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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第15話 「反抗の凱歌」 感想

2009-01-19 00:59:07 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
2ndシーズンに入ってからずっと刹那の中でわだかまっていた想い、世界は何も変わっていない、そして俺も・・・、というガンダムダブルオー的な大きなテーマの一つでもあるところにようやく本命として焦点が当たる感じの第15話「反抗の凱歌」。

つまりそれは都合1年という物語の中の4分の3を沈んで過ごしてきたマリナ姫にスポットが当たることと同義でもあると思うんですよね。

刹那は悩みに悩んできて、マリナ姫は落としに落とされてきて、その二人が今回ようやく語り合いを始める(それはそれぞれの生い立ちも含めて)、というのがこの先のクライマックスへの布石というか、暗示というか、二人の関係性が脚光を浴びて行くという展開を否応無く期待させてくれる感じ。

やっぱり主役カップルが感情面でグラグラ来ないと視聴者的にも感情移入しづらいもんねー(笑)。
#刹那がマリナ姫のことを「マリナ・イスマイール」から「マリナ」と呼び始めたのは非常に良い傾向。

ということで、リボンズが言う「対話」とは全く対極にあるんじゃないかと思う刹那とマリナ姫の「対話」。
これもひとつ大きな物語での鍵なんじゃないのかなー、と思いました。

イノベイターが人類の上位種と位置づけられる理由のひとつが、脳量子波を利用した相互意思疎通にある、ということであれば、それ以上互いを知ろうとすることも無いかもしれない、逆にそれはそれ以上の発展を示さない、という答えにつながるのかもしれない・・・。
今回ヒリングやリヴァイブが言っていた脳量子派を介した意思疎通ができないのは不便だ、とかの会話は今後の展開のヒントになるかも。
#視聴者的期待値としては、その不便であるがゆえに人間は互いを知ろうと努力できる、という方向性に向かって欲しいところ。

ダブルオーのツインドライヴが描き出す無限の輪=∞の中では、人類も本当に気持ちを伝えたい人のもとへ心の声を飛ばすことができている。
だからマリナ姫の声は刹那に届いたし、子供たちの歌声は、この歌を聞いて欲しいと思った人たち=戦場の人たちへと伝わった。

トランザム、そしてツインドライヴというイオリアがガンダムマイスターたちに託した技術は、それこそセットでその真価を発揮するのかも。

そしてそのセットはイノベイターの存在理由を否定するもの、にもなるんだろうなぁー、と漠然と思ったり。

今回、ルイスが脳量子波を使っている描写が明確に描かれていて(第1話でもそうかなーと思っていたけど)、残念ながらルイスは左手の義手化+脳量子波を使えるようにリボンズに手術をされているんだろうね。

ということは、脳量子波は超兵だけじゃなく、一般の人にも手術で利用可能になるということだし、イノベイターの目論見として、最終的には全人類が脳量子波を使えるようにする&トライアルシステムのようにコントロールすること、だったりして・・・。
#ルイスの薬はその副作用を抑えるためのものなのかもね。
#コメント欄でも貰ったんだけれども、まさにマクロスFでいうところのグレイスが考えていた全人類インプラント化計画の可能性も無きにしも非ず、というところかな。
#トライアルシステムについては個人的に消化不良のところもあったしなぁ・・・。

それが「対話」。

・・・だったりして。

うーん、妄想しすぎか。

とまあ、今回やっぱり一番気になったというか、これからきっと盛り上がっていくであろう刹那とマリナ姫の二人の「対話」と、リボンズの言う「対話」、きっとこれは正反対なんだろう、という点だけは多分直感的に間違ってないかな、と思ったり。


そういう意味では旧ロックオンが今回登場したけれども、新ロックオン=ライルと、そのロックオンのことを唯一ライルと呼ぶ(カタロンではジーン1だし)アニューという、人間とイノベイターのカップルというのも一つの可能性なんだよねー。
#今回のエンディングを見る限り、シーツの後ろに見えた髪の毛は淡い紫だったからきっとアニューの髪なんだと思う&何よりロックオンの制服とアニューの制服が対になっていたので。
#一瞬フェルトかなーとも思ったんだけど(バックが赤だから制服がピンクでも有りと言えば有り)、シーツの後ろの髪を見るとやっぱりアニューだと思う。


今回のエンディングは非常に好きで、無残に朽ち果てたガンダムがそれぞれ横たわっているんだけれども、何かを成し終えて力尽きた感がある、というか何よりも、2ndシーズンの最初のエンディングでもそうだったんだけど、時間が経って、朽ちた兵器にも花が咲いている、という表現が共通しているんですよね。

これは1stシーズンのOP曲である「Daybrake's Bell」の「澄み渡る未来が来たなら草花も兵器に宿るだろう」という歌詞にも共通する部分。

このガンダムダブルオーの2シーズンを通したイメージはここで共通しているので、目指すべきところ、こうであって欲しいと願う世界はきっとそうなんだろう、と思ったりするんですよね。

そして最後に少年兵の頃の刹那が、未だに見せたことの無い笑顔を見せて終わる。

これだけでも意味がある、と言う気がする。

過去は変えられない、と旧ロックオンが言った。
けれども(最期に私怨に走って命を落とした自分のようになるのではなく)、刹那は変われ、と言う。

EDで見せる少年兵の刹那の笑顔、これもひとつの到達点、なんだろうなぁ。

ということで、新ED。
非常に良かったです。


展開としてはいよいよ軌道エレベーターを舞台にしたクーデター勃発。
個人的にはもっと早く軌道エレベーター崩壊か!?というのを期待していたのですが(笑)、現在の人類の宝とも言える軌道エレベーターを挟んで、アロウズがどう動くのか、それも興味があるところ。
#オートマトン投下、とかやりかねない。

セラフィムの特性って何だ?とか、ブシドートランザム!!とか気になるところはまだまだたくさん。


そういう中で、もう一つ余談というか、多分本命だと思われる話を少し。

ランゲージダイアリーのあいばさんに記事を紹介してもらったので、お互いに紹介というのも恥ずかしいですが(笑)、イノベイターの位置づけと本当の意味でのイノベイターの違い、と言う点からこの物語のラスト、というかテーマの帰結を予想。

確かあれは11月だったと思うんだけど、出張中にとある経済雑誌でドラッカー関連のコラムを読む機会があって、そこには最近使われている「イノベーション」と言う言葉はドラッカーが提唱したものと違っている、もしくは正しく理解されていない、というものだったんですね。なるほど、と。

もともと「イノベイター」という言葉もドラッカーの著書タイトルなんだけれども、ちょうどダブルオーも2ndシーズンが盛り上がってきたところだったし、興味深く読んだんですよね。

「イノベーションは一部の天才によるひらめきではなく、誰でもどの組織でも活用可能な「体系」「方法論」である」というのが趣旨であるということ。

そしてもう1点。

ドラッカーは著名な経済学者であると同時に、彼自身を評して「社会生態学者」であり「社会幸福論者」でもある、という点。

ドラッカーの関心は、(彼の戦時中の体験などから)若いころから一貫して、社会的な存在としての人間の幸福に焦点があたっていて、社会が正しく機能し、かつそこに生活する個々の人間がそれぞれかけがえのない役割を持ち、充実した人生を生きるためには何が必要か、という探求こそが彼のライフワークなのだ、と。


