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塩カルを使うと獣が増える

2016-11-26 06:25:07 | 日記
塩カルの功罪

 何時雪が降っても良いように、倉庫から雪掻き道具を引っ張り出しました。
ついでに去年の残りの塩カルの袋の中身も確認しました。少し塊が出来て
いましたが、問題なく使えそうです。

 毎週土曜日は日々の暮らしの中で生じた、どーでも良い様な極々小さな疑問を
取り上げています。
今週は「塩カルの謎」です。

 「塩カルなどの融雪剤は水に溶けて凝固点降下を起こすので、気温より融点が
下がった時雪が融ける」とWikipediaでは解説されていました。
ナルホドと読み飛ばしましたが、典型的な文系人間の私には実はチンプンカン
プンです。
 とは言えその便利さだけは充分過ぎる程分かっています。
1991年にスパイクタイヤが禁止されて以降、雪道でどれ程助けられた事か。
道路だけでなく階段や駐車場でも恩恵にあずかっています。

 しかし当然の事ながら、一方では弊害も生じました。
コンクリートを破損させ、鉄筋を腐食させ、車に着いた成分は金属部分を蝕みます。
また散布した周囲では植物の生育が悪化したり枯れたりの被害も頻発しています。
素手で触れて皮膚炎を起こした例もありました。
 生産量の問題もあります。
塩カルはガラス製品を造る際の副産物として生み出される、特殊な物です。
国内で製造しているのはたったの2社。
だから急な増産は対応出来ず、品不足が起こりがちです。
 2014年2月の大雪の際には全国的に品切れが発生し、1週間以上納期を
待たされました。

 その為代替品の開発が急がれています。
しかし現状ではコストは4倍、効果は悪い、更に異臭もするとなかなか良い製品が
出てきません。
今後はビール醸造の廃液やピーツジュースなどが有力な後継品として期待されて
います。

野生動物を巡る問題

 生産量や代替品以外にも、塩カルには表面に出ていない大きな問題が潜んでいます。
その研究に北海道と長野県の個人が取り組んでいると言います。
テーマは野生動物、とくにニホンジカの増加と塩カルの関係です。
 シカやイノシシやクマなどの野生動物が急激に増えた理由は、天敵のオオカミの絶滅、
温暖化で減少した降雪量、狩猟者の後継者不足、等が言われています。
しかしそれ以外の見えない理由があるのでは、が研究の出発点です。
 通常野生動物は希少な塩分やミネラルの摂取に苦労しますが、手軽に摂れる安定的な
供給源が現れました。
それが塩カルの散布です。
路面の状況で塩カルが一か所に集積され、それをシカなどが舐めて頭数の増加を招いて
いる、が仮説です。

 実際1991年以降の塩カルが使われ始めた時期と、シカが増加した時期が見事に
リンクしています。
何分研究者が少ないので、結論に至るまでにはまだ時間が掛ります。
その間、労せずに必要栄養素を摂取した野生動物が秩序無く増え続けて行きます。
 滑らない様に気を配って歩く自宅の裏道にいきなりシカが出てきたら、スッテン
コロリするより怖い話です。
コメント
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