Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士 NHKーFM 「名曲リサイタル」 公開収録 @NHK渋谷 7/8

2010-07-10 00:16:11 | ピアニスト 金子三勇士
金子三勇士がゲストとして出演するNHK-FM「名曲リサイタル」8/28 19:20~21:00放送分
の公開収録が渋谷のNHK509スタジオで行われた。

事前にNHKに申し込み、その後入場葉書が届く。
その葉書を必ず持参すること、本人であるか身元を確認することもある、
時間厳守でNHKの玄関前に集合、遅れると入場できなくなるなど厳しい注意事項が書かれていた。

パスポートは必要ないかと思うが免許証は持参。
NHK、たくさん玄関や入口があり迷いながらも集合場所へと辿りついた。
葉書に書かれた整理番号を呼ばれて、番号順に整列。
ビルボード、ブルーノートではこのパターンに慣れているがNHKでは初めての経験。

番号順に並ぶとそのまま前と後ろにNHKのスタッフが付き、行進して行く。
NHKの入り口、職員の人達はネームプレートをかざして入場して行く中、
一時的に開かれた入口から約150名の観覧者が入場する。
そのまま連なって廊下、階段2階分を昇る。

NHKには煙草の自動販売機もあれば、喫煙コーナーもある。
そしてお茶の給湯器が廊下に。
509号スタジオの前には椅子がありちょっとしたロビーになっている。

中に入ると順番が終わりの方だったのでほとんどの席は埋まっていたが、
中央5列目ステージに向かい右に座ることができた。

その後、係の人から注意事項の説明がある。
くれぐれも携帯はオフに、マナーモードも慎んでほしい、
また鞄を探る音、パンフを捲る音などにも気を付けるように、
廊下のお茶は150人が一斉に飲んでしまうと機能しなくなるので、
飲んではいけない、その代わりトイレの前の冷水機を使うように、
拍手は好きなところでして良いが番組の始めと終わりの締めは合図を出すので
(見ているとどの部分で録音が終わるか判断できないので)
拍手をして欲しいとのことでまず拍手の練習。

伊藤健三アナウンサー、加羽沢美濃コンポーザーピアニスト、この日のゲスト演奏者、
金子三勇士(ピアノ)、土田越子(バイオリン)、バイオリンの伴奏者・藤井一興(ピアノ)が現れる。

この会場はピアノが置いてあるがステージはない。
客席と段差のないままの演奏になる。
最初に金子三勇士の略歴の説明があり、それについてのいくつかの質問がなされる。
私の席の前に座っていた女性達3人が真剣に頷いて聞いていて、
「3才でバルトークを弾き・・」と聞くと「すごいわねぇ。」
「11才で飛び級でリスト音楽院へ・・・」「偉いわねぇ。」
「13才からは一人暮らし・・・」「たいへんだったのねぇ。」
と一つ一つに大きくリアクションをしてくれている。

会場を見渡すと常連が多く番組の進行もわかっていて、
またクラシックが大好きな方達のようだ。
そして更に聞き耳を立てていると、私の前に座った方達は金子三勇士のファンのようで
昨年の国際フォーラムの時のことも「あの時は豆粒みたいに遠い席だったけど感動した、
それが今日はこんなに近くで観られる。」と喜んでいられる。

インタビュー中に5列目なのにオペラグラスで三勇士の様子を見ている方もいらした。
ファンが増えていると思うとこちらも顔が綻ぶ。

以下は放送されるラジオの内容にふれますので当日のラジオ聴視の感動を大切にしたい方は、
お読みにならないで下さい。

ルーマニア民族舞曲 バルトーク
「7つの小品」作品11第2からセーケイ族の民謡 コダ―イ
愛の夢第3番 リスト
ハンガリー狂詩曲第2番 リスト
ポロネーズ 変イ長調 作品53「英雄」 ショパン

非常に臨場感がある。
ステージではなく客席の一部で演奏されているような状態なので、
視界は多少悪くなるが、身近なところで演奏を聴いている気持ちになる。

今回、今までになくハンガリーの民族音楽がすっと自分の中に入ってきた。
ピアノはスタンウェイのDモデル。
一つ一つの曲に金子三勇士の個性がくっきりと出てくる。

演奏が終わった時、「ブラボー!」と叫んだ男性がいた。
私も拍手にまぎれたが、つい"Yeah!"と叫んでしまったような気がする。

金子三勇士の演奏が終わり休憩。
その間、周りの方は水筒やペットボトルを鞄から出し、新聞を読んだり、
またロビーで軽くスナックを摘まんだりしていて慣れている様子だ。

今まで聴いてきた演奏の中で「音」ということだけに厳選するなら、
最も素晴らしい環境だった。
録音室という特殊な状況、しかもNHK-FMのスタジオ、音の反響が柔らかく優しい。
しかし3時間近くいると密閉された空間なのでどんどん室温は冷えてきた。
何時間、いや半日や一日という長時間、
録音室に籠るアーティスト達のたいへんさを思う。

番組の放送が8月末ということもあり、「夏の終わりの思い出」を一人づつ話す。
金子三勇士は「夏休みの一ヶ月間を日本に戻り家族と過ごす。
夏の終わりにはハンガリーへ戻る。そういう生活を6才から16才まで10年続けた。
夏休みの終わりと共に一人でハンガリーへと帰っていく。
ハンガリーでは両親と離れて音楽のための毎日が待っている。
8月の終わり、飛行機で旅立つ時、ひと月過ごした日本での思い出が走馬灯のように、
自分の中を駆け巡る。」
このような話をした。そして更に「8月末、日本は夏でも
ハンガリーの空港についた途端、冷え冷えとして空気が違い、
その瞬間、身が引き締まる思いだった。」

会場は終始和やかな雰囲気で金子三勇士と司会進行の二人との掛け合いに
しばし爆笑する場面もあった。
しかし三勇士の夏の思い出には彼が自分の人生のほとんどの時間を音楽のために
どれだけ賭けてきたかが心に響き場内の人達も静かに聞き入っていた。