ああ、これはまさにダブルオーの世界観だな、と。

今のダブルオーに出てくるリボンズをはじめとしたイノベイターたちは、自分たちが上位種だと言い、世界の変革を促すものだ、と言っている。
これはある意味間違った「イノベーション」の解釈で、ダブルオーのスタッフは逆にそれを狙って「真のイノベイター」とはお前たちに非ず、ということを示唆しているんじゃないか、と思ったので、あれは確かあいばさんの誕生日の後くらいだったかな、お祝いコメントをかねてこんなことをWeb拍手で送ったんだよな、確か。

それで先週の第14話「歌が聞こえる」

マリナ姫の歌が、子供たちの歌が戦いを止めた。

イノベイターたちじゃなく、切実に戦争なんかやめて、一緒に家に帰ろうと願う気持ちが戦場に届いた。

こういったひとりひとりの切実なる思いがダブルオーのツインドライブ&トランザムに乗って世界に届いていく。

無機質化する戦争への危機感の中、大切なのは、失ってはならないのは人の気持ち・感情であると。

「イノベイター」への誤解と、社会幸福論。

イオリア・シュヘンベルグは、最初僕はアイザック・アジモフのファウンデーションシリーズのハリ・セルダン(心理歴史学者、というかほぼ預言者)的位置づけかと思っていたんだけど、そのハリ・セルダン的雰囲気を残しつつも、でもまさに社会学者としての故P・F・ドラッカーなのではないか、と思うようになったんですよね。

そういう意味からも、そしてこの物語の流れからも、僕は個人的にこのダブルオーのラストを「真のイノベイター」とは?的解釈からリボンズたちイノベイターではなく、名も無い、平和を望む多くの人々の声が結集した形へと収斂していくんじゃないかと予想しています。
#この辺はあいばさんのラスト予想と全く同じですね。

というわけで、既に僕の中では数あるガンダムシリーズの中でもストーリー面で屈指の出来になっていて、実は一番好きかもしれない、と思うところなのです。
#ちなみにBlue-Rayは1stシーズンは買わなかったけど、2ndシーズンから購入することにしました。

ダブルオー、まじで面白いっす。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第14話 「歌が聞こえる」 感想

2009-01-14 02:41:33 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
第14話「歌が聞こえる」すげー面白かったです。
つか、むしろ感動の領域に。

個人的には前半戦の見所である第13話「メメントモリ攻略」よりも、登場人物たちの感情がグラグラに交錯した今回の方がかなり見ごたえがありました。
そしてあのマリナ姫と子供たちの歌には、理由も分からぬまま直感的に感動してしまい、しばし絶句状態に。

作中所々に上手く演出的な見下ろす、見上げる演出が入ってて素晴らしいと思っていたのだけれども、マリナ姫が宇宙を見上げながら「今は歌うくらいしかできないけれど」と言うところでは無力感を漂わせ、しかしながらラストではその「歌」がダブルオーライザーのトランザムが作り出すGN粒子無限大効果で、人の意識をつなげていく、歌が戦いで疲れた人々の心に染み込んでいくようなシーン、あれは見上げる、見下ろすという演出を更に超えた、そういうことではないんだ、くらいの勢いで僕の心には響いてしまいました。

直感的な感動、と言ったら良いのか、とにかく心を揺さぶられてしまいました。

ガンダムダブルオーは、2ndシーズンに入ってから特にオートマトンに代表されるように、戦争の仕方がどんどん無機質化していっている現代を風刺するかのような展開がなされているんだけれども、その一方で、というか、無機質化が目立てば目立つほど、主人公たちの置かれている状況や、それに抗おうとしている人たちの人間の意志の力、みたいなものを描いていこうとするのが見て取れるんですよね。

今回の「歌」は(マクロスもそうだったけれども)人間の感情に直接訴えてくるものなんですよね。

歌うくらいしかできない、と言っていたマリナ姫。
だけれども、切実なる願い、想いが託された、純粋に平和を願う気持ち、それがみんなに届くように、そんな想いが込められた「歌」が、戦いの最中の刹那に届き、そして戦いを止めてしまう。
ダブルオーライザーのツインドライブによって戦いに疲れた人々へと「歌」が届いていく。

なんか、本当に感動してしまいました。

これはやはり全てを飲み込んで、マリナ姫の「宇宙へのエクソダス」も現実味を帯びる、という気がしてきました。

いやー、参った。
ガンダムダブルオーは僕の個人的なガンダム作品の中では一番になりそうな気配までしてきました。

小さな力が結集して、人の心に届いていく。

見上げる者、見下す者、そういう意図的演出をしつつも、今回の小さな力・願いの結晶である「歌」は、そういう構図をキャンセルして、ただひたすらに、切実に皆が願う、それが大きな流れになっていく、というすっごい意味があったんじゃないか、そんな風に思えてきました。

1stシーズンでは個人主義だったソレスタルビーイングが徐々にチームプレーになっていき、2ndシーズンではガンダムマイスターだけでなくクルー全体で戦うようになってきて、そしてそれを超越するように、武力を持たないものの切なる願いが、大きな流れを作っていく、そんな大きな物語に今なろうとしている、そんな予感を感じさせる後半戦の開始でした。

しびれた。


後は刹那が気になるところです。

今回はマリナ姫たちの「歌」が刹那の戦いを止める、という非常に大きな意味もあったんだけれども、刹那としてもその直前に、彼の運命を大きく変えた二人の人物、アリーとリボンズと対峙しているわけです。

特にリボンズ。

刹那にとって、11年前は絶望して絶望して神なんかこの世にいない、そんな果てに見た神がガンダムだった、という悲しいくらいに歪んでしまった、そしてそれが彼の新しい原点になってしまった事件、それがガンダム降臨だった。
けれども、そのガンダムに搭乗していたのは、歪みの元凶たるイノベイター・リボンズだった、という衝撃。

しかも、その男が自分をガンダム・マイスターに推薦したという。

4年前からいろんなことが変わってきた刹那だけれども、彼の原初体験たるガンダム降臨、これが全ての元凶であり、始まりであった、というのはそれなりに衝撃的な事実だと思うんですよね。

だからこそ、次週、マリナ姫と刹那の再会、というのは、冒頭の感想にも書いた刹那の戦いを止めた、という点と二つの意味で凄く興味があるんですよね。

マリナ姫に懺悔する、というか、刹那の今のこの苦悩と衝撃を告白する相手がいるとしたらマリナ姫しかいない、という展開だと思うんです。

これは凄いなぁ。


後は、ティエリア。

セラヴィーからセラフィムへ脱皮!!

僕も今、殻を脱ぎ捨てるぜ、キャストオフ!!みたいな。

ティエリアがイノベイターを否定して人間宣言するあの瞬間、ティエリアの位置取りが初めてブリンク=イノベイターよりも上位に位置取りするんですよね。
そしてイノベイター撃破、というのはかなり熱かった!!

