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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第10話 「ガンダム鹵獲作戦」 感想

2007-12-08 23:58:03 | ガンダム00(ダブルオー)
今まで空位になっていたGN-004の正体はヴァーチェの装甲をパージした真の姿、ガンダム・ナドレだった、という結構早めの正体バレだったみたい。
ソレスタルビーイング的にはどうも切り札的?位置づけだったような反応なので、ここで言う計画を狂わせてしまった、というのが実際どんな感じになってくるのか、この辺が面白いところですね。

■いつまでもデ○と思うなよ

ヴァーチェの装甲はあからさまにでかかった(そりゃデカブツって言われちゃう)ので、きっとその下に何かあるんだろう、というのは想像していましたが、さすがに髪が伸びているとは全く想像できなかった・・・。

今回は追い込まれた状況で、つたないながらも逆転する、というのがバトル的に面白かった点ですが、キャラの掘り下げをやるにしたがって面白くなっていきますね。

アレルヤの二面性(二重人格)は以前にも表現があったのですが、今回は今まで過去の片鱗や、表情さえも見せてこなかった(失格としか言ってこなかった)ティエリア・アーデにスポットが当たったのが面白かったですね。


俺は・・・

僕は・・・

私は・・・


とラスト付近で泣きながら呟くティエリアには、一体どんな側面が隠されているのだろうか?
普通、虚勢を張っていたり、二面性があるキャラの場合、僕は→(本性が出て)俺はになる、とか、その逆で俺は→(落ち込んで)僕は、という展開は二面性表現としてよく有りますが、今回は3つですからね。

全く予想できません。

少なくとも彼も「完全」ではなかった、というのが今回のポイントですね。

たぶんヴァーチャの装甲は切り札的にパージしてナドレの登場をさせなければならなかったのに、このタイミングでパージしたのは、装甲だけじゃなく、ティエリアというキャラを覆っていた鉄面皮も表現としては外してしまった感じ。

それが、

俺は・・・

僕は・・・

私は・・・

という、自分を表現する呼び名がいくつも登場&涙まで流してしまう、という表現と繋がって見えてしまいました。



「完全」であることを他者にも執拗に要求していた(不適合なら殺してしまえ位の勢い)にも関わらず、それを自分が犯してしまった。

ヴェーダの申し子のようなティエリアが、ヴェーダの期待を裏切った、計画を狂わせてしまった。
#ティエリアはヴェーダが全て、のような感じだし、ティエリアはヴェーダによってデザインされたデザインベイビー?とか思ったりも(妄想)。

ロックオンも本名を言っちゃったり「人間」らしいところを見せてしまっているので、これで刹那、アレルヤ、ロックオン、ティエリアと王留美が言うように、ガンダムマイスターが不完全、というのを序盤で表現したいところなんでしょうね。

それにしても髪が生えてるとは・・・。
髭があったガンダムはあったけどね。


■完全と不完全

ものすごーく今回興味深い発言をしたのが、僕としては王留美でした。

ガンダムという存在はソレスタルビーイングの思想を完全に体現しているのに、それに乗るガンダムマイスターは何故かくも不完全か?

的発言をするじゃないですか。

ここ、凄く面白いですよね。

なんつーかこれ、このミステリを解くためのヒント、みたいな。


今回ね、スメラギさんはじめ、クリスにしてもアレルヤにしても、一番完全に近いと思われていたティエリアにしても、プトレマイオスサイドがこれから経験値を積んでいかないとダメ的表現をされているじゃないですか。

つまり墜ちていく表現なんですよね。
#たぶん地球の重力に惹かれるように墜ちていく。

対してアレハンドロ・コーナーは、監視者を名乗り、また王留美もガンダムマイスターたちの不完全さを嘆く。
#その前にも王留美はスメラギさんから、今回何人死んだと思う?という質問をされて実感の無い表情をしていた。
#つまりこれは、アレハンドロ・コーナー、王留美は理想のためにはどんだけ犠牲になっても我関せず、くらいの感じなんでしょうね。

天上人たるソレスタルビーイングの中でも、墜ちていく組と、最初から最後まで天上にいそうな組とがはっきり見えてきた、そんな感じですよね。

墜ちていくトレミー組は、逆の意味で強くなって這い上がってくる、というのが物語り的には面白いところ。
ゆえに彼らの脆さ、人間的な部分というのがガンダムの圧倒的な強さに反比例するように、今描かれていくのは実は僕はとても面白いと感じてるんですよね。

個人的には王留美が最終的にどっちサイドに付くのか?というのも楽しみなんだけど。
#アレハンドロ・コーナーは絶対そのポジションは変わらないと思うけど。


それにしてもスメラギさん、イイなぁ・・・。
やっぱり脆さを持っている人だったんだよね。
その危ういバランスがとても良いです(フフフ)。


■アレルヤとソーマ

今回、意外とソーマが人間っぽいというか、感情があるんじゃん、みたいな感じで不思議。
つか、ソーマ頑張れー、とか思っちゃったよ。

逆に性格が裏返っちゃったアレルヤは、見てる方がやめてーって感じになるんだから、この対比表現もほんと面白いですよね。

ハレルヤはやっぱり戯言シリーズの匂宮出夢・理澄、空の境界の両儀式・織、エア・ギアのアギト・アキト、みたいな殺人衝動とか、暴力性を引き受ける性格なのかもしれないですね。
#一部、物理的に違う人いますが(笑)。

アレルヤとソーマは同じ業を背負っているわけだから、分かり合えそうで、分かり合えない、みたいな、そういうのをやって欲しいなぁ。
#ハレルヤの消滅、というのがアレルヤにとっての一つのゴールとか結果になるんじゃないだろうか、と思ったりもするんだけど。
#そこにソーマという存在が入ってきて欲しいな、というのが個人的願望。


最近、コードギアスとかグレンラガンとか、超・展開の早い作品を見てきてしまったせいで、ダブルオーは静かに感じてしまうんだけど(笑)、凝ったつくりしてるなー、というのを最近特に感じています。


ガンダム OO(ダブルオー) DVD第1巻