カメレオンの独り言

当分は漫ろ言の漫ろ歩き、頭に浮かんだ事柄を挿絵と写真と下手な文で綴ります。色々と間違い多いですがご容赦を。

カメレオンの独り言-1228 『イメージ』

2014年09月13日 | 日記







 9月13日







週間天気予報で晴れマークが一週間も続くなんて珍しいね。で、今日、見たら晴れマークが減ってるよ。なんだよ。

こんな落ち着かない空模様も珍しいね。関東のほうでは集中豪雨で、あちら此方と水浸しだね。

大阪の今日(10日)は、晴れて少し暑かった。残暑って感じだね。常緑樹の葉っぱってのはツヤがあるから日差し跳ね返してキラキラ光ってるね。






隣りのケヤキの葉っぱは、もっさあと弛んで団子になってむさ苦しいね。「ほっとけ」 シャキーンとでけんのか? 「こう、暑いとねえ~」

葉っぱにもいろいろあるんだねえ。そういえば、今年の蝉も、いつの間にか居なくなっちゃったよ。代わってトンボが青い空を飛びまくっておるよ。

虫たちの世界は、もう季節の交代を済ませてるみたいだね。






吹かせた煙草を、吊るされた吸殻入れに捨て、何気に足元見たらヨロヨロ黒い虫が壁伝いに這ってる。ふう~ん? 目を近づけてよく見るとクモだね。

1.5センチほどの奴だけど脚が短い代わりに図体がデカイタイプだね。小型タランチュラもどきだね。しかし、こいつ、ヨタヨタしとるよ。

革靴の爪先上げて踏み潰す所作をしたけどやめた。殺す意味がない。外の道路の壁伝いを邪魔にならぬよう這ってるに過ぎない。

















バッタやカマキリ、コオロギなんてのが足元来ても踏み潰そうとは思わない。クモよ、おまえも見てくれが悪くて損をするね。「スパイダーマンの友達だよ~」 

そういえば、街灯を保護する格子状のカバーの中に入り込んで、アタフタ暴れて首が格子の間に挟まり動けなくなったコウモリが居たね。

こいつもキモイんだねえ~。「バットマンの友達だよ~」って云うから助けてやろうと脚立に登って近くで見たら「ドラキュラの友達」としか思えない。






「チッチガウ~ッ」 キバ剥いて云うなっ。ネズミみたいでありながら鳥のようでもあるけど鳥じゃない。絶対に親しめない奴やね。

おまえみたいなの、オレは、よう触らんわ。脚立を下りると「まっまってくねえ~」 軍手とドライバーを取って来るんだよ、待ってろ。「早くしてくねえ~」

こいつを触らないようにしてカバーのネジをドライバーで外しにかかる。バタッバタッバタッ、アホンダラッ、臭い埃をたてるなっ。狭苦しくて外すのが大変だよ。






こいつ、アホやで。オレもおかしいなあとは思ってたんだけど、格子を潜(くぐ)って入ったのに、なんで出れんのや? 

頭を上へズラしたら格子の隙間が広くなっておるではないか。「グチグチ云うてんとっ早よ外したれやっ」 ドライバーの柄でどつくぞっ、この野郎っ。

しんどい目したけど、仕方ない、外して地面に下ろして、さあ、行け。バタッバタッバタッ焦ってる姿がキモイ。オレの駄文と似て、こいつは神さんの駄作やね。





こいつ、おちょくっとんかあ? 頭ズラして広くなった格子の隙間から出て礼も云わずに飛んで行きよった。余計な仕事させよってからに~。

















おかげで埃だらけになるわ、クモの巣は顔を這うわ、ネジ落として失うわ、代わりのネジ探しまくって間に合わすわ、散々やったね。

まあ、生きとし生けるものを思い遣り、汗をかき無事であれば結構なことなんだろうね。

しかし、足元をヨタヨタと這うスパイダーマンの友達は、一向に前に進まんね。もう、老衰が近いんじゃないの? 





早く行くか、壁登るかせんと蟻どもが襲って来よるぞ。おまえ等の生きる道も、それなりに厳しいね。

人間も同じだよ、老いれば哀しいもんさ。此の前、食事時にテレビを観てたら、若者たちが巣立って年寄りばかりが残った団地の様相を放映してたね。

保険相談室だったかなあ? 団地の下にお年寄りが困ったら世話を焼く相談室がある。頻繁に来客があって対応に追われてる。





其の日の朝、世話になったことを夕方には忘れてる人や、余命幾ばくも無い癌を抱えた人、身体は動かないんだけど映画試写会を観たいって念願する人、

もう、自分の力ではどうにも進まぬ老人たちなんだね。誰かに、お世話にならなきゃ生きていくのが困難な人たちだね。

そんな人たちを、明るく優しく世話をするおばさんたちが居る。素晴らしいことだね。そんなお年寄りからすれば命の拠り所だろうね。

















画面に映る、お年寄りは、どう見てもただのお年寄りにしか見えない。どんな角度から見ても爺婆でしかない。

経たり切った老獪(ろうかい)でしかないんだね。オレは、此れを観ていて、この人たちは、もう、プライバシーも糞もないではないかと思うんだね。

見ず知らずの通りすがりの人が、手を貸そうと思える近しく感じる何かを身に付けるべきだと思ったよ。「何を身につける?」





オレは、クモは、正直、大嫌い。デモね、事務所内の壁を、時折、うろつくクモに名前を付けるんだね。そうするとね、キモくなくなるんだよ。

忘れた頃に現れると、おお、太郎、久しぶりやねって笑ってんだよ。身震いするほど大嫌いなクモにだよ。

クモを例えに失礼な話だけどね、お年寄りには、その人の人生を感じさせるものを身に付けさせてあげるべきだよ。





その人の若い頃の写真だよ。はじめから爺婆なんていないんだよ。解っているのに、目の前に居るのは劣化した爺婆にしか見えないんだよ。

見て解る、その人の人生の重みだね。其れを付加することで、全くの他人さんも親しみを覚えるきっかけになるんだよ。

連絡先を記した透明の札入れを首に吊るしているね、其の裏側に若い頃の写真を入れてあげるんだよ。

















いつもニコニコできる人ばかりじゃないよ。苦虫噛み潰したような顔しか出来ない人も多いよ。接点の持ちようもない人が居るよ。

そんなタイプの老人が、あっちへウロウロ、こっちへウロウロ、様子が気になっても素通りしてしまうんだね。

そんな老人の胸元に若い頃の写真が笑ってる。その笑顔に釣られて他人さんが勇気を出して手を差し伸べてくれるんだよ。





道に迷って彷徨う年寄りに声をかけた若者たちの反応の声が聞こえるようだよ。長い人生を生きて来た人として実感するんだよ。

人生を刻んだ深い皺(しわ)なんて美化して云ったところで皺は皺だよ、昔、歳喰えば子供に返るっていうのは、面倒をかけるってことの裏返しだよ。

こんなの云うと、必ず、無礼者なんて怒るのが出てくる。怒る元気のある老人対象外の話だよ。





弱きものが、歳老いて、尚且つ、弱きものになって、其の上、病に冒されたり、独りになったりした老人のお話だよ。
























カメレオンの独り言