何かこれもえらく感動。


アニューも凄く気になる。

実はアニューは自分がイノベイターというのを自覚していない、とかっていうのがあっても面白いと思うんですよね。
つまりスパイの自覚もない、みたいな。

だったら面白いんだけどなー。

ロックオンのカウンターパートはアニューで決まりのような気もしてきた。
イノベイターと人間の恋愛があってもいいじゃない、という気がしてきた。


あとブシドーの人。

マスラオ登場。

僕は最初、ミスターブシドーってすげーノリだな~と思っていたんだけれども、今回の感想やこれまでにも戦争が無機質化していくなかで、人間の感情にスポットを当てている、というのがずっとテーマ的に気になっていたんですよね。
無機質化、ルールが限りなくなくなっていく虐殺的な戦争へと近づく中で、ミスターブシドーというのは、それこそそういう状況の中で忘れられていく武士道精神、騎士道精神、戦争は虐殺をするためなのか、人が人を殺すことにためらいを無くして良いのか?というアンチテーゼ、というか、テーマそのものになっているんじゃないかとも思えてきました。

それを面と向かってやるのもなんだから、ミスターブシドーみたいにちょっと笑えるキャラにしようぜ、みたいな(笑)。

セルゲイさんなんかは最初からそういうポジションにいたんだけれども、カティさん、ブシドーの人、と戦争はルール無用ではない、人が人を殺すことの意味を考えるべき、という人たちの力の結集というのも、クライマックスへ向けてそろそろ観たくなってきたところです。

ガンダムダブルオーも折り返し地点。
今回、物凄く奮えました。

いやー、まじで面白いっす。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第13話 「メメントモリ攻略」 感想

2008-12-29 00:50:56 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
前半戦の最大の見せ場となった第13話「メメントモリ攻略」。
何に驚いたかと言えば、ケルディムのビット展開だったかも。

ネーナの面従腹背ぶりもなかなかに、メメントモリという人類統一?への加速器を失って、イノベイターたちは次の一手をどう打ってくるのか、後半戦に期待のかかるところ。
ダブルオーの2ndシーズンでは特に人間関係が複雑に絡み合うところが面白いので、ルイス・沙慈を中心にどう流れ流れていくのか、楽しみにしています。

オービタルリングの上をレールガンのように加速していくトレミー、その動力としてアリオス、防御にケルディム、囮&ガデッサ対策としてダブルオーライザー、そしてセラヴィが突破口を開き、最後は針の穴を通すようなロックオンのラストシューティング。
まさにソレスタルビーイングの総力戦という感じでした。

またメカ的にというだけじゃなく、ソレスタルビーイングの全クルーがライルロックオンに全てを託す、という人間系の感情の流れ込みも熱く、これが1stシーズン第5話でニールロックオンが全員の期待を受けて成層圏(ストラトス)まで狙い撃ったように、その名に違わぬ狙撃を成功させる、というのがシンクロ演出的に熱かったですね。

何より、イノベイターたちに一矢報いるというのが良いですね。
これまでやられっぱなしでしたからねー。
彼らの悔しがる表情はなかなか良いです(笑)。

設定上残念なのはトレミーの動力源としてガンダムを利用しちゃうとその機体は外に出れないところ。
今回アリオスの活躍が見れないのはちょっと残念。
GNアーチャーもまだ活躍していないので、アリオスの見せ場はまだ後に取ってあるということかな。

また、カタロンについては装備の差が激しすぎて相手になっていないゆえに、共同戦線という形にはならなかったというところを考えると、こういった形での共同戦線のような見せ場はまだ後に来るんだろうな、という感じ。
おそらくマリナさんが宇宙に人類を引っ張る、というような展開があって初めて大規模な共同戦線が張られたりするんだろうか。
おそらく、カタロンだけでなく反アロウズが結集してくるような大規模共同戦線がソレスタルビーイングを中心に張られる、という展開があるとするならば、それが後半戦のクライマックスになるのかも。
#荒熊さんに会いに来たハーケンさん?も気になるところだし、1stシーズンからのライバルたちの動向も気になるよね。
#明らかに反アロウズだもんね・・・。


2ndシーズンの展開としては、前半戦ではソレスタルビーイングがまず自分たちが自分たちの意思で戦う、という意思表示をしていく点と、ツインドライヴが魅せた新たな可能性の提示、イノベイター含めて、登場人物たちの思惑の交差、という点にスポットが当たったと思うんですよね。

それらを踏まえて、刹那曰く「何も変わっていない」。

いろんなことがどんどん明らかになっていって、新たな可能性の提示もされている。
けれども「何も変わっていない」。

1stシーズン自体がそもそも壮大な伏線であったけれども、2ndシーズンでは伏線を大胆に回収しながらも、なおも伏線を張りまくっていくという展開。

後半戦はそれを踏まえて、「じゃあ、どうすれば変わっていくのか」という点に視聴者としては否が応でも注意が行くというもの。
イノベイターにしても、王留美にしても、そして刹那にしても、全く違う観点ながら世界の変革を願っているのだから。
#ただ決定的に違うのは、イノベイターは自分たちの存在意義のために動いている(特にリボンズ)という点。
#世界の変革というよりも、自分たちの存在意義を主張するかのような点がある、というのがポイント。

答えは自分で考えてね、ということも含めて有りだと思うけれども、やはりここまで沈みに沈められているマリナさんが後半戦の鍵になってくるんだろうなぁ。
「残したいもの」という今日のつぶやき。
失意につぶされそうな彼女が前面に出てくるとき、というのが後半戦のクライマックスのひとつなのかもしれないですね。
ファーストガンダムでも描かれなかった、スペースノイドによる宇宙移民が描かれるのか?というのも僕の個人的な興味のひとつです。

もちろんその裏のクライマックスとしては沙慈とルイスだと僕は思っていますが。

「愛が憎しみに変わっていく」という歌詞には続きがあって、OPでは一番大事な一節がカットされているけれども、弱さを知って強くなれ、恐れず信じることで「憎しみに変わる前の」本当の愛を知るだろう、というように沙慈の信じる心がルイスに届いて、憎しみに変わる前の二人を取り戻す、というところが僕はこのダブルオーの真のクライマックスだと思います。
#取り戻せるかどうかは分からないけれども・・・。
#でもそこに至るまでのプロセスは真クライマックスだと思うな。

ということで、ダブルオー2ndシーズンも折り返し。
次週は総集編っぽいので一休みしつつ、ガンプラを作りながら第14話を待ちたいと思います。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第12話 「宇宙で待ってる」 感想

2008-12-23 01:57:48 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
「宇宙で待ってる」の約束、それが果たされたのは立場も環境も、何もかもがあの頃と違ってしまっていた、そんな切ない第12話「宇宙で待ってる」。

ガンダムダブルオーの2ndシーズン、これは本当に面白いですね。
ここ最近のガンダムの中でも骨太のしっかりとしたつくりになっていて、それでいて複雑で、形や見せ方は全く違うのに、ファーストガンダムのときのようなソリッドな感じがするんですよね。

それにしても、ツインドライヴが真の力を発動して、これまで辛酸をなめてきた相手、ガデッサ、ガラッゾを一蹴、ツインドライヴの輪が広がって、更にこれでもかと出力を上げていくところは燃えましたね。
うおー、まだ出力上がるのかよ!!くらいの勢いで。
さらに、F91を彷彿とさせる残像なんかも熱いなーって感じで。

ツインドライブによって二乗化されるパワーだけじゃなく、GN粒子による人の意思の疎通を促したツインドライヴのもうひとつの未来への可能性、それが示される一方で、皮肉にもその意思疎通が可能になったことによって、本来ならば出会わなかったはずの二人、沙慈とルイスがこういう形で再会の約束を果たしてしまう。

