ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

2015年9月に触れた言葉

2015-09-30 23:11:59 | 生き方
ホーキングの虚数時間を認めるにしても、ビッグバーン以前には、こんな優しい時間の流れはなかったはずだよ。
   ――― キューティー・オイラー ―――

大きな壁にぶつかったら、壁の前でちゃんとウロウロしなさい。壁の下のトンネルが見つかるかもしれない。ヘリコプターが見つけてくれるかもしれない。きっと抜け道があるはず。希望は、無駄とか損とかという計算の向こう見つかったりするものだ。
   ――― 玄田有史 ―――

「あの戦争」の時代を思わせる危険な空気が今、日本にはあると僕は感じている。右傾化は絶対許せない。あの狂気の時代を知っている最後の世代として何度でも僕は言おう。うるさがられようが、何と言われようが、戦争をしては絶対にいけない。後世の政治家の解釈ひとつで「戦争ができてしまう法制」は、絶対に許してはならないと思う。
   ――― 田原総一郎 ―――

かぞえてはいけない3つのもの。
自分の年、恋人の数、飲んだワインのグラスの数。
   ――― イタリアのことわざ ―――





蜂と祈り

2015-09-21 17:14:29 | 読書
2011.3.11を挟んでの、原発に関する2冊のエンターテイメント小説。
東野圭吾「天空の蜂」(1995.11 講談社)
森村誠一「祈りの証明」(2014.2 角川書店)

「一度、蜂に刺されてみるといいのだ」;東野は警告を発した。
そして、2011.3.11東日本大震災。
「何もかも予測されていた結果だ」;森村は原発事故を痛烈に糾弾した。



この夏、原発再稼働が始まった。
「本当に再稼働したくばフクイチから始めよ」というつぶやきにうなづく。
爾来、原発労働者は所詮使い捨てという分野に整理されてきた。
安保法案成立をへて、ついに自衛隊員もその範疇に入ってきた。

エリーズィウム(2)

2015-09-20 21:28:49 | 10000人の第9
ラ・マンチャの帰り、第九の2回目のレッスンに行く。
途中、夕闇迫る大阪城公園でYATAIフェスに立ち寄る。煮ブタでモルツビールをちょっと一杯。若干アルコール臭のする身でレッスン会場に。いつになく高揚した雰囲気で2時間があっという間。

第九も9条も人類から捨てられぬ有難いもの。大事にしなきゃあ。
(因みにエリーズィウムとは楽園の意です)

ラ・マンチャの男

2015-09-20 10:48:05 | 美術・芸術・博物館
幸四郎の<ラ・マンチャの男>を観に行く。
「ぜひ一度は見たい」と思っていた作品だったが、劇場をあとにした感想は「ぜひもう一度見たい」。
73歳のドン・キホーテは、老練で巧妙な味わいが深まった演技を見せてくれた。

――― 事実とは真実の敵なり!
――― 一体狂気とは何だ? 現実のみを追って夢をもたぬのも狂気かもしれない。夢に溺れて現実を見ないのも狂気かもしれない。しかし最も憎むべき狂気は、ありのままの人生に折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わぬことだ!

舞台からキホーテが叫ぶ言葉が、おもわず我が身に突き刺さり、かなりのイタミが残ってしまった。


戦場のメリークリスマス

2015-09-18 22:51:24 | 映画曼荼羅
沸点が低く怒ってばかりの大島渚だったが、彼が作り出す映像には、平和ボケした日本人が避けて通りたがる問題を多く含んでいた。

爾来、マスコミへの露出度が増えるたび彼の独善的屁理屈に裏付けられた論理展開に、ヘキエキすることが多かった。その彼の代表作「戦場のメリークリスマス」を、世間で話題になってから30年をへて、ようようにしてDVDで見る。素人臭さが強い主演役者の演技や、しつこくてややこしくて相当無理のある虫眼鏡的なストーリィ展開、加えて多くの問題を取りこみすぎた脚本などなど、相変わらず彼流の疲れる作品だった。けれど、デビッドボウイに負けじと演技する坂本龍一やたけしの不器用さが逆に味を深め、坂本の天才的な音楽が見事に作品をいかすことに成功させた。

まあ、しかし世間で言われるほど感動はなかった。大島流のしつこさがハナについたと言ったら言い過ぎか。音楽は本当にいいのだけれど。  評価7点

   ***

2015.9.19未明 安保法案成立?・・・黒縁の眼鏡をかけた彼ならば、知性と理性と品格をもって深夜の番組に顔をだすも、すぐに「多数決主義と民主主義は違うんだ!」と口角泡を飛ばし、大喝一声・慷慨憤激、怒髪天を衝く勢いで、「何をするんだ、バッキャロー!」と怒鳴ってるんだろうな。好漢なり。

モロヘイヤ

2015-09-17 22:02:04 | 農業・菜園
どっさり植えたモロヘイヤに黄色い花が咲きだしたので、毒実がならぬうちにと、葉っぱちぎりから引抜きの作業にかかる。安保法案審議をradikoで聴きながら。失礼ながら、委員長不信任に対する各党代表者の演説は、すこぶる面白かった。

