蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

マクロスF 第14話 「マザーズ・ララバイ」 感想

2008-07-14 21:58:03 | マクロスF
ものすごい展開になってきましたマクロスF。
これまで両ヒロイン、シェリル、ランカともに出生については秘密になっているわけですが、ランカちゃんの出生に関して何かものすごい展開になってきました。

また、作中に少しだけ描かれた遺伝子みたいなものの中に、あの紫色の結晶が描かれていて、シェリルが持っていたイヤリングの結晶と同じもののような感じが。
第6話でお守りとしてシェリルがアルトに渡したイヤリングを通じて、ランカとシェリルの歌が流れ込んできたシーンを考えるに、ランカちゃんだけじゃなく、この二人の歌姫の出自については、やっぱり惹かれあうものがあるように、どこかに通じているものがあるのかも・・・。


■マザーズララバイ

それにしても30分間の密度が凄いですね。
手に汗握ってみてしまいました。今期(というか最近)では個人的にぶっちぎりでマクロスFが一番好き(もちろんグレンラガンとかも大好きですけど)。

どこから感想を書こうか迷ってしまうくらいですが、やはりインパクト的には新しい義体に乗り換えて復活したグレイスがつぶやいた「リトル・クイーン」という言葉ですよね。
なんとなく第1話からの予感はありましたが、ランカちゃん、どうもバジュラを統べる可能性を秘めているようです。

これはリン・ミンメイ作戦ならぬ、ランカ・リー作戦の立案ができそうです(えー)。

それはさておき、バジュラの性質、フォールド通信を探知して仲間を呼び合うである(そもそもフォールド通信を使う)とか、実はその装甲がバルキリーと同じエネルギー変換装甲だったり(このエネルギー変換装甲も、もとはプロトカルチャー由来の技術で、地球に元来あった技術ではない)、という点ではプロトカルチャー由来の技術体系が織り込まれているのではないか、とも思えるわけです(フォールド・リアクターでフォールド断層を飛び越えるあたりは、プロトカルチャー由来の技術を凌駕しており、独自進化させた?)。
#ルカを第6話でバジュラが鹵獲したのは、(バジュラのECMに対抗すべく)フォールド通信機器をルカのバルキリーが実装していたから、それで仲間と勘違いして母艦へ連れ帰ったとも考えられる。

今現在、人類としては、ゼントラーディーという同じプロトカルチャーを由来とする種族と共存していますが、その中でテムジンが、宇宙は二つの種族が住めるほど広くは無い、と残して死んでいきました。

バジュラ自体は生体兵器としての扱いのようなので、そういう意味ではプロトカルチャーに由来する第3の種族の存在の確認、という形になっちゃうんじゃないのかな。

マクロス・ゼロでサラ・ノームとマオ・ノームが、プロトカルチャー直系の子孫である?と思われたように、実はランカちゃんはゼントラーディーだけじゃなくて、もっと違う、あの緑色の髪をした巫女のような人たちの血を引いている、第3の種族の末裔、なのかもしれないですよね。

ゼントラーディーは戦闘種族として、戦闘に特化した存在。
人類は文化の担い手として歌や恋愛、それらを継承していく存在。

ランカちゃんの前に現れた「アイモ」を歌う人々は、何を伝えようとしているのか?

バジュラはその担い手?を守護するために開発された兵器?

とか、もう色々と考えられて仕方ありません。

「アイモ」だけじゃなくて(第8話の映画のエンディングとして扱われた)「アイモ~鳥のうた」では、ラストの歌詞に「昔みんなひとつだった世界」とあるわけで、これもまた意味深。

さらにほとんど脱線でもあるけれども、確か前回か前々回のアイキャッチでランカちゃんが「SMS小隊の歌」をワンフレーズ歌うのですが、それが「いっかしーたあの娘はエイリアン♪」なのですよね。

うはー、どこまで広がっていくんだろう。

とにかく超時空シンデレラになったランカちゃんは、それすらも飛び越して、超時空リトルクイーンにまでなってしまいそうです。


■趣の違い

今回のバジュラとフロンティアの対決は、互いに総力戦みたいな感じになって、バトル的にも凄まじかったわけで、見応えばっちりだったわけだけれども、同じくフロンティアとバジュラの最初の総力戦が描かれた第7話「ファースト・アタック」では、シェリルの歌に合わせて凄まじいバトルシーンが繰り広げられて、そしてルカが捕まってしまって、アルトが突入というときに、アルトを想う二人の歌姫がデュエットして、その歌がアルトに届く、という超マクロス的感動があったんだけれども、今回は同じく凄まじいバトルなのに、どこかが違ってる感じがしました。

しかもランカちゃんを救出するためだ、というのに、アルトが目の前で救出に来ても、バジュラを攻撃してはいけない、とランカちゃんは言うわけです。

ここで感じた第7話との違い。

これがまさに、今後のマクロスの展開を感じさせるところなのかも、と思いました。

第7話のときは、いろんな人の想いがシンクロして歌に乗ってくるわけですが、今回はその歌が「アイモ」で、何かを伝えようとしている、けれども、それが憎しみとか激情とかでかき消されてしまっていて、本来辿り着けるはずの地点へ辿り着けない、伝えられない、そういうもどかしさすら感じるところでした。

本来は理解しあえるはずの存在かもしれないのに、人為的に?助長された憎しみだとか怒りだとかで、それ以外の感情や思考を奪ってしまっている(それこそグレイスの思い通り?)、そんな後ろめたさすら感じる、ランカちゃんの悲しそうな顔がそう物語っているかのようでした。

第7話と第14話。

奇しくもちょうど何らかの締めというか、起承転結の起と承の終わりに、こういった壮絶バトルなんだけれども、趣の違いをあえて対比して演出しているかのようでした。

■ランカ時代の到来?

前述した第7話と第14話の趣の違いが物語り全体の転換点というならば、もうひとつの主要テーマたるトライアングルについても、ひとつの転換点になるのかもしれないですね。

第7話から第11話の「ミッシング・バースデー」まではシェリル優勢(人気&アルトへのアプローチともに)だったのが、ミッシング・バースデーでの抜け駆け?から陰を落として、第12話「ファステスト・デリバリー」で大逆転。
あっという間にランカちゃん優勢に。

そして今回、出撃するアルトを気遣うシェリルですが、アルト的には自分を救ってくれたランカちゃんを助けることが最優先、みたいな感じでそれが哀れを誘います。

これはバランス的に見ても第15話以降、ランカ時代の到来を予感させます。

基本的に僕は逆境にも負けない生命力の強いシェリルが好きなので、そんなんで凹んで欲しくないor凹んだとしてもパワーアップして復活して欲しいと想ってるんですけどね。

まあ、でもしばらくは女王シェリルの谷の時代があったほうが、後の伏線というか、それこそシンデレラカーブを描くときに、凄く美しいカーブを描いてくれると想うんで、それはそれで楽しみです。

トライアングルのバランスがすぐに行ったり来たりして、視聴者もどちらに肩入れしたらいいか迷ったりするのがマクロス的楽しみなので、存分にやって欲しいとは想います。
#ただし、作画的にはランカちゃんはかなりスタッフに愛されてると思います(笑)。
#きっと俺がランカちゃんの原画やるんだ、とか取り合いになっているのでは・・・(グレンラガンのニアちゃんがそうでした)。

マクロスF O.S.T.1「娘(ニャン)フロ。」

すっごい盛りだくさん。絶対購入をお勧めします。

星間飛行


マクロスF(フロンティア) 1 (Blu-ray Disc)