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秋の味覚のワラビは如何

2016-11-01 06:25:47 | 日記
地面からニョキニョキ生えた物

 ネッシーやUFO程では無いけれど、身近な場所でも奇妙な光景に出くわす
ものです。
森林公園で散歩中、北風が冷たいこの時期なのに春の芽吹きを思わせるニョキ
ニョキ生え出た草を見つけました。
20cm~30cmの茎があちらこちらで一斉に顔を出しています。
 周囲はカキドオシなどの丈の低い草しか無い地面、そこにワラビに似た草が
林立している様子はちょっと見慣れない光景です。
先端に薄い黄緑色をした小さなつぼみの様な物が沢山着いた茎は、どれもが
シダの葉の根元から伸び出ています。
という事は、これはシダの芽吹き?
冬を前にして芽を出したの?

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた山野草を取り上げています。
今週は、ハナヤスリ科 ハナワラビ属 フユノハナワラビ です。

 大抵のシダの葉の裏面には小さな胞子嚢がビッシリと付いていますが、
このシダの裏面はきれいな物。
表も裏も色や手触りにほとんど違いがありません。
 両面が同じ色調のシダと言えばリョウメンシダが良く知られていますが、
リョウメンシダも時期になれば葉の一部に胞子嚢が姿を見せます。
しかしハナヤスリ科のシダの葉にはそうで無い、全く別の姿で現れます。
それが今回見つけた不思議な芽です。

 地面に生えているいわゆるシダの葉に見える物は光合成を担当する栄養葉、
今回見つけた花の穂の様な物は胞子葉と呼ばれています。
フユノハナワラビの栄養葉は秋に芽を出してそのまま冬を越し、初夏の頃には
枯れて姿を消して行きます。
これを「冬緑性」と言い、シダでは珍しい生態だそうです。
 胞子葉は先端部分に胞子が一杯に詰まった1mm程の粒を沢山着けていますが、
どう見ても茎にしか見えずいわゆる葉の概念には収まりません。
この様な特徴を持つハナヤスリ科の仲間は世界に40種、国内に13種類が
生息していると言います。
 ふたつの特殊な葉の関係はお馴染のツクシにも似ています。
青々としたスギナは栄養茎、ツクシは胞子茎と呼ばれています。

食欲の秋

 フユノハナワラビの胞子葉を摘み取って、葉柄部分をゆでると美味しく食べら
れると言います。
芽吹きがどんどんと連鎖していく春の山菜取りの時期とは違い、もうすぐ雪に
閉ざされる山からの最後の贈り物ですから、ありがたく頂きたい物です。
 しかし私食欲は旺盛ですが、新たな物事に挑戦する知的好奇心と煩わしさを
厭わない探求心にはおおいに事欠く身。
我が舌で秋の名残の歯触りを楽しむ趣きとは一番遠い場所の存在です。
 
コメント
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