最近、映画をよく観るね。昨日は仕事が遅くまであって時間が無かったけれど休みの前はゆとりだね。
邦画の「226」 昭和11年2月26日に皇道派の青年将校たちが決起し、元老、重臣らを襲った二・二六事件を描いている。
野中大尉(萩原健一)安藤大尉(三浦友和)香田大尉(勝野洋)村中大尉(隆大介)ら率いる1500名の部隊は雪舞降る深夜の道を進撃。
川野大尉(本木雅弘)は総員8名で湯河原に滞在する牧野伯爵を襲撃のため出動。
26日未明、雪の降る中、昭和維新を決行。野中大尉、安藤大尉、河野大尉、香田大尉、栗原中尉、中橋中尉、磯部元陸軍一等主計、村中元陸軍大尉ら
22名の青年将校に率いられた1500名にも及ぶ決起部隊はそれぞれ連隊の営門を出発。
栗原隊は首相官邸を襲撃、坂井隊は斉藤内大臣、渡辺教育監督を射殺。中橋隊は高橋蔵相を射殺。安藤隊は鈴木侍従長を襲撃。
丹生隊は陸相官邸を占拠し、野中隊は警視庁を占拠。河野隊は湯河原に牧野伯爵を襲撃。
野中隊は警視庁を占拠。
安藤隊は鈴木侍従長(芦田伸介)宅を襲撃。
射撃で突っ伏した鈴木にとどめを刺そうとする安藤大尉。
妻(八千草薫)の懇願で刃(やいば)を引く安藤。鈴木侍従長は一命を取りとめる。
高橋少尉(鶴見辰吾)
首相官邸を襲撃した栗原(中尉ー佐野史郎)隊は岡田総理を射殺するが、実は松尾秘書官が身代わりとなり岡田首相は難を逃れる。
川野隊は、湯河原に滞在する牧野伯爵を襲撃。川野大尉は伯爵の護衛官の発砲で負傷、牧野をとり逃がす。
昭和8年、満州への武力進出が問題となり日本は国際連盟を脱退し国際的に孤立していった。
国内でも経済不況と農村恐慌が重なって国民の不満と怒りは頂点に達していた。貧しい農村の娘は次から次へと人身売買され困窮は逼迫していた。
青年将校たちの決起趣旨は「このような窮状を打開するために天皇を取り巻く元老や重臣を排除し、陛下の大御心を直接国政に反映させるしかない」と、
いうものであった。襲撃後、警視庁や山王ホテルに陣取って陛下の御聖断を待つが、事態は次第に皇道派青年将校達の不利な方向へと傾いていった。
翌27日には戒厳令司令官から奉勅命令が発表され、戒厳令のもと戦車を基とする鎮圧部隊が決起部隊を包囲する。
決起部隊に原隊への復帰が勧告され食料の供給も停止された。国を憂いる思いは陛下に達せず彼らは逆賊の汚名を被ることとなる。
ラジオやビラを使っての原隊復帰の勧告も始まった。勢いが失せた青年将校たちの脳裏にも残してきた妻子の顔が浮かぶ。
上官の命令で行動を共にした兵卒に罪はない。坂井中尉(加藤雅也)は、部下に原隊復帰の命令を下す。
原隊復帰に就く兵卒を見送る坂井。坂井中尉にとって、此れが彼らとの今生の別れとなる。
決起に最期まで慎重論だった安藤大尉(三浦友和)は、親友の野中(萩原健一)の決意に促されて起った。
しかし、逆賊となった今、戦意喪失の野中たちに無念やるかたなく「自分は最期まで戦う」と息巻く。野中は、兵卒に罪はないと諭す。
残された手段は軍事裁判で戦うことのみ。将校達は其々に部隊に戻り部下達の原隊復帰を命じる。
安藤は野中に無礼を詫び別れを告げる。山王ホテルに陣取る部下に「正義の行動であったから堂々と原隊復帰せよ」と命じて、
「昭和維新の詩を歌って行け」と見送る。
一、泪羅(べきら)の淵に波騒ぎ 巫山(ふざん)の雲は乱れ飛ぶ 混濁(こんだく)の世に我立てば 義憤に燃えて血潮湧く
