観たいと思いつつ、ずっと時期を逸していた。
今回、SNSで何人か観に行った方の感動の投稿を読み、遅ればせながら鑑賞することになる。
映画はメーキング映像も含めて繰り返し観ていたが、舞台は初めて。
海外版のミュージカル歴と言えば、かつて学生時代ロンドンで一押しと薦められた
「コーラスライン」、その当時日本では聞いたこともなく、
映画でも観て劇団四季版で舞台も観ている「ジーザスクライスト・スーパースター」を選んだ。
しかしこれは映画とも四季版(この当時はまだミュージカルの直輸入を四季は行っていなかった)
とも内容が違いほとんど理解できなかった。
その一年後、「コーラスライン」四季の初直輸入版で鑑賞することになるが、
本場で旬であった時に観てこなかったことが悔やまれた。
しかし内容をわからずに観て感動できたかという疑問も残った。
そしてその後の映画の公開、これもしっかり観て、四季のパンフに付いてきた
台本まで読み込んで待つこと8年後、NYから来日した「コーラスライン」を
ようやく観ることになる。
それ以来、海外版ミュージカルは能・歌舞伎と同様、予習をしっかりして臨む、
というのが鉄則になった。
数年前の「ヘアスプレイ」もDVDを何度も観てから足を運んでいる。
しかし今回観に行くことを決めてからあえて「ドリームガールズ」
DVDには手を伸ばさなかった。映画の印象が強くなることを懸念して。
行く前日にCさんからメールが。
エフィーが一幕目の最後に歌う"And I'm Telling You I'm Not Going"
この歌の意味をちゃんとわかっているのかと。
わからずに聴けば歌が巧いという印象だけで終わってしまうと。
そうだった、この時のエフィーは周りから、親友、恋人、弟にまで背を向けられ、
四面楚歌の状態、その上、カーティスの子供までお腹にはいる。
Cさんのアドバイスのお蔭で前の晩からすでにエフィーへの感情移入が始まる。
新しい劇場、東急シアターオーブ、駅から直結していて、
見晴らしも良く気持ちが良い作りだ。
残っていた僅かなS席の中から二階の中央前方を選んだ。
やはり表情までは読み取れず、休憩時間にオペラグラスを借りることになる。
次回があるのなら、一階前方中央を確保してもう一度観たい。
これから大阪で観る方もあるし、内容は控え個人的な感動と印象に留める。
やはり一幕目のエフィーの歌は圧巻だった。
一人の人の歌でこれだけ大きな会場の人々が涙する。
人は誰も自分は正しいと思い、やっていること、やってきたこと、
が評価されなかった、良い結果に繋がらなかったという辛い経験があるはず。
離れていく恋人への想いだけでなく、そんな苦しい気持ちが集約されたこの曲。
エフィー役のチャリティー・ドーソン、地の底から湧きあがるような、
空を突き抜けるような、そして観客すべての魂に向かって訴える心の叫び。
この歌が終わった途端に一幕目は終了、涙をぬぐう隙もなく、
休憩に入る。
この日にちょっとしたアクシデントがあった。
二幕目が始まってすぐに音響に不都合が起き、
スタッフが壇上に現れ中断するとの説明。
その後、会場全体へのアナウンスがありしばし待つ状態に。
続いて10分の休憩との連絡があり、トータルで約20分後に再開することになる。
生の舞台にはアクシデントがつきもの、
今までにも俳優のコートが脱げなくなった場面やら、
よりによって主役の俳優がセリフを忘れた場面にも遭遇した。
せっかくの良い流れが中断されることを心配したが、
再開され幕が開いた時に会場から一際大きな拍手が沸いた。
この日の観客は、平日の昼間であることもありご年配の方も多く、
また学校が引率して連れてこられた様子の高校生達もいた。
年配の方達もお芝居やミュージカルを見慣れている雰囲気で、
高校生たちもこの夏休みの時期、強制ではなく自ら望んで来た子達だったようで、
アクシデントがむしろ良い結果を生み、キャストへの応援ムードが高まる。
私にとっての後半の泣き所は"Listen"だった。
エフィーとディーナの和解の歌と語りの部分、
映画のビヨンセの歌声の印象が強いが、映画ではディーナの気持ちが、
ここまで際立っていなかったような気がする。
映画は舞台と較べるとドラマチックさが強調され、全体的に刺激が強い作りになっている。
舞台の方が一人一人の心の中のほんとうの気持ちがストレートに伝わってくる。
この場面においてもエフィーだけでなくディーナも苦しんでいたということが胸を突く。
最後の4人での"Dreamgirls"
最初の3人でのこれからの将来を夢見る"Dreamgirls"から紆余曲折を経て、
再会、和解があっての"Dreamgirls"
映画ではそれでも寂しい印象が残るが、舞台はあくまでも多幸感が貫いている。
いろいろあったけれど、最終的にはすべて良かったと思わせるだけの説得力がある。
観た後、涙と共に爽やかさが残った。
終了後、化粧室で鏡を見ると自分の表情がすっきりしている。
良いものを観て感動の涙を流した後は心が洗われるようだ。
少し落ち着くのを待ってエスカレーターに乗ると、キャストたちが大勢出てきていて、
劇場下のショップやテイクアウトコーナーを物色している。
私服姿を見て判別がつくほど精通していないので誰が誰なのやら。
それでも鍛え上げた体、歩く姿や佇まい、一般人とは違うことが一目でわかる。
もう一回観たかった。
次回は初日と楽、それに中日、そして後方から全体を、前方中央で一人一人の表情も観たい。
これから観ることのできる関西方面の方が羨ましい。
