5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

漱石没後100年

2016-12-09 22:28:06 | 歴史
今日12月9日は明治の文豪、夏目漱石が大正5年に亡くなって100回目の忌日ということで、いろいろと漱石に関係する放送番組やイベントなどがニュースとして取り上げられていた。

NHKの昼番組では政治学者の姜尚中が「悩む力」を教わったのは漱石だと云いながら「漱石がみつめた近代」という番組のPRをしていた。この文豪には「日本の近代化の行く末が見抜けていた」というのである。面白そうだから今夜の番組を見てみることにした。

語学放送を聞いているNHKの第二放送では小説「坊っちゃん」の朗読を文学座の大原康弘が続けているし、「漱石、近代科学と出逢う」というカルチャーラジオの番組もある。どちらも没後100年記念という意味があってのことだろう。

若い漱石が高校教師として赴任した松山のNHK支局は「坊っちゃん列車ミュージアム開館」というローカルニュースを流した。

伊予鉄道が本社1階にオープンしたこのミュージアムは「マッチ箱のような」と書かれて小説に登場する機関車のレプリカが展示の目玉らしい。黒と緑の塗装もあたらしくTV画面で見るだけでも楽しくなる。

展示は鉄道に関する資料が60点余。当時の乗車券は裏に路線図が印刷されているのが特徴的だ。年代によってカタチも大きさも変化していく線路の断面表示もみていて飽きない。

一方、東京の二松学舎大(漱石が通った漢学塾がルーツ)で漱石のアンドロイドがお披露目をされたというニュースも読めた。

二松学舎と関西大学の共同で開発されたこの漱石ロボット、残された顔写真やデスマスクなどの資料をもとに体格や頭部を再現、漱石の孫、夏目房之介の声から音声合成を試みたもの。

記者会見では千円札でおなじみの背広姿で登場し「夢十夜」の一部を朗読してみせたという。今後はAIを使った対話機能を充実されて、新たな漱石像を作り出す研究にも一役買うのだそうだ。

TVのドキュメンタリー、汽車のミュージアム、そして自らを真似るロボット。いずれも100年後の今だからこそ可能となった「近代化の行く末」ということになる。

いわば「バックトゥザフューチャー」だが、漱石先生が生きかえってきたらいったいなんと言うのだろうかと、ちょっと気になった。



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