カメレオンの独り言

当分は漫ろ言の漫ろ歩き、頭に浮かんだ事柄を挿絵と写真と下手な文で綴ります。色々と間違い多いですがご容赦を。

カメレオンの独り言-1225 『懐かしの映画 慕情』

2014年09月08日 | 日記







 『慕情』 1955年度作品  9月8日







たしか、この恋愛映画はだね、学校サボって親父の仕事の配達を済ませてから、一人仕方なくテレビを点けたときに、偶然、観たんだね。

親父やおふくろに勉強でもしろって、𠮟られないかとビクビクしながらゆっくり観終わったよ。「表現が、おかしいだろうが」 

バレなかったから、結果的にゆっくり観れたんだよ。まだ、少年だったけど、なんか、良かったなあ~って思ったのを覚えてる。





「学校サボって、ガキが、恋愛映画を観てたって格好悪いねえ」 全然。美しいもの、優れたものに接して感動する、情感豊かな心を育む情操教育だよ。

お蔭で、男と女の情愛が理解できたよ。「このっませガキがっ」 男と女が人生の全てって言い切る人も居るんだよ。

気取ったところで、此の世は、喰うことと男と女だよ。愛するってことは、こういうことかあ~って感動したよ。「ウソつけ」





今、思うとオレにとって最初の恋愛映画だったね。西部劇や戦争映画で女が出て来ると、なんかダラつくから、「出てくんなっ」って、よく怒ってた。

正確には覚えてないけど、ヒロインの女性がやけに優しく可愛い人に思えたよ。香港が舞台で、ヒロインは、白人と中国のハーフなんだね。

香港の丘の上で、ウイリアム・ホールデンとデートをするシーンをよく覚えてるよ。これもね、慕情のテーマ曲が流れて、いい雰囲気だったねえ。













当時は、まだ、白黒の14インチブラウン管テレビだったからね、当然、映画もモノクロで放映されてる。 














ユーチューブは思いでの宝庫だね。山ほど観た映画の中で、何か語れるものはないかいなとウロウロしてたら行き当ったよ、

おお、これこれって感じで、『慕情』 を思い出して、マット・モンローが歌う主題歌を暫く聴いていたの。カラーの動画が流れてるよ。

あの女優さんは、ジェニファー・ジョーンズだったんだね。少し化粧で東洋系に仕上げて、振る舞いも、どこか東洋の女性を匂わせていたね。















1949年、第二次大戦終了後のイギリスの植民地の香港で、ハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)は勤務医をしている。

中国国民党の将校で国共内戦で戦死した夫を想う失意の日々だったけど、医療に身を捧げて生きようと踏ん切りをつけたんだね。「おまえなあ~」

「こんなところでフン切りつけたなんて云うかあ~?」 じゃあ、どう云うんだよ? 「う~ん、未練を断ち切るってのも変だしね」 





ここだよっ、こういう時に言葉の貧困を思い知るんだよ。貧乏は嫌だね、つくづく貧困は悲しいよ。「立ち直るってのはアカンか?」 

う~ん、医療に身を捧げて生きることで悲しみと決別して立ち直ったんだね、でいこか? 「なんか、釈然とせんけど、フン切りよりはええで」 よし。

そんな折、アメリカ人の特派員マーク・エリオット(ウイリアム・ホールデン)と出会う。お互いに惹かれ合うものを感じ、やがて恋に落ちるんだね。





懲りないんだね。「余計なこと云うな」 立ち直ったばかりだよ。「悲しさ、寂しさの穴埋めだよ」 土木課か? 「いや、新聞記者だよ」 なんの話や?





















