年のせいか、酒がもとでの訃報をよく耳にするようになった。「酒は百薬の長なり、されど万病のもと也」(兼好)なのだが、確かに命を落とすほどの猛毒に化けている。「酒と女は2合まで」なんて粋人は言うけど、「3合超えを5年続けば慢性肝炎」が医者の常套句。ならば朝2合、昼2合、夕6合の牧水はいかに。他人事とは思えない。酒を飲む理由は数々あれど、「飲めば楽しくなるから(愉悦)」「なんとなく飲みたい(習慣)」「苦しみから逃れたいから(逃避)」の3パターンか。いい酒とは愉悦の状態で、厄介なのは習慣と逃避。「一杯のコーヒーはインスピレーションを与え、一杯のブランディは苦悩を取り除く」(ベートーベン)。ダダダダーンからフロイデへ。そこでとどめようとおもうんだけど、それがむつかしい。ついつい、わかっちゃいるけどやめられない。
「酒を飲むと死ぬ。しかし酒を飲まなくとも死ぬ」
「酒を飲めない人は人生の半分を無駄にしている、酒を飲む人は人生の大半を無駄にしている」
67歳と9か月、つまるところ、よくわからない。
「酒を飲むと死ぬ。しかし酒を飲まなくとも死ぬ」
「酒を飲めない人は人生の半分を無駄にしている、酒を飲む人は人生の大半を無駄にしている」
67歳と9か月、つまるところ、よくわからない。