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雑草の日:歩く姿がエビのよう

2023-11-21 06:29:29 | 日記
優れもののヤマノイモ

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、ヤマノイモ科 ヤマノイモ属 オニドコロ です。
 歳をとると身なりに関心が薄くなるもの。
現役時代は朝の髭剃りは欠かさず、パリッとした服装で、背筋を伸ばして
家を出たものでした。
それが今では無精ひげにジャージ姿、背中を丸めて歩くのが定番です。
何年か先には背中どころか腰まで丸めているかもしれません。
こりゃいかん、姿勢を正してウォーキングに出発です。

 背筋を意識して顔を上げて歩いていたら、昨日までは気付かなかった
景色が眼に飛び込んで来ました。
前方の木にツル植物が絡まって本体がほぼ消えた影。
 ハート形の緑の葉っぱで木を隠しているのはオニドコロです。
周囲を見回すとあちらでもこちらでも、樹々に絡みついて勢力を誇示
しています。
 仲間のヤマノイモは根を掘り出せば天然のとろろにありつける優れもの。
でも滅多に見つけられない希少価値の高い植物です。
似た姿のオニドコロはすぐに見つかるけれど迷惑者。
旺盛な繁殖力で何処にでも絡みつき、そのうえ根にはアルカロイドなどが
あるので食用には適しません。

オニドコロとエビ

 ところがこの根っこ、正確には地下茎ですが意外な用途があるそうで。
<長く伸びた地下茎にあやかって長寿を祝福する正月飾りとする風習がある。
「野老を飾る」は季語にもなっている。>(素人植物図鑑 より)
 いきなり出てきた「野老」、これで「ところ」と読み、鬼を付けて鬼野老。
どう頑張ってもオニしか読めない字面です。
 言葉の成り立ちは根の様子にありました。
<根に塊ができることから「凝(とこり)」と名付けられ、それが訛って
トコロとなったとされている。>(野の花散歩 より)
 それが野老になったいきさつは次の通り。
<表面に細かいひげ根が多くこれを老人に見立て、野原に生えるので野老
と書いた。>(野田市 より)
 そうなったのには海の生き物の存在がありました。
<体を丸めた姿が腰の曲がった老人に似ていることからエビを海老と書く
様になった。>(ちそう より)
 それで野の老人から野老の当て字が生まれたのでした。

 これを踏まえて悲しい話を。
「髭面で腰の曲がった爺さんが毎日ウォーキングまがいに徘徊していました。
人々はその様子から歩老の字を当てて「コロト」と呼びました。
コロっと逝ってくれればいいな、そんな願いが込められていたのです」


コメント
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