なんという皮肉。・゜・(ノД`)・゜・。

さらに、偶然が重なって、沙慈と刹那が一緒にいたという事実をつなげ合わせて導かれた想像、それは沙慈への憎しみへと変わってしまった・・・。

なんという切なさ。・゜・(ノД`)・゜・。

やっぱりこの物語は裏の主人公とヒロインとして、沙慈とルイスの物語なんだなー、きっと。

大きな物語が展開していく中で、この二人の小さな物語が同時並行で進んでいく。

でもきっとこの物語の帰結はベクトルとしては重なってくるに違いない。
だからこそ、なのかもしれない。

大きな物語の中で、僕ら視聴者が誰にフォーカスを当ててこの物語を見守っていくのか。
それはやっぱり沙慈とルイスの物語なんだよね。

もう僕は個人的に、この物語のクライマックスは沙慈がルイスを迎えに行く、というところになるに違いないと信じてしまっているわけだけれども、想い出を削除してしまうほど憎しみに変わっていってしまったルイスの心を、沙慈が願い続けることによって溶かしていくことができるのか、ハードルはより高くなってしまったけれども、だからこそ、沙慈くんには頑張って欲しくなるわけですよ。

あー、ダブルオー、面白いなぁ。


あともうひとつ面白いのは、登場人物たちの思惑がそれぞれ交錯してくるところだと思うんですよね。

同じ方向を向いているようで実はそれぞれ違っている、というのがやはりポイント。

今回は特に王留美とリボンズ。

もともと互いに違う方向を向いていたけれども、面従腹背状態だったわけじゃないですか、実際。
それがイノベイターが人間に負ける、という事実から動揺を隠せないリボンズの本性が出ちゃう。

打たれて這いつくばる王留美と、それを見下ろすリボンズ。
現時点ではリボンズの方が立場的に上ということなのか。
#ダブルオーでは必ずしも上に立つ構図の人が正しいとは限らないのだけれども、今回はリボンズの本性が仮面を脱ぎ捨てて、王留美の仮面を打った、という感じにも取れるんだよね。

そのリボンズも人間くさいところが結構あって、自分が把握していないことが起きると仮面が取れて動揺して本性が見えてしまう。
王留美の前でそういう仮面をはずす、というのは予定にない行動だったと思うけれども、それをやってしまう。
#王留美が何かしているのを知ってる、というのを暴露してしまったようなものだしね。

で、それを見て微笑むリジェネ。

またリヴァイブやブリングも、リボンズがツインドライヴについて知らないということに感づいた様子。
イオリアの計画を遂行する、というのが彼らの目的であるならば、そのイオリアが託したツインドライヴについて知らない、というリボンズに対して今後どう思うのか。
#既にリジェネは怪しいと思い始めている。
#むしろイオリアが託した人間たちがどう動くのか、見てみたいのかも。

また、底が見えないアニューだとか、まだ見ぬもう一人のイノベイターとか。

こういう人間模様?みたいなところも何気に緻密に描いていて、非常に面白い。


全体的にはソレスタルビーイングの進む方向性は本当にこれで正しいのか?という葛藤を見せつつ(これは刹那が担っているパートでもある)、けれども現時点でのアロウズの行いを許せるはずも無い、そんな大きな流れの中にルイスと沙慈というかつて平和の象徴のような二人が戦いの渦中にいる、という流れの中で、次回はメメントモリ攻略戦は互いの総力を結集した戦いになると思うので、これは本当に楽しみですね。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第11話 「ダブルオーの声」 感想

2008-12-14 23:30:33 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
オーライザードッキングにより、ダブルオーの真の力が解放される、そこに描かれた二重の輪、それは二つのオーであるところのダブルオーを意味し、そして第一期から思い続けていたダブルオーこそ「∞(無限大)」を意味する言葉、そんな確信を持ってしまった第11話「ダブルオーの声」。

いやー、ダブルオーのツインドライヴが真価を発揮するという瞬間はしびれました。
かっこいいじゃん!オーライザーも買っちゃうよ!とか思っちゃいましたよ。

しかしながら、ダブルオーのツインドライヴの真の力はそのパワーだけにあらず、というのが実は先週からの伏線になっていたんですね。
こちらがびっくり。
まさか、脳量子波を使うことができない人類に対しても、太陽炉が持つ力、それを発展させたツインドライヴが持つ力は彼らの意識をコミュニケートさせることを可能となんて。

それが今回の裏主人公とヒロインであるところの沙慈とルイスの皮肉なまでの再会につながる、というのが本当に切ないところ。

かっこよさと驚きと、更に切なさと、三つ一緒に来ちゃったよ、みたいな。

水島監督がガンダムはファーストしか見ていないと(制作当初)言っていたのを思い出しましたが、このダブルオーという作品はスタイル、テーマの切り出し方、環境なんかは全く異なるようにみせていて、それでいて実は一番ファーストガンダムに挑戦している作品じゃないのか、くらいに思ってしまいましたよ。

人類の宇宙への進出、ニュータイプの出現、ニュータイプが人類を導く、というのがファーストの思想の一部としてあったけれども、ダブルオーでは人類の外宇宙への進出を促しつつも、この太陽炉の真の力を解放していくことによって、人類のコミュニケーションは新たなフェーズへ入っていくんじゃないか、とさえ思えてきます。

何となく、今回もマリナさんが反政府の烙印を捺された人類を従えて宇宙へあがっちゃうような気もしたし、それはファーストでジオン公国が出来上がっていく過程にも似ている。

ダブルオーという作品は全くそういうの意識しない作品なのかと思っていましたが、(考えすぎかもしれないけれど)人類が外宇宙へ出て行く過程と、ニュータイプを彷彿とさせる、それでいて普通の人類にも新たなコミュニケーション手段を感じさせる展開は、僕はかなりしびれてしまいそう。
#全然そんな展開しないかもしれないけれども。

・・・と、ここまで妄想は弾けてしまうんだけれども、今回はルイスと沙慈の切ない再会演出もあって、ツインドライヴの真価発揮!!というほど爽快な演出をしていないところからみて、まだまだ100%タメを作って解放、というわけじゃない感じですよね。

ここもまだまだダブルオーの面白さのポイントかなー、とか勝手に思っています。

刹那にしても、沙慈にしても、まだまだ確信を持って戦いに突入、というわけではないし、アレルヤ=ハレルヤの復活や、ティエリアにもまだ決着というには早すぎる?し、ロックオンにいたってはいまだ本心見えず。
スメラギさんにしてもカティさんの(紛争根絶は無理という)問いに答えていないし、ラッセは何やら死亡フラグ?が立った感じ。
アニューはやっぱりイノベイターで、スパイだったりするし、アニューの加入と相殺でイアンさんがやばいし。
#というかソレスタルビーイングメンバーってあんなに居たんだ!!

王留美は王留美で何やら更なる高次元にいってしまいそうだし。
#ネーナはネーナで思うところアリだし。

と、依然状況は混沌としたままなんですよね。

これからがやっぱり本番でしょう。

ツインドライヴがどこへ人類を導くのか。

ツインドライヴが描く軌跡「∞=無限大」が全ての意思を飲み込んでいくのか?

