波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
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波屋山人

ベンデレ、グリーズマン

2021-07-10 16:18:18 | Weblog
関西出身の日本代表サッカー選手が東南アジアに行ったとする。
ホテルで電球が切れていたのでフロントに電話すると男性スタッフが何人か来た。
でもスタッフはぼんやり天井を眺めたままで直らない。時間だけ経ち何の説明もない。
モテなさそうな珍妙な容貌のスタッフは表情も変えずコミュニケーションもなくたたずんだまま。

いったい何をやっているんだ? とサッカー選手はイラついてくる。
動画を撮りながら「こいつら何ボーっと突っ立っとんねん。ブッサイクやで。暗いわー。アホちゃうか。何しとんねん。ほんま殺してしもたろか?」などとつぶやいたとする。
同室の他の選手も暇だし仲間のイラ立ちも理解できるので一緒になって笑う。

友人に送った動画は、2年後にyoutubeにアップされて注目された。
ちょうど人種差別が世界的な話題になっていた時期なので、目をつけられたのだろう。
しかし、その動画では英語での翻訳文がちょっと原文と意味が異なっていた。
「彼らはなぜウスノロで立ち尽くしているのか。醜い、黒い顔だ。無能じゃないだろうか。何をしているのだろう。ほんとうに殺してしまいたい!」

この訳文を見た人たちは非難の声を上げる。
これは、とんでもない人種差別ではないか。言ってはいけないことを言っているのではないか。この日本代表選手を追放すべきではないか。そんな声が高まる。

中には、サッカー選手を擁護する人もいる。
「言うべきではない汚い言葉だけど、関西ではイライラした時の慣用句のようなものだ。ブサイクとか殺したろかというのは、容姿を見下したり殺人をほのめかしたりというのではなく、不満を感じたときについ口に出してしまう言葉だ。関西の芸人さんもよく言うではないか」
しかし、世論はおさまらない。

サッカー選手は「差別の意図はありませんでした。ブサイクとか殺してしもたろかという言葉は仲間内のスラングで、特定の人を侮蔑する意味はありません。でも気分を害されたのならすみません。謝ります」と謝罪コメントを出した。
それが言い訳にすぎないとしてさらなる炎上を呼び、サッカー選手は人種差別者のレッテルを貼られ、肩身の狭い思いをすることになった…


フランス代表選手のベンデレとグリーズマンの一連の騒動を見ると、そんな状況を想像する。
日本人も、海外で安易に荒っぽい言葉遣いをしない方がいい。差別主義者のレッテルを貼られ、疎外・排斥されてしまうかもしれない。


ほんとうは、共同体や組織の維持発展に不適切な行為を否定し排除することが、差別的な構造のベースにある。
劣っている者、不適切な者、間違っている者、などと認識される人々は、価値がない者として社会からはじき出されがちだ。

時代の変化や共同体の位置する場所によってそれぞれ価値観が異なるので、ある時代やある文化圏では問題とされていない価値観や構造が、別の時代や文化圏では差別的あるいは抑圧的として問題視される場合もある。
現代社会において、自分は一切差別などしていないと思っている人でも、後世の人たちからは「犯罪者差別」「動物差別」「害虫差別」「なまけもの差別」「薄毛差別」「多重恋愛者差別」などに積極的な差別者として認識されるかもしれない。


本当に世の中から差別問題をなくしたいと思っている人であれば、間違っていると思われる行為をしている人に対して、非難・見下し・否定・疎外などの姿勢を見せない方がいい。
「間違っているものを排除すれば問題が解消される」と認識するのは、まさしく差別をしている人たちと同じレベルの意識だからだ。

自分の価値観について自覚的な人々が増えれば、少しずつ差別問題の少ない世の中になるのではないだろうか。
差別をなくそうとしている人が、差別者と同じようなことをしているうちは、差別はなくなりようがない。
差別に反対している学者や評論家や精神科医やタレントさんたちが、差別的な人を攻撃し、価値のない人扱いして見下している様子を見ると、残念に感じる。
非難も侮蔑も怒りもなく、状況を変えることは可能だ。



https://news.yahoo.co.jp/articles/3047829801b9528f8e2469c5f3a46ed2dbce13b2
デンベレ差別発言を謝罪も「逆ギレ」と収まらず 批判と異なる「差別コメント」の日本語投稿も
7/6(火) 20:10配信
 サッカー・フランス代表のFWアントワーヌ・グリーズマンとFWウスマン・デンベレは、過去に日本滞在中に撮影された差別的発言を含む動画について、2021年7月5日、自身のSNSを通じて謝罪した。
 2人の謝罪内容もまた物議を醸し、日本のツイッター上では「開き直り」「謝るどころか逆ギレしてる」と批判が集まっている。その一方で、デンベレのインスタグラムには批判とは異なる、明らかな「差別的投稿」も相次いでいる。
■フランスメディアも批判
 グリーズマンとデンベレはフランス代表の中心的選手。ともにFCバルセロナ(スペイン)に所属する。19年7月にはクラブの日本ツアーで来日していた。
 問題になっているのは、その来日時にホテルの一室で撮られた40秒ほどの動画。2人はサッカーのテレビゲームをするため、ホテルのスタッフにセッティングを任せていた。しかし、デンベレはセッティング中のスタッフを前に、フランス語で「醜い面」「ひどい言葉だ」などと発言。グリーズマンはデンベレの隣で、終始笑みを浮かべていた。
 この動画が21年7月2日にインターネット上で拡散され、「日本人差別ではないか」と批判を集めた。3日には日本のウェブメディアが動画の内容を相次いで報じた。4日にはフランスで最も歴史のある日刊紙「フィガロ」電子版が動画を取り上げ、「人種差別的な発言」「悪い冗談を言いながら、スタッフの出自を公然と馬鹿にし、不快なカメラズームと太い笑い声を繰り返している」(編集部訳)と批判した。
 そうした中、5日夜にデンベレとグリーズマンは自身のSNSを通じ、騒動を謝罪した。
 デンベレはインスタグラムのストーリー機能を通じてメッセージを投稿した。動画での発言は「プライベートで、友人との間で、相手がどこの国の人であろうと使う傾向があります」と説明。動画はもともとプライベートで撮影されたとした上で、「このビデオが公開されたことで、そこに映っている人たちが傷つく可能性があることは十分に理解しています。だからこそ、彼らに深く謝罪したいのです」とした。
 グリーズマンはツイッターで、フランス語で次のような文章を投稿した。
「私は、どんな差別にも反対してきました。ここ数日、ある人たちが私をおとしめようとしています。私に対する非難には断固として反論し、日本の友人たちを怒らせてしまったならば申し訳ないと思っています」



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7 コメント

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Unknown (powertrac 439)
2021-07-17 14:43:33
Everything has its own value
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Unknown (Mahindra yuvo 585 mat)
2021-07-17 15:26:00
Fantastic blog. Thanks for posting this.
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Unknown (New holland 3630)
2021-07-17 15:49:24
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2021-07-18 02:58:00
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Paheli in Hindi (Paheli)
2021-07-23 01:46:49
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Paheli in Hindi (Riddles for kids)
2021-07-23 01:52:07
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2022-01-06 00:43:40
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