5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

芸術文化選奨演奏会

2009-02-15 23:18:17 | 音楽
恒例の芸術鑑賞会、今回は、アーツチャレンジ2009~新進アーティストの発見inあいち~連携事業 愛知県芸術文化選奨受賞者演奏会とやたらに長く、よく判らないクラシック演奏会である。愛知県の主催事業ということで県庁のOさんからたってのお誘いがあったもの。

約束の2時半に県芸のコンサートホールにいってみると、なんと長蛇の列が出来ているではないか。1階から3階まで1000人はいるだろうか。クラシックの演奏会にはあまりない現象だと思ったが、主催者が参加者のもつ入場整理券を指定席券に交換する費用と手間を嫌ったためのことだと内緒話を教えてもらった。入場無料ということもあってか、参加者たちは文句も云わずに大人しく待っている。

開場案内があって列が動き出し、左程の時間もかけずに全員入場した。1800席の八割ほどが埋まっただろうか。日曜日のマチネということで中年女性の参加が多いのも特徴的だ。

芸術文化選奨受賞者としてピアニスト、ソプラノ歌手、作曲家の女性3人が登場した。

最初はピアニストの広瀬悦子によるショパンの前奏曲全曲演奏。最近の日本人ピアニストは演奏技術面では誰も巧みだ。ダイナミックな演奏は彼女も例外ではないが、その分、いい意味でも悪い意味でもクセがなく、あっさりとした演奏だった。コルトーが書いたという24の副題がプログラムに載っていたが、これを読みながら曲想を拡げるということだろう。

次のソプラノは下垣真希。ピアノにヴァイオリンを加えた伴奏で音幅を増やす狙いのようだ。リートあり、オペラアリアあり、童謡あり、歌謡曲ありとヴァラエティを並べて聞かせた。良くも悪くも一昔前の日本人歌手の域を超えないと思った。彼女は金城大の先生だという。

最後は女流作曲家の水野みか子。演奏された2曲のうち、初演のヴァイオリン独奏とシッセサイザーのための音楽「Kaki」がなかなかの効果を出していて楽しめた。ソロをとった島田真千子のヴァイオリンが上手かったからだ。仮置きのスピーカーを見て、これからのコンサートホールには、マルチチャンネルの再生装置を、最初から作り込むくらいのことをすべきだろうと思った。

日ごろ、余りお目にかからない若手(中年もいる)演奏家や作曲家を紹介するこうした機会はもっと増えてもいいだろう。近頃の経済状況では文化予算も潤沢ではいから、何を採って何を捨てるかの経済的文化眼が担当者になくては始まらないだろうが。

それにしても、こうしたクラシックの女性演奏家が着るステージドレスの野暮ったいのはどうだ。

ソロの広瀬も、水野の新作を演奏した木管五重奏の女性たちも、ウエディングのようなフレアドレス、しかも原色に近いど派手なものを着けて登場したが、背が低いから皆「色付きの達磨」に見える。

ソプラノの下垣は、打ち掛けを作りなおしたというゴワゴワのタイトドレスで客の注目を得ようとしたのはいいが、客席から見ると相撲の土俵入りみたいだった。演奏の腕は上がって、海外経験が増えても、舞台衣装のセンスは50年前と変わっていないようだ。





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