脳量子波だけならばおそらく否定的に描かれたであろうニュータイプ像を、「∞の力」によって全人類に対する希望の光(全人類のニュータイプ化)となるのか?僕の勝手な妄想はふくらみます。

そういう中で、ルイスと沙慈、という裏の主人公たちの切なさが痛いくらいに光る。
ここがやっぱり見所だなー。

ダブルオーは本当に面白いです。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第10話 「天の光」 感想

2008-12-08 00:21:04 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
最終兵器発動、みたいなレベルでメサイア・・・、じゃなかった、メメントモリが地上に向けて発射された第10話「天の光」。
あんなのが低軌道衛星上にあったとしたら、恐ろしくて空を見上げることもできません。

あんな大量破壊兵器があったら、もはや国家レベルで連邦政府に立ち向かうことはできない、歯向かったら国家の存亡に関わる、そんなレベルになってきました。
中東政策が加速、どころか、国家レベルでは完全沈黙です。
#逆にこれによって貧困が進むなら、テロリズムへと傾倒していく可能性のほうがより強くなる感じがします。

このメメントモリの建造に助力したのは王留美。
彼女はこの世界の破壊と創造?を期待してのイノベイターへの支援、とはいえ、その実はイノベイターとソレスタルビーイングの両面を使い分けて、その目的たる破壊と創造の加速を促している、という存在に。
ネーナを使って直接情報収集など、彼女の真意、いまだ読みきれず、です。
#そしてそれはリボンズも何となく察してるっぽい、互いの腹の探りあい状態か?

ちなみにイノベイターとは、経済学者にして社会学者だった故ドラッカーの言葉を借りれば、革新的なことを行う一部の個人のことを指すのではなく、絶えず革新へ向かって新化していく組織であったり、それを体系化していくことにある、という点において、リボンズを中心としたイノベイターとは、一部の人間?によって人類をある方向へ向けようとしており、その言葉を作ったドラッカーの真意とは違う動きをしている、とも取れますね。

そういう中で今回も微妙な感じが面白かったのが、そのイノベイターたち個人の温度差。

リボンズを中心に回っているのは間違いないわけだけれども、前回からいろいろと口を挟んでいるリジェネは今回、あからさまにリボンズに皮肉を言っているし、リヴァイブ、ブリング、ヒリングと続々と他のイノベイターも登場して、それぞれがどう考えているか、というのは今後も非常に興味深いところ。

一枚岩なのかどうか、というのは結構気になるところ。

あと、ソレスタル・ビーイングの新メンバー、アニュー・リターナーについても、彼女?も名前からして明らかにイノベイター(リボンズたちの仲間かどうかは分からないけれども)、ティエリアと同じく、人工生命体なんだろうね。
#再生医療のエキスパート、という点でルイスや沙慈くんたちと接点ができるかもしれないね。

それも王留美からの紹介。

もしアニューがリボンズ側ならツインドライヴについて、イオリアから託されたものだ、ということは既に筒抜けになっているはず(だけれどもまだリボンズたちはそうと確信できていなかった)。
ゆえに、まだ現状はアニューがどういうスタンスなのか、王留美と同じくこちらも読みきれない。

王留美、リボンズ、そのカウンターにリジェネ、という感じでしょうか。
#もちろん王留美とリボンズは腹の探りあい、状態なんでしょうが。


ただ、あんな大量虐殺兵器が低軌道衛星上にあるとしたら、反体制の人はほんとに地上に居られなくなるんじゃなかろうか。

今回マリナさんの呟きにもあった、自分の祖国が無くなったことによって、足場を無くしてしまったような喪失感を実感してしまっているわけで、こうなっちゃうと、マリナさんがモーゼのように皆を率いて宇宙に上がっちゃうかもしれないなぁ、というのが今回何となく直感的に思えたところでした。


後は、オーライザー換装状態でのツインドライブ起動。

ツインドライブは2倍ではなく2乗、というのがガンプラのパッケージにも書いてあったけれども、理論値を超える性能を発揮。

結果としてGN粒子を介して脳量子波が使えるタイプのメンバーは、メメントモリの発射に観応しちゃうんだね。

まさかのハレルヤ復活。
自分の腕が落ちていると自覚していたアレルヤ、これはその伏線だったのか。

マリーはアレルヤがいるところなら、もう絶対に離れないと言っていたけれども、ハレルヤの復活、セルゲイ大佐の状況次第ではどうなるか分からないかもしれないですね。

ルイスはルイスで何らかの副作用?で苦しんでいるし、彼女たちを取り巻く状況も目が話せないところです。


カティさんとスメラギさんの接点も明らかに。
尊敬するお姉さま、という位置づけだったのね。

オートマトンの発想自体は、スメラギさんが九条時代に考案したものだったのかもしれないですね。
#それがまだ戦場に出ていない頃の、誰かが死ぬことを想定していなかった頃の作戦立案だったのかもしれない。
#それが自分の恋人?を死なせるという状況で、苦い現実として認識して、以後ずっと彼女を苦しめているんじゃなかろうか(だからあのオートマトンの殺戮の光景でフラッシュバックした、とかね)。

今回のメメントモリも、その言葉の意味である「死を思え」とは全くかけ離れたように、無機質な大量虐殺になっていて(アロウズ的には相手に対して死を思え、と言ったのか、それともこのネーミング自体が皮肉なのか)、オートマトン、メメントモリと無機質化に歯止めが利かなくなってきてるんじゃないですか?という危機感を煽ってる感じです。

やはりこのダブルオーではそういった無機質化する戦争と、ソレスタルビーイングメンバーを中心に描かれる人を殺すことへの葛藤、それにともなう人間性の尊重、と言う点を大きく対比して描いている、というのを感じますね。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第9話 「拭えぬ過去」 感想

2008-12-01 01:15:25 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
大気圏外への脱出、という内容だったんだけれども、そこに内包されていたものは結構面白くて、今後のメンバーのバランスをどう左右してくるのか、というのが実は結構気になった第9話「拭えぬ過去」。

前回の圧倒的情報量の回とかに比べると戦闘は派手だったけど、おとなしく感じる一方、ソレスタルビーイングにとってはもはや(刹那だけでなく)全員の宿敵、というようなアリー・アル・サーシェスの再登場、そしてまた残していく一言は結構個人的には気になったところでした。

1stシーズンの第23話「世界を止めて」の感想のときに、ロックオンが散ってしまったのは、それまで世界を変革することをモチベーションにしてきたのに、仇敵であるアリーを目の前にして、家族の仇を取る、という変革よりも前の、いわば原初のモチベーションが勝ってしまったところにあった、というのが切ないね、ということを書いていたんですが、それが弟の言葉からそのまま出てきた、というのがまた切ないところでした。
#そしてあのとき、第3世代のガンダムの中でデュナメスだけがトランザムを一度も使用せずに大破してしまったんですね。
#私怨に走ったから、なのかというのは今はもう分かりませんが。

それにしてもアリーは1stの第23話では「同じ穴のムジナだろ!!」とか「自業自得だ!」とか、結構言いにくいことをズバズバ言う人ですね(笑)。
#もはや人の領域を超えてしまったみたいですが(笑)。
#というかもうバーサーカーのレベル。

しかしながら、今回はアリーを介してそのロックオンの弟の言葉から「私怨ではなく未来に生きるためだろ」と出たのは、意外にも最もロックオンに影響を受けたティエリアに戸惑いを生んでしまう、というこれまた皮肉な結果をもたらしたわけですね。

今回僕はこの辺の一連の流れが実は一番面白かったかも。

・リボンズ(というかリジェネ)が言う、人類の変革を促すのがイオリアからの使命、それを邪魔するのは存在意義に反するだろう、という言葉。
・そういう中でもロックオンからもいわれた、イオリアから託されたんだろ、ガンダムを、という既に過去になった遺志よりも自分の気持ちを信じろ、という言葉。
・でもその自分の気持ちが揺れている、という事実。

迷えるティエリアっていうのもなかなか良いですね(笑)。

僕の妄想爆発でいけば、リジェネとリボンズは互いに本心を見せ合ってない中で、リジェネはソレスタルビーイングの方が実はイオリアの遺志(トランザム、ツインドライヴを含めて)を受け継いでいるんではないかと思っている節もあるので、そのうちティエリアとリジェネの立ち位置が変わるってのも面白い、とか思ったりしたんですよねー。
そんなシャッフルがあっても面白いかも。

イオリアが死んでしまった事件については、意外と知られていないのかもしれないし、誰が殺したかも含めて、またどこまでイノベーターの内部含めて知ってるんだろうね。
#ソレスタルビーイングのメンバーに至っては、イオリアが冷凍睡眠で存命だったことすら知らないんじゃない?


