波打ち際の考察

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波屋山人

ウタリ協会→アイヌ協会に名称変更

2008-05-17 01:05:36 | Weblog
喜ばしいことだ。
ウタリ協会からアイヌ協会に名称変更となるらしい。

ウタリ協会という文字を見るたびに、少し違和感があった。
最近は、アイヌという語が差別的なイメージで使われることはほとんどない。
なぜ、わざわざウタリ(同胞)という語を使っているのだろうと思っていた。
アイヌという語は自信を持って言える言葉だ。
差別的に使う者がいたとしてもアイヌという語が悪いわけではない。
非は、差別的に言う者にある。
アイヌという語は美しい語だ。

そのむかし、北海道では「アイス」の看板を見てもビクッと反応してしまうという萎縮したアイヌの子どもたちの悲しい姿があった。
アイヌの子たちに対する差別もあった。子どもたちは残酷だから、自分たちと容姿が違ったものに対して執拗にからかい、攻撃する。
画一的な教育の中ではけ口を求めて、弱いものに対してひどいことをしていたのかもしれない。

それはともかく、現在、アイヌといえばかっこいいことだ。
アイヌの人たちは目鼻立ちがしっかりした人が多く、美男美女率が高い。
自然を身近に感じる伝統的生活は、エコロジカル。
雄大な神話世界も興味深い。
東北にもアイヌ語地名は残っている。
アイヌは日本列島の先住民族の子孫でもある。

むかし、縄文式土器はアイヌ式土器と言われていたこともある。
弥生式土器が朝鮮式土器と言われていたように。
縄文時代の後、弥生時代が入ってこなかった北海道地方は、縄文文化を色濃く残している。
アイヌの曲線がダイナミックな文様は、縄文式土器を連想させる。

私にとってアイヌは憧れの対象。
小学校の頃に石森延男の小説「コタンの口笛」を読み、中高の頃には知里幸恵のまとめた「アイヌ神謡集」を読み、社会人になってからは阿寒湖の近くのコタンに行ってアイヌ語小事典を何冊か買ったり、アクセサリーを買ったりした。
アイヌのブレスレットを身につけると勇気が湧く。
できることなら、アイヌ人になりたい。
薄っぺらい顔なのでアイヌ失格だけど。

東京には1軒だけアイヌ料理屋さんがある。
最近はアイヌの食材であった行者ニンニク(キピトロ)も春になるとスーパーに並ぶことが増えてきた。
シンプルなアイヌ料理はなじみやすい。
日本はどんどんアイヌ化、縄文化してしまってもいいのではないだろうかと夢想する。

レラ・チセ
http://www2.odn.ne.jp/rera/ru.htm


http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY200805160292.html
■ウタリ協会、アイヌ協会に 来春、半世紀ぶり名称変更
2008年05月16日22時38分

 アイヌ民族最大の団体「北海道ウタリ協会」(会員3553人)は16日、札幌市内で総会・代議員会を開き、協会の名称を09年4月1日から設立当時の「北海道アイヌ協会」に変更することを決めた。ほぼ半世紀ぶりに名称を戻すことになる。

 アイヌ語で「アイヌ」は「人間」、「ウタリ」は「同胞」の意味。1946年に北海道アイヌ協会が設立されたが、「アイヌという言葉が差別的な意味で使われていたことがあり、入会時などの心理的な抵抗を軽減させる」などの理由で61年に名称変更。これまで何回か元に戻す議論があったが、会員の間には「差別はまだ残り、名称変更には抵抗感がある」との意見が根強く、見送られてきた。

 だが、97年のアイヌ文化振興法制定などに伴って民族や文化への理解が進んできた社会的背景の変化などから、民族の本来の呼称である「アイヌ」に戻すべきだという声が強まった。国会でもアイヌ民族を先住民族と認める決議を目指す動きが活発化している。加藤忠理事長は「国に対する働きかけを考えても、名称を変えるのに機が熟したと判断した」と話している。

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