二、権門上(けんもんかみ)に傲れども 国を憂うる誠なし 財閥、富を誇れども 社稷(しゃしょく)を思う心なし
三、ああ人栄え国亡ぶ 盲(めしい)たる民、世に躍(おど)る 治乱(ちらん)興亡夢に似て 世は一局の碁なりけり
四、昭和維新の春の空 正義に結ぶ丈夫(ますらお)が 胸裡百万兵足(た)りて 散るや万朶(ばんだ)の桜花(さくらばな)
五、古びし死骸(むくろ)乗り越えて 雲漂揺(くもひょうよう)の身は一つ 国を憂いて立つからは 丈夫(ますらお)の歌なからめや
六、天の怒りか地の声か そもただならぬ響(ひび)きあり 民、永劫の眠りより 醒(さ)めよ日本の朝ぼらけ
七、見よ九(きゅう)天(てん)の雲は垂れ 四海(しかい)の水は雄叫びて 革新の機、到(いた)りぬと 吹くや日本の夕嵐(ゆうあらし)
八、あゝうらぶれし天地(あめつち)の 迷いの道を人はゆく 栄華を誇る塵(ちり)の世に 誰(た)が高楼(こうろう)の眺めぞや
九、功名なんぞ夢の跡 消えざるものはただ誠 人生意気に感じては 成否(せいひ)を誰かあげつらう
十、やめよ離騒(りそう)の一悲曲(いちひきょく) 悲歌(ひか)慷慨(こうがい)の日は去りぬ われらが剣、今こそは 廓清(かくせい)の血に躍(おど)るかな
安藤大尉は、去り行く部下達の歌う「昭和維新の歌」を口ずさみつつ喉元に宛がった銃の引き金を引く。
陸相官邸で野中大尉は、安藤から返された決起を謳ったハンカチを燃やし、拳銃で自決。
また、監視療養中の河野大尉も、見舞いの兄に「差入れの中に果物ナイフを忍ばせてくれ」と頼み、熱海の岸壁で割腹して自決した。
29日宮中では事変の鎮圧が上奏された。捕らえられた決起部隊の青年将校ら19人は軍法会議にかけられ、7月12日、全員が銃殺刑に処せられた。
弁護を努める者も配さず、被告の青年将校たちの声は抹殺された。世に云う暗黒裁判であった。
昭和維新の歌 映画 『2・26』 より
近しいところでは、同じく2,26事件を扱った東映映画「動乱」があった。高倉健と吉永小百合の共演だったね。
「男が男であった、女が女であった」とか云うコピーが記憶に残ってる。
吉永小百合がよかったね。貧農の家に育ち身体を売られて朝鮮まで流れていく。東北の娘時代に軍務で訪れた将校の高倉健とは面識がある。
互いに「・・・」なにかしら感じあうものがあった。女郎屋で客を相手に戯れているところに高倉健が現れる。
そんなところから物語が本題に入っていくんだったと記憶する。二人の純愛と226事件が絡まって、夫となった高倉健が決起の後に
逆賊の汚名を着せられ銃殺刑に処せられる。汚れた身の自分を引きつつ尽くす女と、好きなれど体現できない男との純愛が美しかったね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/b4/9a6a94ec0e9f8080034918b6c56f71da.jpg)
此の写真は、お借りしました。
話とは外れるけど、年老いた吉永小百合が海岸の砂浜を夕陽を背景に歩むラストシーン「あれぇ、死んだお袋とそっくりそのままやっ」って、驚いた。
うちのお袋は、昔の女性だったから着物が常着だった。年配の人が口揃えて「粋な着付けやね」って褒めて居たのを覚えてる。
勿論、画面は薄っすらとしたシルエットなんだけど、顔も姿勢の輪郭も歩く姿も、全くそのままだったね。「嬉しかったね」
「今日は、ちょっと長かったね」
「226 予告編」