Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

本 「散り椿」

2018-09-10 | 

 もう4,5年前だろうか、「多文化子ども勉強室」のボランティアの先輩、長〇さんから「よかったらどうぞ」とお借りしたのが、文庫本「散り椿」だ。「返されなくてもいいです」の言葉に甘え、しばらくそのままにしていた。

 上京の折の電車の中などで読み始め、出だしは「面白いぞ」との印象だったが、扇野藩のお家騒動らしくなってくると、ゴチャゴチャして途中で止めてしまった。そのうち、作者の葉室麟が亡くなり…、映画化され、しかも富山県内のオールロケと聞き、最近改めて最初から読み直した。

 椿の花は、ふつう花ごとポトリと落ちる。が、散り椿は花びらが一片一片散って行く。正式には「五色八重散椿」と言うそうだ。秀吉が朝鮮へ出兵した際に加藤清正が持ち帰ったものだと言う。

 架空の地方の藩、「扇野藩」でのお家騒動を中心に、かつて一刀流道場の四天王と謳われた瓜生新兵衛とその甥、坂下藤吾を中心に話は進む。
 藤澤周平の短編小説に慣れている私には、なんかダラダラして読みづらかった。が、映像化すると美しいだろう、凄まじいだろうと言う場面がいくつもあった。

 「剱岳 点の記」を撮って以来、富山県が大好きになったと言う木村大作氏の監督だ。眼目山立山寺、五百羅漢、浮田家、内山邸、国泰寺などなどがロケ地とか…。どんな映像になっているのか、登場人物がどんな肉付けされているのか一見の価値はありそうだ。