Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

西光寺で半能「高砂」

2013-10-11 | 能楽

  9/28(土)、高岡文化ホールでミュージカル「はだしのゲン」を見た後、高岡市西光寺で催される半能「高砂」を見に行った。西光寺は成美小学校の近くの、浄土真宗のお寺。親鸞聖人七百五十回忌御遠忌法要の前夜祭として演じられるらしい。

 駐車場が心配だからまず車を止めてから夕食を、とお寺へ直行する。係りの人に成美小グランドへと案内された。5時から講演と聞き、食事は後回しにする。境内には紅白の萩が満開。     

  本堂への階段には紅白の幕が張られ、仮設のスロープが造られていた。     

  椅子席はもうかなり埋まっていた。5時、↓右の演台で講演が始った。講師の方は二人。まず、草野顕之師(大谷大学学長)の「親鸞と北陸」。以前、東京青山劇場で見た前進座の「法然と親鸞」を思い出しながら、親鸞の生涯と教えについて聴く。
 次に、東伏見慈晃師(天台宗青蓮院門跡門主)の「青蓮院と親鸞」。東伏見慈晃師は香淳皇太后(昭和天皇の后)の実弟の息子さんで、銀行マンから仏門に入られたそうだ。青蓮院の門主が皇族出身だと言う歴史を詳しく話され、親鸞が天台宗青蓮院で得度したこと、西光寺の住職さんが神戸大の教授である関係で知り合いであると言われた。
 歴史や仏教の話より、最後に話された「ボイジャー1号やオリンピック誘致のように、人の強い思いが事態を変え、歴史を変える、望みが達成され、平和につながる。原発阻止への思いももっと強く」と言うような言葉が印象に残った。
 

  きっかり2時間の講演の後、椅子が取り払われ、鏡板(檀家の方がこの日のために描かれた)が運ばれ、本堂は瞬く間に能舞台になった。   

  ↓ いよいよ「高砂」の後場(中入り後)が、”高砂や 此の浦船に帆をあげて 此の浦船に帆を上げて” とワキの待謡で後場が始まる。ワキと地頭を高橋右任(ゆたか)師。  

  出羽の囃子の後、後シテ(住吉大明神・金森秀祥師)が登場。神さまと思われぬ(?)美しい姿ですね。この立派な装束は金森家の物だと後で聞いた。

   ↓ シテの神舞。

  ↓のお囃子は、奥から、笛・瀬賀尚義 小鼓・住駒俊介 大皷・松本一郎 太鼓・上田博 の各先生方。  

  ↓の右は、地謡・高橋右任師他 青謡会の先生方。 

 手前に座っていたので、同じ方向の写真ばかりになった。舞の中でこちらへ進まれる場面もあったが、あまりの近さにカメラを向けるのが躊躇われた。トップは西光寺のHPより。

 後場だけの半能なので短い間だが別世界が広がった感じ。お寺でのお能もいいものだと思った。住職さんや檀家の方たちの強い思いで実現したものだろう。さぞ、費用もかかっただろうが。