行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

春闘、企業別組合の弊害が浮き彫り

2018-03-15 22:34:52 | 労働
3%の号令一下、14日に金属労協の回答が出されたが、大手の組合の賃上げ率はおよそ2.5%から3%、幹部は昨年より増加したと評価していたが、景気にプラスになるかマイナスになるか今後の物価動向次第となった。ドイツの金属労組4.3%アップに較べると見劣りがする。
 
日本の労組の組織がドイツのように金属産業一本でなく、電機、自動車といった産業別に組織されしかも企業別に交渉して回答を貰うという特異な労組組織が日独の交渉能力を浮き彫りにした。特に今年はリード役のトヨタ労組が回答を明確にしないという前代未聞の挙に出たのには驚いた。手当増など入れると3.3%は取ったとトヨタ労使は言っているが、その中身は執行部だけで把握し、組合員にも発表しないというのだから開いた口が塞がらない。マスコミがその訳はと聞いたら「成長戦略に影響するから」という訳のわからないことを言って煙に巻いている。自分のところさえ良ければという企業別組合の陥りやすい弊害が出た。
 
電機連合は交渉推進中心組合が全部1500円のベアで決着が付いたが自動車は3000円のベア満額回答からトヨタのように不明確な回答までバラバラだ。産業別統一闘争の意義は今春闘は無かった。
基幹産業労使がこの低落では旗を振った安倍首相も立つ瀬が無い。
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