ところでなんでモロヘイヤの実に毒があるのか、タネを運んでくれるトリサンに失礼ではないか。アフリカで矢毒として使われていたタネのストロフェチジンは、何のために存在しているのだろう。けれど、梅・桃のタネには青酸があるし、人間ベースで考えるから不思議なだけで、自然界ではそんなにおかしなことではないのかもしれない。

国会前のご同輩、ご苦労様です。シルバーウイークまであと一日とはいえ、ムリは禁物ですぞ。先は長く遠く、まだまだその一叫びが必要な場面が続きますから、どうぞご自愛のほどを。

海も暮れきる

2015-09-07 22:50:22 | 読書
胸が苦しいという母親の入院を兄貴任せにしておいて、一人大阪で吉村昭「海も暮れきる」を読んでいる。尾崎放哉(ほうさい)のラスト8か月の死闘を描いたもの。サスペンスでもなく感動巨編でもない、ただ人を愛し、酒に溺れ、病に倒れた一人の男の死を執拗に描く。
東大卒業時に放哉は従妹の芳衛に求婚する。両家もほぼ承諾の方向にあったが、従兄の東大医学生から近親結婚だとして猛烈に反対され、破談になる。そのころから彼はどこか投げやりになり、酒癖は重症化し、俳号も芳哉から放哉に変えている。大企業に就職するも酒席での悪態が原因で多くのトラブルをおこし、転職を繰り替えし、39歳で世捨て人、漂流の俳人になる。寺男として托鉢し、肉体労働をしてようよう一食にありつける生活に落ち込む。
貧困生活が結核を悪化させ、死の恐怖から逃れるために酒を飲んだ。体調の悪化を和らげるために酒をあおった。その酒のためにますます病は深刻なものになった。しかし不思議と体調が悪化するにつれ作句は研ぎ澄まされ自然体の境地に達していく。最後は骨だけになる程やせ衰え、小豆島の庵で命を絶つ。42歳だった。吉村昭は自らの結核闘病の恐怖をもとに、放哉の末期を冷徹な目で描いた。

山頭火とともに自由律俳句の頂点に立つ放哉の句から。

 【漬物桶に塩ふれと母は生んだか】
 【肉がやせて来る太い骨である】
 【春の山うしろから煙が出だした】(辞世)

   ***

起立性低血圧のような眩暈が続き、ちょっと困っている。ジムには行くのだけど運動できず、湯につかって帰るだけ。3日ほど断酒してみたけど改善せず。頼るのはやっぱり酒かと、放哉の如くに軽く一杯やってみる。
季節の変わり目、皆の衆ご自愛を。

エリーズィウム(1)

2015-09-06 10:16:57 | 10000人の第9
9月5日(土)
朝トーストに目玉焼き、その後、市民大学にて尾崎放哉の講義受講。酒の匂いのする気になるタイプの奴也。百日紅の彩があざやかな午後、畠にてトマト4本を撤収。この夏を潤わせてくれただけに、流石に根っ子はでっかい。野菜というより木にちかい。

   ***

夕方から森ノ宮にて第九、1回目のレッスン。
ソプラノ、アルト、テノール、バスで計150人くらいのクラス。先生は40代の長髪青年。「この指揮棒、佐渡さんのとおんなじなんですが、いくらと思います?」とか「息が続かないほどのフェルマータをうまく歌うコツは?と大先生に質問したら・・・」といった話で、殆どが自分より年上生徒をまとめていく。因みに答えは、指揮棒が1本980円で、大先生のアンサーはただひとこと「ガンバレ」だったとか。

発声練習から一通り指導を受けた後、通しで第九を合唱。経験者ゆえ楽譜なしでも問題ないかというと、そんなレベルには全く至っていない。下目で老眼鏡越しにオタマジャクシを、上目で小気味よい指揮棒を追っていく。歌詞、音程、リズム、強弱など相当いい加減なれど、気分だけはレッスン前に比べて圧倒的に爽快になる。

小生にとって3回目の「一万人の第九」の季節が始まった。

STAND BY ME ドラえもん

2015-09-04 09:38:16 | 映画曼荼羅
「あの青年は決して目立った取り柄があるわけじゃない。だけど、人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる。それが人間にとって一番大事なことなんだね。そんな彼を選んだ君を誇りに思っている。」娘を嫁に出す父親が結婚式前夜に語る名場面。しずかちゃんのパパの言葉。

ドラえもんは1969~1996年刊だけど、オラが全45巻揃えて読んだのは30~40代か。中でもこのシーンが一番記憶に残っている。作者がいかに未来技術への夢を抱き、いかに人間愛に優れた人物であるという証左か。

   ***

昨年話題になっていた「STAND BY ME ドラえもん」を奇しくもドラえもんの誕生日マイナス97年の日に録画で見る。3Dの違和感は3分で消え、画面の美しさ・スピード・躍動感が印象的。

ストーリィ的には目新しいところはなく、ちょっと荒っぽい作りが気になって、ボク的には点数はあまり高くないが、時代が残す作品である。(6/10 点)