行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日米通商摩擦の再現か

2017-01-26 18:21:26 | Weblog

トランプ政権の政策が大統領令として明らかになってきた。就任演説「われわれの製品をつくり、企業を奪い取り、雇用を破壊するという他国の略奪行為から国境を守らなければならない」「保護こそが偉大な繁栄と強さにつながる」「私は全力で皆さんのために戦う。そして決して、決して失望はさせない」の具体化で真っ先にTPPからの離脱だ。

日本の政治家は米選挙期間中からTPPとピーピー言い続けてきたが、蹴散らされた格好だ。それでもまだ安倍首相は24日の参議院本会議で「トランプ大統領は、自由で公正な貿易の重要性は認識していると考えており、TPPが持つ戦略的、経済的意義についても腰を据えて理解を求めていきたい」どういう情報の下で答弁してるのか?日米首脳のギャップは大きい。特に保護貿易についてのトランプの固執は異常だ。

先ずはカナダとメキシコとのNAFTAだが、離脱する事態となれば、企業のサプライチェーンは大混乱に陥り、日本も含む世界経済は大きな痛手を被る。そして日米では自動車の貿易アンバランスに言及しており、1970後半~1980年代の日米通商摩擦を思い興させた。当時日本のカラーテレビが米国市場を圧倒し、米国の圧力で家電メーカーは米国に工場を相次いで建設した。自動車でもトヨタがGMとの合弁でカリフォルニアにムーニー工場を建設した。

日米ともに長い交渉の結果構造協議を持って解決しようということになった。1990年11月私自身、日米構造協議の一環で労働省チームのメンバーとして、高梨晶教授や新日鐵の阿南副社長(いずれも当時)らとワシントンに乗り込み、日本の大企業の競争力の秘密は人材育成に有りと論陣を張り、米国企業よ見習えと圧力をかけた記憶がある。帰路、西海岸に寄りトヨタとGMの合弁会社ムーニーを訪問したが、まだトヨタから学ぶといった雰囲気はなかった。1980年代トヨタ生産方式がリーン(スリム)生産方式としてMITの学者達が取り上げ、世界のカーメーカーが渋々研究し、採用し始め、今や製造業においては基本の一つとなっている。

今回はどういう結果になるか、予断を許さない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭島の野鳥 | トップ | 自家撞着に陥ったアベノミクス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事