ぼちぼちやりま!

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。
事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。
焦らず慌てず、静かに時の来るのを待つ。

木綿の人形

2011-03-31 18:36:44 | 災害大国
与勇輝(あたえゆうき;本名)は天才だという人がいる。
10年ほど前、何かの展覧会で、思わず足を止めてしまった。
人形とはとても思えなかった。
リアリズムを超えた人間の感性を、ここまで表現できるものなのかと、
木綿の人形を前にして、一歩も動けなくなってしまった。

   ***

詩人和合亮一の「詩の礫(つぶて)」(ツイッターでの発言)が新聞に紹介されていた。
【 5日ぶりの買い出しをする。トマトを買おうと思った。余震。店外退避。戻る。トマトを買う。家に持ち帰り、塩を振ってかじりつこうか。熟れたトマトを持ってみて、分かった。野菜が涙を流していること。】

「野菜が涙をながしている」と言った詩人のつぶやきに出会った時、
なぜか与勇輝の人形を思い出した。
貧しい子供たちをモデルにした人形たちは、
敗戦という大きな不条理の中でも、一人ひとりが十分な個性を主張し生きていた。
重き流れに耐えながら、年相応に振舞っている表情に、したたかな生命力と感動を覚えた。

   ***

今回のフクシマ原発事故は、
「安全、安心、そしてクリーン」というコピーを微塵にも砕け散らせただけでなく、
その全貌を想像することすら出来ない程の、大きな負の遺産を残してしまった。

絶望をおもうのはたやすいが、トマトが笑う明日を創造するためには、
木綿の人形たちが発するような若いしたたかさ、そしてしなやかな生命力が必要なのかもしれない。

大根をねかせる

2011-03-30 20:42:24 | 災害大国
とれ過ぎた大根にも花が咲きそうなので、葉っぱをとって土に埋めることにした。
こうすれば、梅雨時期までパリパリの大根が楽しめるらしい。
大量の葉っぱは刻んで特性カレーにいれる。
問題児も、すんなり寝てくれればいいのだが。。。

   ***

被災地ではないのに、調子を狂わせている人が多いらしい。
繰り返し流れる獰猛な津波の映像や、目を覆いたくなるような被災状況が、
わが身に起こったことのように感じて体調をおかしくしてしまうようです。

そういう映像が流れそうな時、いつの間にかチャンネルを変えてる自分がいる。
申し訳ないが、自身の均衡保持のために、気付かずにチャンネルを変えている。

   ***

海外メディア発の被災地の写真を見た。
やっぱりこれはよくない。

日本のマスコミが事実を隠してるのはケシカラン、と言う人もいるけれど、
この場合に当てはまる論法ではない。
マスコミが今、あえて報道しないのは、ある意味正常な感覚だと思う。

阪神間には、“16年前のかさぶた”をはがされるおもいで、
今回の大震災と向き合っている人もいっぱいいるのです。

しだれ桜

2011-03-29 22:02:46 | 日本の四季
午後からはほんわかと春を感じるの暖かさになったので、
山里のしだれ桜を見に行きました。
早咲きの桜で、もうピークは過ぎた模様。
今年は震災のためライトアップはなし、とのことです。

いつの間にか3月も終わりです。

おせっかいが必要な時

2011-03-29 10:08:30 | 災害大国
相変わらず、というより「一歩前進二歩後退」の日々が続いている。

被曝の恐怖に苛まれながらも使命感だけで働く作業員の生活が、1日2食で乾パンとおにぎりのみ、就寝場所は廊下で毛布・・・これでは前に進める筈もない。

一方、ガソリン待ちの車中でCO中毒死だの、避難所での凍死だの、キャベツ汚染のため農夫自死といった悲劇が、今朝も報道されている。

そんな中、加賀乙彦が「再建という希望があるではないか」と書いていた。
そう、未来に希望を抱いて、今を悔いないようにじっくり生きることが重要なのだ。

   ***

さて、フクシマに希望はあるのだろうか。
あるとするならば、「プロのおせっかい」だと思う。

汚染水の処理が問題とあらば、海水を真水に変える企業が手を挙げればいい。放射性物質はインフルエンザウイルスよりも大きい。インフルエンザ用マスクの細かさがあれば、かなりの放射性物質を吸収・濾過することができるはず。少なくとも、作業環境は極端に改善されるし、汚染水をそのまま海に流し込むよりははるかに罪が少ない。