シャッフルという意味ではソーマ改め、マリーについても今回ちらっとだけ見せる表情が浮かないのが気になりました。

ハレルヤと駆け落ちしたのは良いけれども、結果として戦闘の只中にいて、自分にできることといえばやはり戦うこと、というような複雑な思いを秘めていたりしないんだろうか、とも思ったんですよね。

ティエリアが自分の存在意義について悩むように、マリーもまた同じように悩むんではないだろうか、という気がしてるんだよなぁ。

何となくその辺については沙慈くんとセットで語られる気がするので、次週を待ちたいところ。


沙慈くんといえばルイスなわけですが、ダブルオー2ndシーズンの真のクライマックスは沙慈くんがルイスを迎えに行くところだと僕は勝手に思っているんですが、そういう中でアンドレイさんなんかも結構良い存在感を示してくれるんじゃないかと最近期待中。

根拠は父親と同じく「乙女」発言をした、というだけなんですが。

ソーマはセルゲイさんが色々と守ってきたし、そういう意味でスミルノフ家の男たちに色々と期待してしまうところ。

そのセルゲイさんも次週出てきそうなんで楽しみ。


ガデッサについてはまたスタイリッシュというかスリムというか、これまでに無い感じのMSでしたね。
ダブルオー2ndシーズンになってからの方がお話もMSも非常に出来が良いのでは?と思ってしまうのは不思議なところ(作っているのは同じ人なのに)。
これもやっぱり狙いなのか?
#そしてその術中にはまっているのか?

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第8話 「無垢なる歪み」 感想

2008-11-24 01:40:44 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
いやー、ダブルオーの2ndシーズンって何でこんなに面白いんですかね。
先週までのバトルシーン、過去からの恋愛シーンなどからまたまた打って変わって、今回はティエリアの出自の秘密からダブルオーワールドにおけるテクノロジー、そして何よりイオリアの、うーん、今のところはイノベイターの、としておきましょうか、目的というか、目指すべきステップというところが明かされるという、物凄い情報量の回でした。

その情報量だけじゃなく、ニアミスから徐々にクロスしていく人間関係も緊張感があって、ミステリータッチなつくりが更に面白さを増すというか。

すげー面白いな。


大きなところからいくと、イオリアの計画は3段階あって、

1.ソレスタルビーイングによる世界の変革
2.アロウズによる意識の統一
3.人類を外宇宙に出して来るべき「対話」に備える

ということで、それを実行するためのイノベイターだ、と言っているわけです。

しかしながら、そこで面白いのは、ラストでリジェネがプランは3段階まで構想があるにも関わらず、イオリアが最も執着していたのは第1段階の紛争の根絶だった、というのが非常に面白いと思うわけです。


第1段階の紛争の根絶を目指した(けれども計画では壊滅するはずだった)ソレスタルビーイングか?

それとも、紛争の根絶がなされるかどうかは別として(しかしながら紛争が根絶されていればその先は無かったと思われる)第3段階までのプランを進めるイノベイターか?


ということ。
#リジェネの一言で、どちらが実は正しいのか?というのが分からなくなった、というのがポイント。

人間性を前面に出し始めたソレスタルビーイングなのか、それとも無機質・非人間性を持つアロウズか、という対決の度合いをより色濃くしてきたわけですね。

果たしてイオリアが真に望んだのは何か?

そして現在のプランそのものが本当にイオリアのプランなのか、それともリボンズのプランなのか?
#でも実はそういうことすら本筋じゃないのかもしれない。それはあくまでミステリータッチにおけるスパイスなのか?
#もういまではそれを知るすべが無いのだから。

ここからはすこし脱線するんだけど、個人的に面白いと思っているのは、イオリア原理主義なのか、それともそうじゃない(自分たちで考えていく)のか?という違い。

イオリアの計画を進めるために生み出された人工生命体のイノベイターにとっては、(リボンズが捨てられたと1stシーズンで言っていたので)ひょっとしたらプラン上(人間性が大事だっていうことになったと仮定して)廃棄される運命にあったところを、イオリアの当初プランがそうだったのだから、それを進めるのが自分たちの役割であり、存在意義であり、それが可能なのは自分たちしかいない、というイオリアを本当に信じているのかどうかは別として(むしろ憎んでいる?)、イオリアが描いたプランを実行していくことに意義がある、イオリア原理主義。

対するソレスタルビーイングは、GNドライブ(ガンダム)とトランザム、ツインドライヴをイオリアから託された時点で、イオリアのプラン自体はもう終わっていて、後はそれを託したマイスターが判断して考えるんだ、という自由思想。

僕の中ではこれは、人工生命体(無関係、無機質化する世界)v.s.人間性というせめぎあいをみせつつも、近現代の世を支配しつつある原理主義v.s.自由主義(現在のアメリカにおけるリベラルではなく、本来的な意味でのリベラル)のせめぎあいにも近いんじゃない?とか、勝手に思ったり思わなかったり。

原理主義ゆえに、無垢であり(無垢であろうとする?)そもそも歪んでいる、みたいな。
それがタイトルの「無垢なる歪み」・・・なのか?

なーんて、かなり深読みしすぎた感が自分でもあるんですが(笑)。

脱線しましたが、リボンズたち自身もトランザムとツインドライヴの存在によって、自分たちの存在基盤が何気に揺らいでいて、だからこそティエリアにちょっかいをかけてみたり、ソレスタルビーイングに揺さぶりをかけてみたりと、ヴェーダに無い情報を得ようと、余裕を見せつつも、実は内心気になっているんじゃないか、という感じですよね。

だからすぐに会場で捕らえたりしないで、情報を与えてみたり、成り行きを見守ってみたり、と彼らが内心気になっている部分を、余裕を見せつつも、ちょっかい出してイオリアプランの検証をしていたりしているのかも・・・。

そういう中でティエリアがリボンズに対して、(ロックオンの影響を受けて)がむしゃらにやって生きると宣言したところが余計に面白くなってくるところだと思います。
#こういう感情面を前に出して、自分で考えて判断してく、というのが2ndシーズンではクローズアップされているので、この辺がラストまで引っ張っていく鍵になるんだろうなぁ。


つか、ティエリアはボクっ娘だったのか!!
#て、今頃そこにそんな突っ込み!!


