蒼穹のぺうげおっと

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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」 感想

2007-09-27 00:07:29 | アニメ 感想
公開から約1ヶ月遅れで「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を観てきました。

仕事が終わってから渋谷アミュ-ズCQNで観てきたんですが、そろそろ普通に観られる頃だろう、なんて楽観視していたら、劇場はほぼ満席。
完全指定席だから&劇場スペースは小さいのでちゃんと座って割りと程よい距離で観ることができましたが、凄いね。
#渋谷アミュ-ズCQNはスペースは小さいけど2つの劇場で公開してるから、そう考えるとこの混雑は凄いね。

しかも、観客のほぼ半分くらいが女性だったんですよ。
年齢層的にはだいたい20代半ばくらいの人が多くて、やっぱり仕事が終わって見に来ました、みたいな人が多かったかな。
それにしても凄い女性率だったなぁ(僕の両隣も女性でした)。

年齢層については、何となく成る程なぁと僕個人的に思うところもありました。
多分80年生まれ前後を中心とした人が多いんじゃないか、と漠然と思っていたので、たまたま僕が観た回だけなのかもしれないけれど、そんな感じでした。
#そんな僕は70年代の生まれなんだけど(ぎゃー)。

エヴァンゲリオンが当時放送されていたとき、僕は丁度大学生で、アニメから多分最も遠ざかっていた時代(はガンダムSEEDが始まるまで続く)に放送されていました。
そんな遠ざかっていた僕でしたが、劇場版CMでミサトさんが「エヴァって何なの!?」と叫ぶシーンが気になって、ビデオをレンタルし始めて(し始めたらTVで連続再放送が始まっちゃった)、ついには劇場版まで観に行っちゃったんだよなー、と懐かしく思ったり。

そのとき思ったのは、エヴァが放送されたときに僕は大学生で良かった、と思ったんです。
もしこれが自分が高校生、ましてや中学生くらいだったら大変だったんじゃないか、なんて(笑)。
おかげで僕は当時大きくはまることもなく、無事?その後を過ごせたのですが(笑)、もし自分が高校生、中学生だったら、きっとかなり影響されたんじゃないか、と思いますよ。いや間違いなく。

だから(たまたまかもしれないけど)今日観に行って80年生まれ前後の人が多いなぁと感じたのは、年代的にやっぱり気になる世代だからだよな、なんて(まさに)勝手に納得していました(笑)。

* * *

さて、かなり前置きが長くなりましたが、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」これは良かったですねぇ。
個人的にはかなり良かったですよ。かなり満足。

たぶんかなり早いテンポで展開していったと思うんですが、エヴァを程よく忘れている自分には、どこをスキップしているかとか忘れちゃってるけど、ああ、そうだよ、こういうシーンだよ、とかこの台詞だよ、とか印象ポイントはブレてなくて、その辺をしっかり見せてくれてるなー、なんて思いながら観てました。

また、超・気合の入った見せ方。これが良かった。
後述しますけど、特にヤシマ作戦は凄かったね(ここはほんとに色んな意味で凄いよ)。
あれはぐいぐい引き込まれちゃったね。
あそこからラストシーンまでの演出はお見事!!
あのヤシマ作戦に凝縮されたテーマと演出、これは今回ほんとに凄いと思いました。
素晴らしいよね、あれは。
うん、満足です。

* * *

さて、本編についてですが、僕は確かにアスカが登場してから当時面白くなったなー、と思ったものですが、今考えてみると、エヴァでありヱヴァンゲリヲン新劇場版のテーマ部分はこのシンジが登場してくる&綾波レイが登場してくるところが一番濃いーのではないかな、と思ってるんですよ。

これは僕の持論なんですけれども、エヴァって物語のベースは寂しくて寂しくて、本当は他者を求めているのに、距離感や傷つくのを恐れて最後には拒絶してしまう、そういう物語だと思ってるんですね(僕の中ではあの最終回は拒絶だったようにも思っています)。