ポンプの能力が不足するならば日本だけでなく世界から集めるのだ。それができるのは世界に冠たる日本の「ザ・商社」。他にも出来ることはかなりある筈、求めれているのは世界中の技術。素早く持ってこられるのは政府主導よりも、機動性において商社に軍配が上がる。

放射能のために人が近寄れないなら、ロボットを全面に押し出せばよい。電気をつけたり放射能数値を計測したり、ポンプをピットに突っ込むなんてそんなことは遠隔操作でいとも簡単にできる。ダメモトでいいから関連企業が手をあげてほしい。

鉛で完全保護された作業車もいる。被曝量を半分程度にしか減らせなくてもないよりマシではないか。

わずかでもいい。当然担当者はわかっているだろう、と思われることでもいい。
医者は医者なりに、経済学者は経済学者なりに、大工は大工なりに、鍛冶屋は鍛冶屋なりに、何かアイデアがあれば、おせっかいになっても構わないから、手を上げることが必要なんだろうと思う。

そこまで事態は切迫している。

   ***

「不謹慎かもしれませんが、RPGでダンジョンを進むごとに敵の数が増えてるような感じです・・・」 という研究者のため息がよくわかる。

次つぎとあらわれる敵をやっつけるには、特技をもった仲間の存在が不可欠なのだ。
おせっかいでもいい、自分の専門分野から思いつく案を示すことが、解決の一歩につながるのです。

今すべきこと---還暦のプータロー

2011-03-28 11:20:06 | 災害大国
スーパーのレジに並んでいた少女が、
突然まわれ右をして売り場に戻り、お菓子棚に商品を返した。
そして握りしめていたコインをレジの傍にあった義援箱に入れた。
「ありがとうございます・・・」少女の背中に頭を下げた店員の声は、上ずり、震えていた。

今すべきことは、各人の持ち分の範囲で思うこと、動くこと。
1億の国民のうち100万人が被害を受けたのだから、1%でいい。
各人の1%の力を復旧・復興に役立てたい。
持ち時間の1%でいいから今度の震災に想いをかけ続けたい。

   ***

政治家は選挙演説や街頭募金をしている場合ではない。
今何をしていいかわからなければ、被災地に入り、体育館で一夜をあかしてみるといい。
救われたはずの老婆を、避難場所で凍死させてしてしまった身内の無念を知るがいい。

フクシマに行き、作業員についてまわり、放射線量を測ってやるといい。
疲れ果てた体を使命感だけで動かしている彼らと行動をともにするだけで、
政治家は今、何をすべきか見えてくる。

   ***

【 生きていて 生きてるだけで 燕くる 】(飯田操)
【 世界中の 瞳と思え 春の星 】  (鈴木幸江)
【 毛布なき 君に熱燗 飲ませたし 】(河野靖朗)

   ***

そして還暦のプータローが、今すべきことは・・・
原発の平癒を願って祈り続けることでもいいし、
多くの霊魂の成仏を思って、般若心経を写経することでもいい
・・・今できることを考え、一つ一つ実行していくのみ。