あと、脳量子波って何?みたいなところのなんとなくの回答も出たみたいだったので、なるほどー、みたいな。


話は変わって、ルイス。

最近ではルイスを沙慈くんが迎えにいく、というプロセスがこのダブルオーの裏の(否、真の)クライマックスじゃないかと踏んでいるんですが、彼女はうちのコメント欄でも少し教えてもらったとおり、左手の治療の対価?としてマインドコントロールを受けているかのような感じでしたね・・・。
可哀相過ぎるんですけどー。
#だからこそ元一般人だった彼女と沙慈くんが救われるところに価値がある、と思う!!

ルイスはやっぱりアロウズへの出資者だったんだね。
#トリロバイトの開発資金はやっぱりハレヴィ家だったんだろうなぁ。

そのルイスを軸にニアミスどころか交差してしまう人間関係。

うはー、面白い。

このドラマがダブルオーの面白さを引き立たせているような気がしてきました(特に2ndシーズン)。

意外と僕は「乙女」発言つながりで(ミスターブシドー、じゃなかったグラハムさんでもないよ)、セルゲイさんがソーマを(嫁に出すようにして)助けたように、その息子もルイスを守るんじゃないかと、スミルノフ家の男はそういう男なんじゃないのか、というのも思ってきましたよ。
#セルゲイさんもソーマを最初にみたときに「乙女」発言をしているんだよね。


そんな人間関係にもう一人登場するのがコーラサワーくん。

7度対戦しても死なない男。
たぶん12回くらい殺しても死なない(ヘラクレスか!!)。

彼がいいよね。
人間性を無視した作戦の多いアロウズにおいて、あの馬鹿っぷりは人間性そのものと言いたい。

カティさんも、非人間的な部署に辟易して心労が耐えないところに、このある意味心労の耐えない馬鹿、じゃなくて部下が来たというのは、人間性の補給という意味でカティさんにも救いなんだよね。

無機質化V.S.人間性という構図において、コーラサワーみたいなキャラが計算外(できない)のキャラとして、アロウズが割れていく、という展開があったとしても不思議じゃないなぁ。

あと、今回登場したアヘッドを凌ぐ?新型はカラー的にAEUデザインっぽい?
ということはアヘッドは人革連系デザイン(だと思うんだけど)、新型はAEU系とすると、ビリー・カタギリデザインでユニオンモデルが登場、という感じなんだろうか。

ダブルオーの特に2ndシーズンはガンダム以外のメカも結構目が話せないので、これはこれで楽しみだなぁ。

いやー、でもダブルオーの2ndシーズンは本当に良くできていると思います。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第7話 「再会と別離と」 感想

2008-11-17 00:55:17 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
「再会と別離と」というタイトルからある程度の予測はしていたものの、アレルヤとの再会、そしてセルゲイさんとの別離。
まるでお嬢さんを僕にくださいと結婚の許しを請いに来た青年を前に、苦渋の決断の末、娘の幸せを祈って送り出す(父親は黙って背中で語る(泣く))、そんなシーンでした・・・。

セルゲイさんの娘にならないか?と最初尋ねたときに、ピーリスという名前でいたことを忘れたくない、と語った娘は、皮肉にもピーリスという名前ではなく、マリー・パーファシーという名前になり、自分の手元から巣立っていった。
アレルヤ、ハレルヤ、ソーマ、マリーと名前に関するアイデンティティー的な部分はあるんだけれども、やはりここは、ピーリス(自分の娘)から、娘をパーファシー(嫁)として送り出す父親の心境、と言った感じもするんですよね・・・。
#娘を持つ父親としては。

セルゲイさんの男としてのかっこよさに切ないながらも涙腺が刺激され、セルゲイさんの父親として娘を送り出す切なさにシンパシーを感じて涙腺を刺激され・・・、とどんだけセルゲイさんかっこいんだよ、という話です。

ただ、このタイミングでのソーマ→マリー化というのは、今後いったいどういう展開になっていくのか?ハッピーエンドで残り話数が続くわけもない、という非常に先が楽しみでありつつも、どうなるんだと心配する気持ちもいっぱい。
ソーマが繰り返し言っていたように、そして今回もアレルヤが言っていたように、超兵が戦いを回避して生きていくことができるのか?セルゲイさんはこのままソーマ(として)をつれて帰っても、彼女は結局アロウズに戻されることになり、超兵として非人間的な戦いに巻き込まれていく、ということが予測できたから、彼女の幸せを思って嫁がせた、けれども、アレルヤがソレスタルビーイングにいる限り、彼女自身もまた戦場に身を置くことになる。

ここがセルゲイさんにお嬢さんを僕にください、と言ったところのポイントにもなってくるし、今後の見所のひとつにもなるんだろうなぁ。
#父親観点からは娘には幸せになって欲しいに決まっているのだけれども・・・。

いずれにせよ、1stシーズンでアレルヤ、ソーマの間にあるであろうと視聴者的に色々と予想されたことを、改めて半年後の2ndシーズンで丁寧に紐解くという、非常ににくいというか、上手いというか、面白いじゃないか!!という感じですよ。

アレルヤにとってマリーが妄信的に大事だ、というのが1stシーズンの振りで、2ndシーズンでアレルヤの名前の由来とともに、いかにマリーが大事であったが描かれたばかりでした。

対するマリーはどうなのか?というと、これもまたマリーにとっても、アレルヤと出会えたことはアレルヤに「感謝」という名前を与えただけでなく、それは自分自身でもアレルヤという存在に出会えたことに対する「感謝」であった。

つまり、お互いに出会うことで、初めて世界を認識できた、生きる意味を知ることができた、というかけがえの無い存在だった(一方通行でもなかった)、ということ。

そして互いの二面性を知っていて、そしてそれゆえに互いを許すことができる、相互肯定存在、ということ。
ここの描写は結構僕的には凄いなと思っていて、ミクロ的には二人の相互肯定の話なんだけれども、マクロ的には(今回の主役・準主役級の人が順に体験・回想しているように)相手を殺すことへの逡巡であったり後悔であったり罪の背負い方だったりということを必ず入れてきていて、マリーとアレルヤにしても互いにそうなんだよ、という描き方をしているところなんだよなぁ。
#これがオートマトンとか無機質化していく虐殺との対比をより鮮明にしていくんだよね。

アレルヤ、マリーともモラルハザード、バイオハザードの行き着く先に生まれた悲しい存在なのに、互いに肯定できる相手がいる、というだけで、生きる理由になっていく、というなかなかに美しい話じゃないですか。うんうん。


なんてことを考えながら見ていたら、ラストの引きでティエリアの前に現れたリジェネ・レジェッタ。
おいおい、このタイミングでそこを持ってくるのか!?と絶妙の引き。

1stシーズンでのタメをアレルヤ・マリー(ソーマ)で丁寧に紐解いたかと思えば、今度はティエリアの過去にぐっさりと踏み込んできそうな気配が充満しすぎてます。

アレルヤ(ハレルヤ)・マリー(ソーマ)が単一の体で二重人格の話をやったかと思えば、こちらは同じDNAを持った別の個人、という対比構造。

どんだけ対比構造をとるんだ、という話ですよ。
#つか、対比構造が上手い作品は必ず面白い、というのが僕のあてにならない持論なんですが。

いやいや、これも次週が本当に楽しみですね。

1stシーズンのタメをこれ以上無いくらい上手く使ってきてますね。
参るなこれは。
#そして今回は絵コンテに水島監督、演出も角田さんという第1話コンビ。気合入ってるなー。


