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やっぱりオペラはいいもんだ

2006-11-18 21:54:30 | 音楽
 昨日の夜、駅から自宅へ帰る時見た街の風景は、いくつかの場所にイルミネーションが施されていた。寒さも加わり晩秋を実感できる。
 今朝6時のわが家の玄関の外の温度が6℃で、季節にふさわしい寒さとなった。そこでシーズン最初である薪ストーブを焚いてみた。久しぶりなので薪の燃える匂いと音と炎を、新聞を読みながらゆっくり味わった。

 土曜日の午後に自宅にいるときは、ほとんどがJリーグの試合を見ることに費やす。しかし急に思い立って近くのホールでの、モーツアルトのオペラ「フィガロの結婚」を見ることにした。当日券があるとのことと、特別に気分転換したいという思いがあったからである。
 「フィガロの結婚」を見るのは3回目である。ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラの演奏を当日券で、しかもS席12000円という安価で見られる。価格は、東欧との経済格差とモーツアルトのオペラなので小規模であるためだろう。パンフレットには総勢180人とあるが、5つの演目のためだろうか。日本に1カ月滞在し、15回の公演のするうちの、わたしが見たのは2回目のものであった。
 「フィガロの結婚」を以前見た時は、ひたすら歌とオケの音楽に耳を傾けたものだ。ストリーはおおよそ知っているので、今回は総合的にじっくり味わった。
 「フィガロの結婚」の序曲は、オーケストラの演奏会の冒頭に演奏したりするなじみのものである。とくにアマチュアオーケストラで。それにアリアでは「もう、飛ぶまいぞ、この蝶々」は、演奏会でよく歌う(バリトン)耳になじんでいる。「恋とはどんなものかしら」はアリアの入門の曲(メゾソプラノ)であり、多くの人に親しまれている。
 舞台は、日本のホールを移動公演可能なように、簡易なものであった。もっともイタリアオペラと違って、オペラの初期でもあるモーツアルトの舞台装置はシンプルでよいのだ。

 さて歌い手の水準が高かったし、ヨーロッパの文化であるので身振りしぐさレベルも含めた演技が、心地よかった。それにコミックストーリがよくつくられている、と感心したものだ。200年余り前にヨーロッパではこのようなものを楽しんだのか、といったことにも思いをはせたのだった。最後は、わたしとしては珍しく感動したのだった。日常性を忘れた、3時間ほどの至福の時間であった。

 1800人のホールはいっぱいであり、字幕にも助けられ観客は反応していたが、オペラに慣れていないせいか、アリアの終わったときの拍手は2幕目ぐらいからするようになった。それに「ブラボー!」という声があってもよいぐらい会場全体の満足の雰囲気があったが、発する人がいなかった。
 わたしはどうかって、恥ずかしがり屋なのでできない。まあ、そんな人が多いのも日本人だし、オペラにも慣れていないのだ。演奏者は、楽しむというより一生懸命聞く観客に、文化の違いを感じたかもしれないな、なんて考えたのだった。

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