行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

インフォーマル労働者への支援

2012-05-19 22:00:17 | Weblog

日本ではインフォーマル労働者という言葉は馴染みが薄い。情報関係の労働者?と誤解されるかもしれない。世界の総労働者数の半数以上に上る約18億人が正式な雇用契約も社会保障もない労働に就いていて、そうした労働者をインフォーマル労働者とILOやOECDでは定義している。またそうした労働者が働いているところをインフォーマル・セクター(部門)と漠然と呼んでいる。

具体的なインフォーマル・セクターは発展途上国の諸都市に行くと目に付く屋台や露天商、自転車修理業のような路上の 自営業者であり、縫製やサンダル,ブラシ,手工芸品等をつくるなど「内職」に近い家内工業従事者だ。また家政婦や門番などの家事労働者、人力車夫などの小規模経営交通機関の従事者、廃品回収業者、またゴミ集積所に住み込み、そこから再生資源を探し出して生計をたてている労働者などである。

最近、発展著しいタイを例にとると、バンコックのインフォーマル・セクターが増大し始めたのは、80年代初頭に世界の一次産品価格の暴落により都市・農村間移動が増加し始めた頃からであるが、80年代後半からの高度成長を背景として近年再び増加している。

国家経済社会開発委員会によると、1988年時点の就業者をフォーマル・セクターとインフォーマル・セクターに分けると、85.9%はインフォーマル部門就業者であると報告され、現在でもそれほど変わっていない。信じがたいが製造業では、フォーマル・セクター就業者は全体の3分の1にすぎない。また、主な産業のほとんどがバンコック首都圏とその周辺に集中しているため、インフォーマル・セクター就業者の3分の2はそこに集中している。

インフォーマル労働者の殆どは最低賃金以下の賃金で、環境的にもダーティで、危険な職場が多い。途上国の発展を支えているのはこうした労働者で、より良い賃金と安全が必要とされており、日本のODAや民間の支援もそこに今注目をしている。

私が相談役をしている国際労働財団(JILAF)はインフォーマル労働者の生活向上に向けて活動を強化し、この度、下記のようにフォーラムを開催する。自由参加で無料なので興味のある方はおいで下さい。

テーマ:「タイ経済を支えるインフォーマル労働-ディーセントワークに向けての課題-」

日時:6月1日(金) 10:00~12:30  
場所:連合 3F A会議室  千代田区神田駿河台3-2-11 総評会館内3階
報告者 タイ国、マヒドン大学公衆衛生学部 サラ・アーポン教授


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 長谷川等伯を見る  | トップ | 大相撲も想定外の結果に »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事