行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

新幹線台車問題、日本の長所があだに

2018-03-01 23:16:43 | 技術

今回の台車に亀裂が入った問題は一連の検査省略問題とは違う面が有るのではないかと思う。

日経の報道「JR西と川重によると、亀裂が入った台車枠の鋼材は縦約17センチ、横16センチ。中が空洞のロの字型構造になっている。厚さ8ミリの鋼材を使って成型した後、別の部品を溶接した際に底面の一部を削った結果、薄くなった。最も薄い部分は厚さ4.7ミリで、両社が仕様書で取り決めた基準(同7ミリ)を大幅に下回っていた」

この報道を見る限り、現場の責任者の判断で設計変更をしたことが台車の強度を弱めてしまったようだ。川崎重工は松方コレクションで有名な創業者以来の伝統ある重機械メーカーで私も外国のお客を連れて、新幹線製造現場を訪れたことがある。日本を代表するものつくり現場といっても過言でない熟練した技能者集団だ。日本のものつくり現場は設計部門とすりあわせしながらより良いものを造るという伝統がある。勿論設計図面どおり正確に造ることが通常だが、現場で加工しやすく(生産性を上げる)手直しが必要な場合は設計部門とすり合わせることも可能だし、それが日本の競争力の源だ。川重の加工現場では生産性を上げる手直しがある程度(許容範囲)が慣習としてあったのではないか?

但し、現場では強度の大小が判らないので設計部門とすり合わせすることになっていたのを判断ミスしたのではないか?もう少し原因の精査が必要で公開して貰いたい。

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