少し多めにタネをまいて、
初夏にはトマト、夏にはゴーヤ、秋にはかぼちゃ、冬にはダイコンを送ろう。

週に一度は休肝日を設け、酒代をブタの貯金箱に入れて、
2012.3.11にはタイガーマスクになってやろう。

そして・・・。

今すべきこと――僧侶

2011-03-27 10:01:18 | 災害大国
今、僧侶は被災地へ飛んで行かなければならない。

全国の寺の数は、コンビニの倍、8万もある。
しかし、その好感度は仏教90%、寺25%、僧10%と、かくも坊主は嫌われているのだ。
生老病死の四苦八苦から民衆を救う筈の仏教が、葬式仏教になり果て、
時間給50万円の葬儀代、高級外車を乗り回し、海外旅行は年に2度、
税金逃れの団体にまで堕落した。
汚名返上、今こそ僧侶は大挙して被災地へ飛んで行かねばならない。

浄土宗でも真宗でも曹洞宗でも日蓮宗でもなんでもいい。
とにかく大挙して被災地に駆けつけなさい。
丁重に死者を弔い、
この世の地獄を見た被災者から、恐怖の怨念を取り除いてあげてください。

今の薬漬け精神科医に、心のケア(なんて傲慢な言い方でしょう!)を任してはおけない。

あなた方坊主が、被災者一人一人の手を取って、彼ら・彼女らの愚痴に耳を傾け、
本音にあいずちを打ち、そして「わんわん泣いていいよ」と抱擁してあげてください。

そこから、仏の大慈悲が始まるのではないのですか!






今すべきこと――建築学会

2011-03-26 21:47:34 | 災害大国
3月23日、土木学会は地盤・都市計画学会との共同緊急声明において、「想定外という言葉は専門家としての言い訳や弁解であってはならない」と表明した。
同様の発想の下に、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をめざす建築学会に求められるのは、1000年に一度の災害で得た教訓を整理し、次の災害に対処する提言を行い、実現に向けて進むことだ。

被災状況の調査で手いっぱいの学会に対して、期せられた課題は多い。一目見渡すだけでも、仮設住宅への臨機応変な素早い対応や、被災者生活改善への建築的アプローチ、流されていく歴史文化の保全・保護、そして震災から得られた多くの教訓・課題の整理など膨大な作業があるが、さらに重要なことは、「復興に向けた東北太平洋沿岸都市の在り方」への提言だと思う。被災地を元通りに復活させるだけでは、同じことの繰り返しを後世に残すばかりで何の解決にもならない。

地震・津波学の分野から、都市計画の分野から、構造・設備・インフラ設計の分野から、農業・漁業・林業やその他多くの分野からの提案を集め、学会として都市再生への提言を作成することは、被災地が今後有るべきグランドデザインの実現につながっていく。未曽有の混乱の今だからこそ、いち早く、さまざまな提案を集め学会としての提言をまとめ、住民のコンセンサスを得、実現にむけて踏み出すことが責務だと思う。

   ***

我国の土木・建築を始めとする自然災害に対する技術力は、洗礼を浴びるたびに確実にレベルが上がってきた。M9の地震でも新幹線は安全停止したし、多くの建物や構造物は生き残った。津波にやられ液状化で都市はマヒしたが、いずれも解決の方策は手に入れている。それをいかに発揮して新しい沿岸都市を構築していくか、学会の提言は大きな意味を持ってくる。

多くの提案を結集することにより、経済力だけで解決するのではなく、ハード、ソフト両面で災害に打ち勝つ叡智が生まれてくる。それが21世紀が未来に残す遺産につながるのだ。


今すべきこと――原発学者へ

2011-03-26 11:52:57 | 災害大国
今すべきことが忘れられて、すべて後手後手に回っていないか。

フクシマ原発に注入し続けてる海水に懸念を示し、真水を入れるようにしたのはアメリカからの強い要望によってである。この提言・実行がなければ塩害腐食でさらなるダメージが加わっているかもしれない。

原発学者はTVに出て解説者面している場合ではない。日々報告されるシーベルトの数値に一喜一憂することでも、ホウレンソウは食えるとパフォーマンスすることでも、原発タンクの損傷予測をすることでも、作業員の被ばくを悲しむことでも、ない。