もうひとつの対比である沙慈くんとルイス。

敵同士になってのファーストコンタクトはこういう結果になったけれども、イアンさんが言ったように沙慈くんは撃たなくて良かったな、と。
彼にはやっぱりルイスを連れ戻す、否、迎えにいく、という大役があるのだから、そういうポジションで良いと思うんですよね。

今回はそうだったけれども、今後についてはどうだろうか。

マリー(ソーマ)がソレスタルビーイングの艦(トレミー)に来る、ということはその直前に会話をしていたルイスの話なんかも間接的にかどうかは分からないけれども、沙慈くんにルイスがアロウズにいる、ということが伝わるんじゃないかとも思うんだけどね・・・。

これまた切ない予感・・・。

けれども、ルイスを迎えに行く、というのがこの物語の最高のクライマックスとして描かれても僕としては良いんじゃないかと思っていて、むしろそう願っているくらいなんだよね。
だから沙慈くんにはその大役へ向けて頑張って欲しいところなのです。
#彼もまたオートマトンの虐殺に二度も遭遇してしまい、自らも引き金を引かなくちゃいけなくなってしまった、そういう死の葛藤の中でもがいている、という作中マクロのテーマまでもきちんと背負っている主役なんだと改めて認識するところなんですよ。
#うちの6歳の娘もルイスのことをずっと気にしているので、やはり沙慈くんには頑張って欲しいね。

いやー、まじで2ndシーズン面白いです。
勢いでHGのダブルオー買っちゃったし。
MGまで待てなかった・・・。たぶんMG出たらまた買っちゃう気がするなぁ。

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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第6話 「傷痕」 感想

2008-11-11 01:20:50 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
沙慈君は視聴者目線での代表格なんだけれども、非常に切ない、これは切ないよ、という感じの第6話。

人を殺してしまったらソレスタルビーイングと同じになってしまう、そう言って刹那たちと距離を置いたつもりの沙慈くんだったけれども、自分のしたことで虐殺を引き起こしてしまって、そしてそれがまた飛び火して報復活動になって、と平和な世界を過ごしていた一瞬前までとは全く違う、転げ落ちるように世界が変わっていくことに理解が追いつかない、何かを贖罪のようにしようとする、彼らを助けたいとは言ったものの、引き金を引いてしまえばもう戻れなくなる、そういう葛藤。

そしてその葛藤のスコープの先にいるのはルイス。

何この悲劇?

ちょっと切な過ぎないか?

1stシーズンではルイスと沙慈くんという愛すべきバカップルは平和の象徴であり、日常生活、つまり視聴者目線の代表だったんですよね。

ガンダムっていう作品は戦争を描くわけだから、その中に視聴者がどうやって入り込んでいくか、というとやはり感情移入とか、目線を合わせて、という形になるんだろうけれども、ほんの少し前まで日常にいた視線から一気に戦場へと、ぐいぐい放り込まれちゃった。

ダブルオーは2ndシーズンになってから感情面が前面に出ていて非常に面白いと思っているんだけれども、改めて1stシーズンのあの狙い済ましたまでの静けさが計算されたものだったというのを改めて思い知った、という感じがここ数話でひしひしと感じますね。

まさかルイスと沙慈が、照準越しに互いを狙いあう、なんていうシーンが来るとは・・・。

沙慈君が引き金を引いたかどうかは次週へ持ち越しだけれども、沙慈くんの自責の念と引き金を引くことへの葛藤、それだけでも十分辛いのに、そこにその照準の先に愛すべきルイスがいるだなんて・・・。

いやー、切ないわー。

この辺はルイスも初陣で敵MSを撃ったときにしばらく震えていたんだけれども、本来引き金を引くことの葛藤が人間性と言う意味ではあるはずなんだけれども、アロウズの虐殺には無機質な殺戮への警鐘なんかもあって、対比されてるんだろうなぁ、きっと。

この辺はある意味、ダブルオーって凄く丁寧にやってるんだよね。
特に2ndシーズンはそこが本題、と言わんばかりに。
#圧倒的武力で敵を殲滅、というのはその通りなんだろうけど、湾岸戦争なんかを攻撃される目線で描くとこういう感じになるのかも・・・。

あと、ティエリアが沙慈くんに言っていたのは、改めて言うことでもないけれども、沙慈くんがしゃべったことを言っているのではなく、(戦場)現状を前にして、自分は関係のない、ただ巻き込まれただけ、世界がどうなっていようとも、自分とは関係が無い、という無意識の悪意(世界がこういう状況になっていることに対して無関心であることも悪意の一種である)が、こういう結果を引き起こしたんだ、ということだよね。

これはマクロ的には視聴者目線の沙慈くんを通じて、視聴者サイドへの問いかけにもなっている、というわけですね(多分)。


もう一人切ない人、といえばソーマ・ピーリス。

ピーリスという名で呼ばれていたことを忘れたくない、というのもなかなかに切ない話。

これは名前と記憶の伏線になっているんだろうけれども、セルゲイさんによって人間性を回復?してきたソーマが、虐殺を目の当たりにして思うのは、自分は戦うために生み出された存在であり、人間らしい幸せを求めてはいけない、という非常に切ない決意でした。

人間性を微塵も感じさせないオートマトンによる虐殺を目の当たりにして、自分の存在としての人間性を否定しなくてはならないという皮肉。・゜・(ノД`)・゜・。

ここについては、ソーマ・ピーリスとマリーという二面性のどちらが前に出てくるのか、何が幸せなのか、何が本当なのか、と視聴者としても非常に迷うところ。
ただひとつ、人間性を失ってはいけないんじゃないか?というのだけが分かるところ。


そしてスメラギさん。

彼女のトラウマは自分の愛する人を自分の立てた戦術で失ってしまったこと。
これもまた切ないなー。

しかも驚くべきことに、カティさんも同じ立場で互いに戦術をぶつけ合う結果になってしまったこと。

果たして誤った情報は故意だったんじゃないのか、とかいろんな妄想がよぎるところだけれども、結果的にスメラギさんはソレスタルビーイングに入ることになった、というわけなんですね。

1stシーズンってどんだけ過去とか感情とかを抑えてきたのかってことですよ。

ある意味、2ndシーズンになって、というかオートマトンを投入してから鮮明になったと思うんだけれども、無機質化する殺戮と、感情の対立・葛藤(スメラギさんや、カティさんも過去の失敗でそれを痛感している、というか、いまだ引きずっている)=人間性の勝負!!じゃないけど、最後はそういうところに行き着くんじゃないかと予感してきました。

もちろんそれは、イノベーターという人工生命体集団と人間性を帯びた集団(刹那たちはもちろんそこにはティエリアやソーマ、アレルヤなんかも含まれるはず)の人間性を巡る対決、という感じになるとダブルオーの熱さが増す感じがしてきました。

いやー、参ります。


あとは王留美。

彼女に関しては全く読めない・・・。
紅龍がお兄様、とかそういうのも含めて。

彼女はどこへ行こうとしているんだろうか・・・。


と言う感じで、ダブルオーが非常に面白いので、マスターグレードが出るまで待っていようと思ったんだけれども、ダブルオーのHGを購入してしまいました(笑)。
現在子供と一緒に作成中。
#おねえちゃんはお利口に手伝ってくれるけど、下の子燕。はいたずらしまくりではかどらない・・・(笑)。

ガンプラって、間接とかほんと進化していくのね。
すげー曲がるんですけど。

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