Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

三派能楽鑑賞大会~能「弱法師(よろぼし)」&能楽ちびっこ教室

2018-09-20 | 能楽

  👇は、昨年の「三派合同能楽鑑賞大会」の様子です。表紙のお能は「三輪」です。

 
三派能楽大会’17~能「三輪」
  9月17日(日)、今年も高岡文化ホールで、宝生・観世・和泉流の「三派合同能楽鑑賞大会」が開かれた。 👇は、番組の表紙。能「三輪」の写真である。 私たち蒼山会は、第一部の......
 

 今年は、9/16(日)高岡文化ホールで「和泉・宝生・観世流・三派合同能楽鑑賞大会」が開かれた。なはさんが朝から見に来てくださり、「能楽ちびっこ教室」の発表を撮ってくださったので紹介します。

 連調連管「竹生島」から始まりました。笛と太鼓と謡のアンサンブルです。蒼山会女子部は地謡につきました。

  👇 仕舞「絃上」

  👇 仕舞「西王母」

  👇 仕舞「海人」

  👇 「鶴亀」

 👇 「羽衣」。

  👇 「経政」。

  次に、第二部の能「弱法師(よろぼし)」を紹介します。その前に、私の謡の先生、山崎健先生が「弱法師~鑑賞の手引き」を作ってくださったので、それをもとに紹介します。シテやワキの所作の説明や、会話の現代語版など、とてもわかり易く面白いのです。

 ワキ(俊徳丸の父・左衛門之尉通俊)舞台へ出て常座にて謡う)
 「かように候ものは……
  -私は高安の里に住む通俊と言う者です。子どもを持っていたのですがある人(継母か?)の讒言(他人を陥れる悪口)を信じて家から追い出してしまいました。それを後悔し善行の為、施行(参拝者などに施し物をする)をしようと天王寺へやって参りました。……

 と言うように話が進みます。父に追い出され悲しみのあまり盲目になった俊徳丸がよろよろと天王寺に辿り着き、柱にぶつかりながら舞台に出ます。
 シテとワキ~俊徳丸と父~の会話は…

 ワキ(父):おや、いつもやって来る乞食の弱法師も来たようだ。
 シテ(俊徳丸):いやですね、また私の事を弱法師と呼ばれる、でも盲目でよろよろと歩く片輪の私では仕方ないことですよね。

 最後に父子とわかり、手を取り合って故郷、高安の里に帰って行くまでの物語です。お互いに父子とわからず交わす会話、父が我が子と気づきながらも人前では恥ずかしかろうと、夕暮れになってから名乗る時の会話がほのぼのと素敵です。
 「手引き」は、A4版の紙の裏表にプリントされ、お能が初めての人にもわかりやすい解説になっています。クリ、サシ、クセ、イロエ、ロンキなどの言葉も出ますが詳しい説明はありません。次のお稽古の時に先生に聞いてみたいと思います。

 私も「弱法師」は謡のお稽古はしたけど、お能を観るのは初めて。ボロボロの衣装を着て悲しい面をつけた姿をイメージしていました。が、面はとても美しい女性のよう。「弱法師面」と言い、「弱法師」だけで使う特殊な面だそうです。(「頼政面」もありますね)👇は、ネットから。 

 ネットには、眉間にしわを寄せた悲し気な面もあるとわかりました。演者が選ばられるのでしょうか? 👇は、今年の番組表の表紙ですが、皺を寄せた弱々しい面に黒っぽい装束、見るからに哀れさを誘います。


 が、この日の装束は、弱法師がうす紫(小豆色がかった)の水衣、白地に黒い線の模様の厚板。父は緑と白の青海波のような模様の素襖上下。それぞれがあっさりとした淡色系でバランスがとれていました。金森秀祥先生の弱法師は、よろよろしながらも凛々しく、美しく、そして慎ましやかで高貴の出をうかがわせるものがにじみ出ているようでした。

 シテ:金森秀祥 ワキ:北島公之 間狂言:荒井亮吉
 大皷:飯嶋六之佐 小鼓:住駒幸英 笛:瀬賀尚義
 地謡:大坪喜美雄 他

 終演後、姫さん、杉〇さんとお茶をし感想を語り合いました。姫さんとはなんと3日間連続のデートでしたね。良き師、良き友を持ち能楽のお稽古も楽しみです。膝、声…をいたわり、もう少し続けたいものです。