しかし、エリオットは別居中の妻がシンガポールにおり、離婚の話し合いのため当地へ行くがうまくいかず二人の関係は香港で噂となる。

こんなのを噂して気にする奴等の神経が解らんわ、放っといたれ。根性のさもしいその他大勢の奴等めが。ねたんでんだろうかね? じゃあ、自分もやればいいんだよ。

人は、それぞれに運命に生きているんだよ。ヘチャムクレだったら、こんな機会は、なかなか無いだろうね。「余計なことを云うな」 





















可哀想に、二人の幸せは、長く続かなかったんだね。間もなく中国大陸の殆どの地域は国共内戦の末に中国共産党率いる中華人民共和国が支配するようになる。

ハン・スーインは中国大陸へ戻るよう説得される。「誰からや?」 中国の奴等からだよ。そして、ほどなく朝鮮戦争が起こる。

エリオットは、特派員として朝鮮に派遣されるが、そこで戦死する。戦争によって引き離される男女を描いた、いわゆる悲恋物語なんだね。




























「スタンダードな展開ながらも主役2人の卓越した演技力に加え、細やかな心理描写によって、見事に感動させられてしまう、さすが名作!といえる作品」

なんて、紹介されてるよ。オレは、こんなのが書けないんだね。「スタンダードな展開ながらも」 ふ~ん、「主役2人の卓越した演技力」 ふ~ん。

たしかに感動させられるよ。二人でデートした思い出の丘の上、見上げるとエリオットが笑ってる。駆け上がるハン・スーイン、でも、それは幻影なんだね。





























二人が幸せだった頃を偲んで丘の上で泣き伏すハン・スーイン。薄倖の女性(ひと)だね。慕情のテーマ曲が流れるんだね。















『慕情』(Love Is a Many-Splendored Thing)は、1955年に公開されたアメリカ映画。監督は、ヘンリー・キング

ベルギー人と中国人の血を引くハン・スーインの自伝をもとに映画化されたらしいね。と、いうことは実話だね。(映画では、英国人と中国人のハーフ)

サミー・フェイン作曲による主題歌は映画音楽史上の名作と言われ、第28回アカデミー賞歌曲賞を受賞してるね。







Matt Monro - Love is a many splendored thing (慕情 / マット・モンロー)








映画 『慕情』 主題歌  ” LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING ” (1955年・FOX)




love is a many-splemdored thing
愛とは日々積み重ねて芽生えたもの。

it's the April rose
それは四月の薔薇、

that only grows in the early spring
早春の時期に限って蕾が花開く薔薇。

love is nature's way of living
恋は自然に芽生える、生まれながら与えられているもの、

a reason to be living
生命の生き甲斐の一つの理由。

a golden crown
黄金の冠へと、

that makes a man a king
恋は一人の男を守り抜く、一人の王様へと変える。













once on a high and windy hill
昔、小高い風吹く丘の上で、

in the morning mist
朝の霧立ちのぼる中、

two lovers kissed
愛する2人が口づけを交わした。

and the world stood still
そして2人の世界時計はそこで止まったままにある、

then your fingers touched my silent heart
貴方の指々が、沈んでいる私の心に触れた途端、

and taught it how to sing
私は再び、貴方から命の鼓動の歌い方を教えられた。

yes true love's a many-splendored thing
そう、真実の私達の愛とは日々積み重ねて芽生えたものだと、言う事を。













once high on a windy hill
昔、小高い、風吹く丘で、

in the morning mist
朝の霧立ちのぼる中、

two lovers kissed
愛する2人が口づけを交わした。

and the world stood still
そして2人の世界時計はそこで止まったままにある、

then your fingers touched my silent heart
貴方の指々が、沈んでいる私の心に触れた途端、

and taught it how to sing
私は再び、貴方から命の鼓動の歌い方を教えられた。

yes true love's a many-splendored thing
そう、真実の私達の愛とは日々積み重ねて芽生えたものだと、言う事を。

















 『ジェニファー・ジョーンズ」







「なんでジェニファー・ジョーンズだけ写真紹介すんだよ? ウイリアム・ホールデンも貼ったれよ」 男は、星の数ほど居る。「女もだろが」 

綺麗なのは少ないぞ。 「おまえは、なんか偏見染みた根を持ってるね」 正直なんだよ。この物語でも、そうだよ、なんで美男美女なんだよ?

「偶然なんだよ」 苦しい言い訳すんなっアホ。「もっと、精神性を重きにおいてものを見ろっ」 置いてりゃいいよ。「なんだよ?」





目に見えるものを度外視して生きてりゃいいよ。「それが正しいんだよ」 内面から出る美しさを云ってるんだろ? 「そうだよ」

では、一方は、ヘチャムクレ、もう一方は、ジェニファー・ジョーンズ、どちらも内面相照らすほどに美しい。

ここで問題です。特派員のウイリアム・ホールデンは、どちらの女性を選んだでしょうか? 「拷問のような問題だね」 なんでや?





























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