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自分の書いた駄文を遡って読んでたら、オレって外面に拘る傾向が強いねって思ったよ。「遡って読まなくても解るだろ?」 そんなもん解るかい。
「おまえの偏見じみた文句は、そればっかしだよ」 エラそうに云うけどね、おまえも気付いてたら、もっと早く指摘しろよ。
「いつも云ってるじゃないか、やめろ、やめろって」 やめろだけじゃ解らないんだよ。実際、面白いからね。「それがいかんのじゃ」
何故かって、簡単だよ、外見をどうたらこうたら云うのはだね、内面を掘り探るより、はるかに表現が楽なんだよ。内面を問うのは難しいぞ。
つまり、底が浅いんだよ。くるぶし程度だね。まあ、深けりゃいいってもんじゃないよ。浅けりゃ溺れる心配がないからね。
偏見、偏見って云うけどね、IQだって偏差値だって、其の最もたるもんだよ。能力測って人生が左右されんだよ、命の価値を測ってんだぜ。
肉体的なことは差別だ、偏見だってヒステリックに唱えるけど、能力に関しての差別は努力の二文字で公平性が保たれてるように云うだろ。
馬鹿こけ、すんなり吸収できるスポンジみたいな脳味噌と岩石みたいな脳味噌の違いを知らんのか? 基は持って産まれたもんじゃないか。
そこからして、どうにもし難い差があるんだよ。それが持って産まれたもんなら、外見的なことも持って産まれたもんだよ。
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この辺に教育の操作を感じるよ。どうでもいいことに人間の目を逸らしてんだねえ。「ホンマかえ?」 フラフラ乗る奴が多いんだよ。
利に絡む話だからね。そして利を産む流れに添うもんだからね。変えねばと思うんだけど変えられないもんなんだよ。
其処へ行くと、外見に関わる偏見はくるぶし程度の浅瀬で埋め易い。暴力が封じ込められていく過程に似ているよ。
「暴力はいかんだろ?」 暴力、暴力ってね、人間のクズみたいに云うけどね、人間は暴力で今の世を築いたんだよ。
確かに、人間の英知の図る上での必要悪って看板がついてるけど暴力には変わりない。其れも辿れば気の弱い人は倒れそうな内容ばかりだよ。
野蛮人に至れば野獣の王国だったんだよ。弱肉強食だよ。ライオンも吃驚だよ。
ひ弱いインテリなんかチョン、コロリンだよ。「なんやねん、それ?」 首が転ぶんだよ。当時は、価値が低かったんだよ。
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暴力が利に絡む時代だったんだよ。そして利を産む流れに添うもんだったんだよ。
クレオパトラの鼻が、もう少し低ければ歴史は変わっていたなんて云うのは、美醜の価値に関わる大問題だよ。
まあ、此れはフランスで云われる喩えで、日本流に脚色された部分があるらしいけどね。表現の違いはあっても、詰まるとこは美醜の問題が鍵になってる。
歴史はだね、大事小事に関わらず美醜に絡んだ悲喜劇なんてのは、それだけで大陸が出来るほどの物語があるよ。
つまり、偏見なくして社会はないのが宿命だよ。理想郷を前提として捉えるか、現実社会を前提に考えるか、夢と現実の相反だね。
暴力は野蛮、美醜は偏見、なびかせるんだね。有象無象をなびかせやすい対象なんだね。浅はかな正義感に酔うものたちへの環境創りは功を奏してる。
現代社会の矛盾をうやむやに成立させたいがための操作だよ。かなり成功してるよ。しかし、オレは誤魔化せない。
素晴らしく切れる脳味噌、其の方面には不自由などない。使える場面を増やして欲しい。でも寸足らずでぶ男で見苦しくて無様、それで公平なんだよ。
秀才此処に在り、難問奇問珍問、総なめになで斬りの大根斬りの短冊斬りよ。でも、性格悪くて根性が臭くて異性に縁がない。平等だよ。
解んない、知らない、情けない。でも可愛いから引っ張りだこ。こういうのは、寿命の短い春は楽しめる。公平だよ。