放送当時は覚えていなかったんですけど(笑)、リツコさんが言う「ヤマアラシのジレンマ」はまさにこれで、映画を観ながらそうそう、これだよこれ、ああ、そういえばTV版でも言ってたな、なんてようやく思い出す始末。

これは確か、庵野さんが奥さん(安野モヨコさん)のマンガ(監督不行届)のインタビューか何かだったと思うんだけど(ごめん正確に思い出せない)、エヴァを作った頃は、寂しくて寂しくてどうしようもない、そんな心境の中で作った、だから、今(結婚してるし)あれほどの心境になることはきっともう出来ない(もう作れない)と思う、みたいなことを仰ってたんで、それを読んだときに、エヴァのテーマみたいなのが自分なりに解釈できた感じだったんです。

だから、今この年になって改めてこのヱヴァンゲリヲン新劇場版を観るとやはり、そこにフォーカスして心情描写を組み立ててるというか、そこと綾波レイの魅力!!みたいなのの2大必殺技で攻めて来てるぞ!!みたいに思いましたね。
#もちろん超・迫力の雰囲気、作画なんかもあったんで正確には3大必殺技か。
#つか、綾波インパクトはやはり今観ても凄かった。あれはやっぱり凄いなぁ。

だから逆に、当時庵野さんが「我々は何を作ろうとしているのか?」と問いかけたことに対し、今、あの時とはまた違った心境で挑むヱヴァンゲリヲン新劇場版は「我々は再び、何を作ろうとしているのか?」となり、結婚もした庵野さんがどんな風に、もしくは元はどんな風に作りたかったのか、色々な意味でこの続きが気になってきますね。


今回のヤシマ作戦は色んな意味で僕は凄かったと思っていて、ヱヴァンゲリヲンはエヴァンゲリオンよりも前向きというか、寂しくて寂しくて仕方ない少年に対する温かさというか、前向きさというか、そういう絶望の中のわずかな光であり救いみたいなのが描かれていくような気がしているんですね。

その象徴がヤシマ作戦で、あの大胆なリメイクは個人的にはかなり心に響きましたね。

孤独な少年、寂しくて寂しくて、他者を欲しているのに拒絶して、という少年のもとへ、ミサトが、トウジがケンスケが、言葉を贈り、それが綾波が言う「皆との絆」になっていき(それがミクロ(個人)レベルで演出されて)、最後には日本中の電力(に例えた希望や願い)がシンジのもとに集まってくるというマクロレベルでの演出に繋がってるところは正直鳥肌が立ちましたよ。
ここの演出は本当にしびれましたね。

これはエヴァンゲリオンよりも、かなり前向きに、寂しさの中に沈みそうな中に、そうじゃないんだよ、というようなメッセージ性が垣間見えた気がしましたね。

そしてラストシーン。

「笑えばいいと思うよ」

ここに繋がってくるまでが素晴らしかったですねぇ。

うーん、かなり満足かも。
もう1回観ようかな。

* * *

ということで、この続きの「破」が楽しみでございます。
#ちなみに「序」「破」は「序破急」で三部構成の意味みたいですね。4つ目は何て名前にするんだろうね。

* * *

(余談)
エンドクレジットなんか観てると、自分が気になった人だけ目に入るんだけれども(笑)、今回の新作画の絵コンテは樋口さん(ガメラとかローレライの監督)と『交響詩篇エウレカセブン』の監督だった京田さんの二人でやってるじゃないですか。
おおー、納得、みたいな。

特に僕は京田さんの絵コンテを切ったときのエウレカセブンが大好きで、第4期のOPなんか本当に最高の出来だったと思っているくらい。
なんかこういうのは嬉しいですね。

後は攻殻機動隊の桜井さんが脚本で入っていたりと、自分が好きな人だけちゃんと目に留まる、みたいな(笑)。
そういえば『蒼穹のファフナー』のプロデューサーの大月さんは、エヴァンゲリオン(ともちろんヱヴァンゲリヲン新劇場版:序)のプロデューサーでもあるんだよなー、とか今頃思い出したりとか。

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