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人間が事故るときって、ああ、こういうもんなんだねって肝に銘じたよ。
今日は、残業で、また、遅くなった。7時頃、タバコを吹かしに外へ出ると、おませな中一の女子と連れの子が「★★ちゃん、★★ちゃん」って呼びにくる。
木の上に乗ったボールを取って欲しいって指差してる。高い木の上の葉っぱの陰から見えてる。ああ、あれは無理だよ。高過ぎる。
大事にしてるサッカーボールだから、ちょっと待てよって事務所から脚立を持ち出したんだけど、やめたほうがいいって自分の声が聞こえてる。
長い棒を持ち出してきたんだけど目測でギリギリかな? 1.5メートルほどの脚立を組んで、オレの手を持っといてくれよ。
「いやああ~」 アホか、天辺に登るんやぞ。「★★ちゃん、わたしが持ったげる」 おませな女子が支えてる。
平均感覚が鈍ってるなあって感じてる。ままよ、タッタッと上がって天辺の台に立つと、棒をボールの下から突き上げるんだけど跳ね上げまでいかん。
こら~あかんわ、届かん。何度か遣ったけど効き目がないから諦めて下りかけたの。おませな女子が手を差し伸べてくれてる。
上から一段目に左足を乗せたところで支えていたおませな女子の手が離れた。「あっ」「あっ」「あっ」三人三拍子やったね。
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左手が宙を掴んで左半身が前に崩れた。スローモーションみたいに左半身から回転して向こう側のコンクリートの地面に墜落したよ。
1.5メートルって大した高さじゃないけど諸に落ちたね。「あああ~」って女子二人が悲鳴を挙げてる。ゴンッって音がしたような感じ?
仰向けにケツと左肩が地面を打った。知らぬ間の受身で頭を守ってるところがエライ。「偶然やろ?」 みたいやね。
近くで荷降ろししていた社員さんらが、吃驚して駆け寄ってくれてる。「大丈夫ですかっ?」 いやあ~はっははははって照れ笑いしてる。
「どうもないけど、アホッ、おまえが悪いんじゃっ」て、おませな女子に怒ってる。「〇〇〇が、手を引いてん」 せやろ。
おまえ、此の上で支え失ったら落ちるしかないがな。「★★ちゃん、大丈夫?」 うん、なんともないみたいやね。「吃驚したわあ~」
オレが一番っ吃驚したわ。幸い、左の二の腕の裏側を擦りむいただけで済んだ。やめたほうがいいって自分の声に従うべきだったね。
結局、ボールは高い木の上の葉っぱの陰に見え隠れしたままで諦めた。
歳かねえ? あんな無様に落ちる自分が信じられんよ。平均感覚が鈍ったね。やっぱり爺だね、でも、オレって頑丈だねえ。
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仕事を終えたのが10時半になっちゃった。あっそうか、明日は休みだね。嬉しくなってるよ。
肉体労働で生きてた頃と気持ちの上では変わらない。でも、20年が経っている。狼がワン公になったように身体も軟弱になっちまったかね。糞っ。
1.8メートル程の荷物の上へいとも簡単に懸垂飛び上がり遣ってたオレが、其れより低い台から落ちてる、気分的ダメージのほうが大きいよ。
駿馬(しゅんめ)も老いれば駄馬にも劣る、駄馬も老いれば驢馬(ロバ)にも劣る。そのままやね。
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