外面、内面、全面、全てに於いて非の打ち所がない。早く死ぬよ。「なんでやねん?」 此の世で果たさねばならん業(ごう)を背負っておらんよ。
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しかし、オレの文は、子供がクレパスで画用紙に思いのままに殴り書きしたようなのと同じだね。純粋だね。「エエように云うな」
外見的なことを外すと書くことが無くなるじゃないか。正直で素直で優しくて面白い、そんなのは一緒になってから判断しろ。
嘘つきで頑固で恐くて暗いってのが正体だよ。「おまえのことか?」 そう云えば他人のように思えない。
安っぽい鍍金(メッキ)同士で磨り合ってたら互いに剥げるのも早いよ。「信じられないっ」 相手も「信じられないっ」もん同士だね。
相手の前には自分が居る。見える相手ばかりに注文が多い。見えない自分を忘れてる。自分を見てる相手もそうだろうよ。
「おまえの内面を語るってのは、この程度か?」 だからあっ、外面的なお話しばかりになるんだねえ、原因が解ったよ。
「おまえは面食いだろ?」 当然だね、美しい方がいいね。「スタイルも」 スマートでグラマーなのがいいね。「頭は?」 賢い人がいいね。
なんでもいいものはいいね。其れを支えてるのはなんだと思う? 「その人の人間性だろ」 いいものには、其れ相応の中身が問題になるんだよ。
で、ないと極端に軽く見えるからね。外面と内面のバランスだね。其れを知ってる綺麗な人は、それだけで疲れてしまうんだよ。気の毒だよ。
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犬も歩けば棒に当るけど猿も木から落ちる。「おまえ、其れは、別個のもんやで」 オレの場合は、一緒さ。若い頃のオレだよ。「どういうことや?」
オレが外を歩けば綺麗な女性の目にとまる。「おまえって、なかなか云えないことをスンナリ云うねえ」 いつも云ってるだろ、事実だから仕方ない。
で、なんかお話しして、いい雰囲気になるんだけれど、オレは自信が無いから自滅するんだね。これも事実だよ。
若い頃は、そんなのを繰り返してたね。その顛末(てんまつ)を云ってる訳。「勿体無いね」 全然、いつも焦ったことがなかったよ。
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『なんで、ここで藤純子なんだ? いいじゃないか、オレはね、強くて綺麗なひと(女性)に弱いんだよ』
「思い出すのか?」 記憶には残ってはいるけど、それだけの縁(えにし)の人(女性)だったんだろうね。もう、何処かでお婆ちゃんになってるよ。
「そんな見方をするか?」 其れが事実だよ。嘘のような話だけど、妖艶な人、個性的な人、真面目で優しい人、つまり綺麗な人ばかりだったよ。
不思議と、皆、スマートでグラマーな女性が多かったね。オレは、誰にでも屈託無く喋るからね、相手にすれば楽な気持ちになれるから喜ぶんだろうかね?
オレは、根が浅ましくないから綺麗な付き合いだけで満足しちゃうところがある。根はスケベーなんだけど。「どっちやねん?」 浅ましくないスケベーなんだよ。
誰とでも軽やかに喋るのに本当に好きって思うと喋れなくなるね。口が重たくなるんだよ。それに頭の回転も悪くなるんだね。話題が消えちゃうんだよ。
此の人、いいなあなんて思い出したら終わりだね。自分の真面目な気持ちが前面に出てきて金縛りだよ。木登り上手なサルが木から落ちるんだね。
不真面目な男が憧れではあるけれど、それも、そう好きでもないね。オレは、綺麗なのがいい。心にいつまでも残る綺麗なのが好きだね。
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「それはそうと、おまえ、奥さんとはなんで一緒になった?」 う~ん、一言で云うならば、人生の交通事故だね。 「おまえなあ~」 居眠り運転だよ。