ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

恩師

2020-06-25 19:23:08 | 日記
今日、学生時代の恩師の訃報に接する。70年安保のあのころ、あちこちで闘争の残り火がくすぶる焼け跡に立つどうしようもない新人学生を、小言ひとつ言わず、その屁理屈に叱りもせず、ただただ愛する建築学をとことんの情熱で披露された先生だった。大学生活に何の充足感も覚えなかったボクは、彼の学問に対する情熱だけを当てにして、彼のゼミを選んでいた。それが生涯の飯のタネになるなんて全く考えなかったことだった、つまり、相当いい加減な学生だった。

あれから50年、先生には何にもお返しすることなく過ごしてきた。先生の弟子にはあまたの著名人がいるけれど、ボクはおそらく末席の末席のその末席を汚す最低の教え子。ボクの人生そのものが、結構いい加減な生き方をしてきたので、ボクにとってはフツーの対応だったはずなんだけど、今頃になってジワッ、ジワッと何か後悔のような恥ずかしい泡が湧いてくる。もう20年以上お会いしてないけど、蝶ネクタイの雄姿はすぐに目に浮かぶ。ただただ不埒の弟子の身であることを恥じ入りながら、ご冥福をお祈りするのみ。


坊ちゃん

2020-06-25 14:06:21 | 読書
ちょっとしたことが気になって、本棚の隅で埃まみれになっている全集から、漱石の「坊ちゃん」を読みだした。古い本で、巻末には、中央公論社発行、日本の文学12夏目漱石(1)昭和39年12月5日初版発行 価390円とある。

坊ちゃんは1906年(明治39年)4月に発表されたもの。この前年に、坊ちゃんは大学を卒業し、23歳4か月で、月給40円の松山の中学校に赴任している。つまり坊ちゃんの生誕年は1882年(明治15年)ごろとなる。

だとすると、太平洋戦争の還暦当時は、例えば永井荷風の断腸亭日常のような生活を送っていたか、あるいは傘寿を超えたころの東京五輪は、メイドの土産にとカラーテレビで観戦したか。そう思うと、戦後下町のどこにでもいた頑固そうで不器用な好々爺の姿が見えてきて、不思議と現実感の強い作品になってくるのだ。


本読み

2020-06-22 21:31:26 | 日記

太田愛の「幻夏」を読む。「犯罪者」が薬害問題を扱ったものに対して、「幻夏」は有罪率99.6%の検察制度を題材にしたもの。読み応えのある秀作。

続いて本棚から左京の「復活の日」を取り出した。おそるべし左京34歳の作品である。最後は草刈主演、監督深作欣二の映像が浮かんでくるが、それにしても左京の蘊蓄には脱帽。

続いて今は、なぜか、漱石全集を手にしている。

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こんな風に雑読習慣は残っているが、最近どうも文章が頭に入ってこない。平易な文章なのに、2度読みすることが多くなった。いよいよアルちゅうアルちゃんの症状がひどくなってきたか。


ラクダ(CAMEL)を探せ

2020-06-19 23:05:19 | 日記
友人からラクダ探しのメールが送られてきた。アルツハイマー検査だという。悪戦苦闘の結果、幸いにしてまだアルちゃんではないという結果になったけど、気分は相当怪しい。

一方で、奇才歌川国芳の浮世絵を紹介したTV番組を思い出した。国芳にとってはこれでもまだおとなしい絵。全部で何人の人間が描かれているでしょうか、なんてナレーションが流れてたけど、さ~て何人だったか。あらためて数える気力は、残っていない。


おいらく

2020-06-15 19:37:23 | 日記
6月の赤味がかった満月を、苺の収穫時期にちなんでストロベリームーンという。赤い月は夕日が赤く見えるのと同じ理屈で、地平線付近にいるとき、波長の長い赤い光だけ吸収されずに残ることによる現象らしい。今年は6月6日頃に見られたが、当方晩酌3合寝酒2合で高いびきの曙のころ、そんなことはまったく知らなかった。ところがある友人が、友人の知人の写した画像をLINEで送ってきてくれた。なぜかNikonのファインダー越しの写真なので、状況はイマイチ不明だけど、それにしても確かに見事な満月は赤く染まっている。

ストロベリームーンを見ると恋が叶うということを聞いたので、友人の知人といってもおそらくはアラコキだろう、冗談で「老いらくの恋は叶いましたかな」と返事した。そのとき、すごい勘違いをしていたことに気が付いた。

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それまで老いらくとは、「老落」と書くものだと思い込んでいたのだ。けどスマホの変換文字は「老楽」と表示されている。確かにそうだった。なにか忘れていた記憶が、一瞬どっと戻った気がした。


what's the matter with you?

2020-06-13 20:03:37 | 社会問題
まだアフターコロナとは言えないのに、海のむこうでは激しく人種問題で揺れている。

<BLACK  LIVES  MATTER>というスローガンを最初見たとき、ブラックリブズマッターと読んで、なんかしっくりこなかった。LIVESをライブズと読み「黒人は大事に生きる、ン?」でもなんかしっくりこない。あるとき<BLACK  LIFE  MATTERS> という記事を目にして、ようやく合点がいった。MATTERは動詞だったのだ。

MATTERといえば、プレスリーの <I love you, no matter what happen.>(何があっても愛してるよ)なんて歌詞を思い出すのみ。

<WHITE  LIVES  MATTER>というのもあるらしい。
ならば我々黄色人種から言わせてもらえば <ALL LIVES  MATTER>だろう。

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そんなお国があるかと思えば、再々々々委託の構造がとりざされてる国もある。一言でいえば、官も民もべったり、ぐちゃぐちゃ。癒着の構造がひどすぎる。晩酌3合では間に合わない。

TVニュース相手にぶつぶつ文句を言ってると、what's the matter with you? なんていう中3時代の女性英語教師の声が聞こえてきた。55年も前のことだけど、妙に鮮明に。


6月7日

2020-06-07 21:54:54 | 日記
岡山の農家は、温暖な気候を利用して、夏は米、冬は麦の2毛作を行っている。その境目は、緑から黄金色に移り変わる水田が、一面真っ黒に変わるひととき。焼き畑農業である。隔週で岡山生活を送っていると、この季節の変わり目にいつも新鮮な感動を覚えるのだ。

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太田愛の「天上の葦」が面白い、と聞いた。NETでみるとどうやら連続ものらしく、3部作の「犯罪者(上下)」から読みだした。これが一気読みさせる秀作だった。「ウルトラマン」「相棒」の作者というだけでなく、宮部みゆきや柚月裕子などの女流推理作家と比べても、甲乙つけがたし。少なくとも、ステイホームの老人にはちょうどいい刺激になる。

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BSのワールドニュースも刺激的。報道の行間から予測される世界中の悲劇が、「指導者不在」を嘆いている。けれど根は深い問題が多い、否すべてどこかでつながってるというべきか。

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聡太がやってくれた。明日からのタイトル戦、楽しみ。アーモンド愛は残念だったけど、8冠にはまだ明日がある。