DFSとして蘇ったドイツ人商館
ドイツ人商館は、フォンダコ(ベネチアの方言で、商館の意)・デイ・テデスキ(イタリア語でドイツの意)と呼ばれ、1288年に、リアルト橋のたもとに、東方と西欧を結ぶ中継貿易の拠点として建設されました。東方諸国からはワインや毛織物や各種の香辛料などを仕入れ、ベネチアからはガラスや工芸品を売りさばいていましたが、ベネチアの商人として実権を握っていたのは貴族達、というか、商人たちによって構成されたこの貴族階級は、政治にも勿論力を持ち、ベネチアの繁栄に大いに寄与したのでした。時は13世紀。フィレンツェではこの100年後あたりからメディチ家が頭角を現し始めます。
郵便局時代の“表札”がそのまま残されている現DFS
ドイツ人商館と名前が付いていますが、東欧諸国、例えばオーストリア人やハンガリー人なども含まれていたそうで、この商館にそれら商人達は宿泊し、事務所も構えて取引を行っていたとか。カナル・グランデに面した船着き場は、沢山の貿易の品々が荷下ろしされて、さぞかし賑やかで闊達な経済活動が展開されていたことと思います。造船技術が発達し、ベネチア国家の強大な造船所、あのアルセナーレが造られたのもこの頃です。
DFS・フォンダコ・デイ・テデスキ店ファザード(正面)
2016年12月28日・カナルグランデより撮影
今回のリニューアルにあたって、外観も内観も大きな手は加えなかったと前述しましたが、外観は多くの受賞歴を誇るオランダの建築家レム・コールハース氏がそのリフォームを手がけ、そして内観もイギリスの著名な建築家ジェイミー・フォバート氏が担当して内装を一新したというから、この、ヨーロッパへの足がけとなるTギャラリア(路面型免税店)の新規店オープンに掛けるDFSグループの意気込みを思います。
当時、ファザード(正面)は、ベネチアを代表するジョルジョーネやティツィアーノのフレスコ画が、それぞれカナルグランデ側とカッレ(横側)の壁面を色鮮やかに飾っていましたが、それらの絵画は長い間に風化し、DFSになった今ではその片鱗さへも伺い知ることは出来ません。歴史はこうして塗り替えられていくものなのですね。
そうそう、現在、四階のイベントスペースでは、国際アーティスト、ファブリツィオ・プレッシの「アンダー・ウォーター」展が開催されています。何でもベネアを愛する彼は“アートとテクノロジー、そして過去と現代が融合する作品”をこの地で披露したかったそうで、オープニング記念として、この展示場を現在無料で解放しています。(2017年1月15日まで、午前9時半~午後7時半)
この最上階に出来たパビリオンからは、リアルト周辺の見事な景観が望めるそうで、催し物はともかくも、時間があれば、是非四階まで上がって見て下さい。
四階イベントパビリオンのキンキラキンのエレベーター
なお、このイベントスペースに入場してリアルトの景観を見るには、2016年12月28日時点では予約が必要でした。沢山の人が押しかけたためですが、この日はいっぱいで明日の予約が必要と言われました。その“明日”は帰国日でしたので私は諦めざるを得ませんでしたが。
イベントパビリオンへの入場口
四階の受付で予約します。2016年12月28日現在入場は無料。
DFS・フォンダコ・デイ・テデスキ店入り口
私のベネチア散策のバイブル「迷宮都市ヴェネチアを歩く」の著者、陣内秀信さんによると、当時このドイツ人商館は、多くの客を招き、コンサートや祝宴を催す文化交流の場としても機能していたと言います。一時は、といっても、1870年から2010年までの長きに渡って郵便局の時代もあったけれど、世界中の旅行者向けの華やかなラグジュアリーショップに変貌した元ドイツ人商館はその歴史を思うとき、長い年月を経て、やっと元の姿に戻ったのかも知れません。
★注意
このDFSは、全館での買い物の合計が155ユーロ以上になると免税の対象になるとのこと(一店舗での買い物でなくて全館での合計、という説明を受けましたが、受付で確認して下さい。日本人のスタッフも居るし、日本語の分かる係りの人も居ます)。購入する時は定価ですが、諸手続きをして、勿論、税の還付が受けられます。従って、出国の時間には十分な時間が必要です。今回、ベネチアからローマ経由で帰国しましたが、ローマから成田までの国際便に乗り遅れた乗客が二名いました。こうした還付手続きに手間取っていたか、あるいはローマの空港で最後のショッピングでもしていたか、それとも他の理由かどうかは不明ですが、その乗客の荷物はベネチアから乗せられていたので成田に行くことは確かなようでした。乗り継ぎ時間は少々タイトだったので、私も急ぎ足で出国ブースに向かいましたが、税の還付を受ける為の手続き時間を十二分に確保するのはちょっと難しかったと思います。乗り継ぎの出来なかったこの二人の乗客の荷物を下ろすのに、ローマの空港では50分ばかりかかり、飛行機の出発は遅れました。還付手続きには、くれぐれも時間に注意して、あるいは買い物の予定があるときは、国内線を一つ早い便にして余裕ある時間割を。
このくらい買って、やっと免税の恩恵を受けるなどでした。手数料、時間、手間などを考えたら、、など、大変わかりやすい説明でした。
また、ドイツの空港は他国と違い、極一部のみ免税店で、殆どはそこでの免税手続きが必要との事。うーむ、手続きしないで飛行機乗っちゃうと、ドイツはツーリストの分の税金丸儲け?なんて、せこい事を考えちゃったのですが、考え過ぎ?