あなた方が今すべきことは、想定される以上のあらゆることを念頭に置いて、講じれば効果があると思われるすべての対策を提起し、実行に向けて最大の努力をしていくことのみ。もう「想定外」とは言わせない。TVに出ておざなりの解説をしている時間など有るはずもない。

フクシマ以外は本当に大丈夫か。電力会社に任せて本質的な議論を回避していないか。海外から「40年前の原発をまだ使っていたのですか!」と驚嘆される事実をどう見るか。容器のGE、設計の東芝、元請けのゼネコン、そして総合的に管理すべき電力会社の所為にして、責任逃れをしていないか。専門家として認可してきたのは原発学者である。
安全性よりも経済原則を優先させて来なかったか猛省し、大至急既存の54基の原発総合点検を行うよう、強く発信しなければいけない。繰り返すが、原発にあっては「想定外」は許されないのだ。

フクシマに対しては、40年前の原発だからよくわからないとか、設計図面がないから詳細不詳等と言ってもらっては困るのだ。後になって「あの時ああすればよかった」では済まされない。今、すべての技術を動員して調査し、考えられるすべての対策を列記し、今後のタイムスケジュールを明確にしていく責務がある。この危機を救うのは、あなた方のその行動にかかっている。

フクシマを完全な廃炉とするまで、原発推進者としての責務があるのだ。

凡庸な一日

2011-03-25 21:02:27 | 日記
平成23年3月25日
朝7時半;起床。新聞を取ってきて再び寝床へ。寝ざめ悪く片頭痛。
フクシマ鎮静化に1カ月かかるとか。やっぱり、とも思ったが、逆に希望的観測なような気もする。
8時;NHK“てっぱん“をつける。誰かに言われて2月からそれとなく見だした。
8時半;朝食(トースト、コーヒー)。 血圧と頭痛の薬飲む。
9時半;近くの畑に行く。大根5本、ブロッコリー2、キャベツ1、タマネギ2、花の咲いた白菜2を収穫。相方は「白菜はほとんど筋が多くて食えない」とブツブツ言う。何が何でも食ってやると思ったけど、無難に引き下がることにした。
11時;ネットにて知人の安否確認続ける。
12時;昼食(野菜カレー)。珍しく食欲なく半分残す。 
12時半;昼寝
13時半;車で20分ほどの次男の家にとれたての野菜を配達。昨年9月に入籍したお嫁さん、臨月に入る。
14時;その後、金沢にいる三男の代理で、税務署へ確定申告に行く。2万円ほど還付金あり。
15時;続いて、スーパーのオークワ・生協とハシゴして、アルカリ飲料水を専用ボトルに6Lほど入れる。
15時半;最後に、スポーツジムに行きバタバタと。サウナを浴びて午前中の頭痛が完全消滅。
17時;帰宅。TVでフクシマの状況を確認。一進一退、芳しくない。
18時半;夕食 白菜、菊菜がメインのギョーザ鍋。焼酎お湯割り2杯。
昼飯の分までたっぷり食った、また太りそう。震災以降なぜかこの2週間で3kgUPしている。まさしく想定外の上昇率。
21時;風呂。
21時半;「聖徳太子はいなかった」(谷沢永一)を読了。
23時半;TVニュース。「詳説日本史」(笠原一男)。
25時半;眠剤を半割にして服用。就寝


白菜の花

2011-03-24 20:46:30 | 災害大国
一週間ほど大阪を離れ、畑仕事を放ったらかしにしていたら、
白菜の畝はお花畑になっていた。
薹が立った白菜は鍋に入れて煮込み、花は台所に飾ってみた。

関西では、あたりまえの幸せを、あたりまえに享受している。

   ***

日本人の平均年齢は44.9才(2010年)にもなるらしいが、新聞の名簿を見ていると、今回の被災者はもう少し高いような気がする。過疎地の高齢化という現実が、”避難”から”疎開”へ、さらに”移住”という言葉が浮かんでくるほどの状況を、より重いものにさせてるのかもしれない。