今回、SNSで何人か観に行った方の感動の投稿を読み、遅ればせながら鑑賞することになる。
映画はメーキング映像も含めて繰り返し観ていたが、舞台は初めて。
海外版のミュージカル歴と言えば、かつて学生時代ロンドンで一押しと薦められた
「コーラスライン」、その当時日本では聞いたこともなく、
映画でも観て劇団四季版で舞台も観ている「ジーザスクライスト・スーパースター」を選んだ。
しかしこれは映画とも四季版(この当時はまだミュージカルの直輸入を四季は行っていなかった)
とも内容が違いほとんど理解できなかった。
その一年後、「コーラスライン」四季の初直輸入版で鑑賞することになるが、
本場で旬であった時に観てこなかったことが悔やまれた。
しかし内容をわからずに観て感動できたかという疑問も残った。
そしてその後の映画の公開、これもしっかり観て、四季のパンフに付いてきた
台本まで読み込んで待つこと8年後、NYから来日した「コーラスライン」を
ようやく観ることになる。
それ以来、海外版ミュージカルは能・歌舞伎と同様、予習をしっかりして臨む、
というのが鉄則になった。
数年前の「ヘアスプレイ」もDVDを何度も観てから足を運んでいる。
しかし今回観に行くことを決めてからあえて「ドリームガールズ」
DVDには手を伸ばさなかった。映画の印象が強くなることを懸念して。
行く前日にCさんからメールが。
エフィーが一幕目の最後に歌う"And I'm Telling You I'm Not Going"
この歌の意味をちゃんとわかっているのかと。
わからずに聴けば歌が巧いという印象だけで終わってしまうと。
そうだった、この時のエフィーは周りから、親友、恋人、弟にまで背を向けられ、
四面楚歌の状態、その上、カーティスの子供までお腹にはいる。
Cさんのアドバイスのお蔭で前の晩からすでにエフィーへの感情移入が始まる。
新しい劇場、東急シアターオーブ、駅から直結していて、
見晴らしも良く気持ちが良い作りだ。
残っていた僅かなS席の中から二階の中央前方を選んだ。
やはり表情までは読み取れず、休憩時間にオペラグラスを借りることになる。
次回があるのなら、一階前方中央を確保してもう一度観たい。
これから大阪で観る方もあるし、内容は控え個人的な感動と印象に留める。
やはり一幕目のエフィーの歌は圧巻だった。
一人の人の歌でこれだけ大きな会場の人々が涙する。
人は誰も自分は正しいと思い、やっていること、やってきたこと、
が評価されなかった、良い結果に繋がらなかったという辛い経験があるはず。
離れていく恋人への想いだけでなく、そんな苦しい気持ちが集約されたこの曲。
エフィー役のチャリティー・ドーソン、地の底から湧きあがるような、
空を突き抜けるような、そして観客すべての魂に向かって訴える心の叫び。
この歌が終わった途端に一幕目は終了、涙をぬぐう隙もなく、
休憩に入る。
この日にちょっとしたアクシデントがあった。
二幕目が始まってすぐに音響に不都合が起き、
スタッフが壇上に現れ中断するとの説明。
その後、会場全体へのアナウンスがありしばし待つ状態に。
続いて10分の休憩との連絡があり、トータルで約20分後に再開することになる。
生の舞台にはアクシデントがつきもの、
今までにも俳優のコートが脱げなくなった場面やら、
よりによって主役の俳優がセリフを忘れた場面にも遭遇した。
せっかくの良い流れが中断されることを心配したが、
再開され幕が開いた時に会場から一際大きな拍手が沸いた。
この日の観客は、平日の昼間であることもありご年配の方も多く、
また学校が引率して連れてこられた様子の高校生達もいた。
年配の方達もお芝居やミュージカルを見慣れている雰囲気で、
高校生たちもこの夏休みの時期、強制ではなく自ら望んで来た子達だったようで、
アクシデントがむしろ良い結果を生み、キャストへの応援ムードが高まる。
私にとっての後半の泣き所は"Listen"だった。
エフィーとディーナの和解の歌と語りの部分、
映画のビヨンセの歌声の印象が強いが、映画ではディーナの気持ちが、
ここまで際立っていなかったような気がする。
映画は舞台と較べるとドラマチックさが強調され、全体的に刺激が強い作りになっている。
舞台の方が一人一人の心の中のほんとうの気持ちがストレートに伝わってくる。
この場面においてもエフィーだけでなくディーナも苦しんでいたということが胸を突く。
最後の4人での"Dreamgirls"
最初の3人でのこれからの将来を夢見る"Dreamgirls"から紆余曲折を経て、
再会、和解があっての"Dreamgirls"
映画ではそれでも寂しい印象が残るが、舞台はあくまでも多幸感が貫いている。
いろいろあったけれど、最終的にはすべて良かったと思わせるだけの説得力がある。
観た後、涙と共に爽やかさが残った。
終了後、化粧室で鏡を見ると自分の表情がすっきりしている。
良いものを観て感動の涙を流した後は心が洗われるようだ。
少し落ち着くのを待ってエスカレーターに乗ると、キャストたちが大勢出てきていて、
劇場下のショップやテイクアウトコーナーを物色している。
私服姿を見て判別がつくほど精通していないので誰が誰なのやら。
それでも鍛え上げた体、歩く姿や佇まい、一般人とは違うことが一目でわかる。
もう一回観たかった。
次回は初日と楽、それに中日、そして後方から全体を、前方中央で一人一人の表情も観たい。
これから観ることのできる関西方面の方が羨ましい。