私の場合、手数料と税金分が、どっこいなので、大抵手続きしないままです。細々、雑貨くらいしか買いませんから。あ、イギリスは子供服は無税なんですよ。
まだ、残念ながら今年の予定は立っていません(><)
それにしてもイギリスでは子供服に税がかからないなんて初めて知りました。sachiさんなら上手に買い物されるのだろな、いつも素敵なお土産を持って帰って来ておられるもの。ふふふっ子供服、大人買いをされたのではないですか(^^)。
今年もよろしくお願い致します。
旅行のお疲れはすっかり取れましたか?
私もようやくお正月疲れがとれてきました。。。
免税還付のお話で私、思い出してしまいました。昨年7月にイギリスへ行った折、同行の父に頼まれたお土産やら何やら私のカードで購入して免税手続きの書類を書いてエジンバラの空港で書類を投函したことを。後日銀行口座に振り込まれますということで。。添乗員もいるツアーでしたので書類の確認も彼女がしたので手続きに間違いはないはず。
えーーー!!本当に戻ってくるのかしら?というか、手続きしたことをすでに忘れていました。
あはははは。。。それから、イタリア語でドイツのことをtedescoというんですよね、初めて知った時ステテコ?なんて思って笑いました。
mokochan さんも免税手続きを経験されたのですね。忘れた頃に、?という感じで入金がありますので、やはり得した気分になりますよね。英国でお父様とお買い物なんて、優雅で素敵!。何を買われたかな~ちょっと気になりますです^^;
そそっ私も初めてこの言葉を知った時、mokochan さんと同じことを思いました。国の名前で、このステテコを真っ先に覚えました。イタリア語ってリズムがあってなんか可愛く、楽しいですよね。日本の車の名前やお店なんかにイタリア語が使われているのが納得です。
こちらの記事を参考にさせてもらい、
イタリア語はもちろん英語も分からない中、
インターネットで切符を買うことができました。
メールで予約完了の知らせを受け取った時は感激でした!感謝でいっぱいです。有難うございました。
このヴェネチアのドイツ商館の前も通りましたが、
書いておられるように、なにか豪華で黒づくめの服。来たドアに立っている人が怖くて笑、中には入れませんでした。私どもの服装では場違いのようでして。
今読ませて貰うと、とても良く分かり、
こんなだったら、服を着替えて中に入って見学すまればよかったと夫とも話しているところです。
続きを楽しみにしています。
テラスは思ったより狭いので上がれる人数も限られていて、余裕のある中でヴェネチア中の教会から6時の鐘が鳴り始めて、みんな静かに歓声をあげていました。そのうちに少しづつ赤く染まっていき、夕焼けの美しいヴェネチアを見ることができ感激しました。
ブランド品はもう欲しいとは思わなくなったのでお菓子くらいしか買わなかったけど、トイレもきれいだし利用価値は大きいと思います。
免税手続きで乗り遅れる人がいるなんて、驚きです。イタリア国内で乗り継ぐ場合、最終地で手続きするという事なんですね。フィウミチーノで2度したことがありますが、1度はツアーだったものの新婚さん2組と私だけだったので、添乗員さんがつきっきりで教えて下さいました。なので翌年一人で行った時も覚えていて助かりました。
最近はブランド品も興味がなくなったので、あまり用がないかな(笑)
この記事にある乗り遅れた二人の原因は、何だったか、分からないままでしたが、手続きに手間取ったり買い物に夢中になっていたり、様々なのでしょうね。何しろローマの空港は広いし、20分も切れば、搭乗口は入れてくれない。私も一度、テッセラ空港で呼び出されたことがあります。新しくなったエリアのカフェでのんびりお茶飲んでいて、大慌てしました。海外旅行はほんと何でつまづくか。
そうですよね、私もブランド物にはさして関心がなくて、せいぜい空港内で化粧品を買うくらいです。だから免税に関しては、あまり詳しくないのですが、基本的には、乗り継ぎがEU圏内の場合、最後に出国する空港でスタンプをもらいます。でも、一度乗り継ぎ時間がないと頼み込んでフィレンツェの空港でスタンプをもらったことがあります。手袋を買った時でしたが、その時の状況でさすがに対処はしてくれるように思います。でも、数年前にグローバルブルーの手続きが電子化されて、そのスタンプは省かれたと聞きますが、あれからあのシステムはどうなっているのでしょうね。生きているのかしら。