合衆国 303,089 33.1
(北アメリカ全体) 677,464 32.7
ミクロネシア連邦 63 90.6
パラオ 40 87.6
ソロモン諸島 2,172 77.6
パプアニューギニア 29,437 65.0
フィジー 1,000 54.7
ニューカレドニア 717 39.2
ツバル 1 33.3
ニュージーランド 8,309 31.0
オーストラリア 163,678 21.3
トンガ 4 5.0
(オセアニア全体) 206,254 24.7
コロンビア 60,728 58.5
ブラジル 477,698 57.2
ボリビア 58,740 54.2
ベネズエラ 47,713 54.1
ペルー 68,742 53.7
パラグアイ 18,475 46.5
エクアドル 10,853 39.2
チリ 16,121 21.5
アルゼンチン 33,021 12.1
ウルグアイ 1,506 8.6
(南アメリカ全体) 831,540 47.7
世界全体 3,852,025 30.3
もう少し国の数を増やしていただけないでしょうか?
よろしくお願いします。