蒼穹のぺうげおっと

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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第7話 「蝉時雨・精霊流シ」 感想

2010-02-22 23:28:34 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
ここ最近ずっと忙しくて、録画したものを丸々1週間溜め込んでいたのですが、その中でも一番最初に観たのがこの「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。
今回のお話は非常に重要なお話になると脚本の吉野さんも言っていたので、ちゃんと時間を取って観ようと思っていたのでした。

そしてやはり予想通り、とても重要なお話でした。
フィリシアの笑顔に隠された過去。
いつも笑顔でいる裏にはこんな哀しいお話がありました。

ここまで色々と感じていたことや、予想してきたことが、徐々に輪郭を持って描かれてきた、そんな感じの重要なターニングポイント、という、そんなお話。

相変わらず丁寧で、そしてみんなが素直に心を開くのはやはりカナタで、素直なカナタの雰囲気がみんなを優しくしていく、そういうのがしみじみ出てました。

そして何よりも、カナタ、リオ、フィリシアをつなぐ人物が全て同一人物であり、なんとそれは皇女殿下であり、リオのお姉さんにあたる人物だった、というのも驚きですよね。
※リオが先輩のように振舞っていたのは、姉を目指す気持ちとか、男っぽく振舞っているのは家に対する反抗だったりするんだろうね。
※そしてその目指すべき姉はもう居ない・・・(今回の精霊流しに願う、とはそういう意味だから)。

みんなが音を通じてつながりあっていくこの物語ですが、その第一の音を作ったのは実は同一人物であり、今はまだ皆そのつながりをしらないけれども、いつか来るべき日にそのつながりが、単音から和音に変わっていく、そういう予感がありますね。

常につきまとう物悲しさ。
それもこの作品の風景の一つなんですが、フィリシアが背負う過去はまさにそんな哀しさの代名詞のような過去でした。

ノエルはそのときも居た、ということですが、それは砲手としてか、それともそこが故郷だったのか、いずれにせよ、ノエル自身も重い過去を背負っているんだろうなぁと予想できますね。

クレハにしても、精霊流しに祈るのは、やはり両親のことで、既に鬼籍に入っていたということなんですよね。
※手紙のエピソードで、クレハが一人淋しい思いをしているところはやはりここに由来していました。


そういう中で、凄絶な過去を背負うフィリシアに、


終わろうとしていく世界に意味はあるのかい?


そう問いかける亡霊に、応えるフィリシア。

意味なんて無くていい。
自分で意味を作ればよいのだから。


と応えるところが、今回の一つ目のホッとするシーン。

そして、もう一つが感想冒頭に書いたカナタという存在が、人を優しくする緩衝材として、フィリシア、クレハ、ノエルも含めて、優しい音を作り出す、そういう存在になっていっている、というのが丁寧に描かれているわけで、こういうのが本当にこの作品は素晴らしいなと思います。
※美術的にも凄く美しくて「フィーエスタ・デュ・ルミエール」=光の祭りが静かに、そして美しく、この作品を象徴する映像でした。


物語は後半に入りましたが、司祭様がリオの姿を見て気がついたように、多分小隊のメンバーそれぞれの過去にもう一度スポットが当たっていくシーンが来るんだと思います。

旧時代の人々が何と戦っていたのか?
それは炎の乙女の神話に関連するであろうことは間違いないと思いますが、第1話でカナタが見たものは何だったのか?
今、まだ続く戦争はどうなっているのか?
それらが絡んでいくというのが僕の予想ですが、脚本の吉野さん曰く、タケミカヅチは完全状態で一度のみ起動するということなので、そのクライマックスと、1121小隊のメンバーが過去から未来へ向き合うクライマックスとがシンクロしてくるとかなり熱いなと思います。

いやー、ほんと良い作品だと思いますよ。僕は。

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