ヤフーのニュースである。
増える留学生採用 ローソン、ヤマト運輸3割、ユニクロ6割
産経新聞 12月20日(月)7時57分配信
■英語堪能/議論が活発/海外に精通
来春卒業予定の大学生の就職内定率が過去最低(57・6%、
10月1日現在)となる中、外国人留学生の大量採用を打ち
出す大手企業が目立っている。
就職する留学生の出身地は、中国や韓国、タイ、インドネシア
などアジアが中心。
母国の事情に詳しく、英語、日本語が話せるなど留学生の能力
が高く評価されているようだ。
日本の大学生に、企業側が物足りなさを感じている側面も見え
隠れする。(田中充)
コンビニ大手のローソンは来春、新卒者の約3割の20人程度
を外国人留学生で採用する。運送大手のヤマト運輸も平成23
年度の新卒採用の約3割を留学生にするという。
カジュアルウエア「ユニクロ」を展開するファーストリテイ
リングも24年度の新卒者の3分の2を外国人で採用する方針
だ。
こうした傾向は2、3年前から始まっている。
日本学生支援機構の調査では、20年度で大学・大学院などを
卒業・修了した約3万5千人の留学生のうち、日本国内で就職
したのは全体の約25%にあたる8736人。
調査を始めた16年度の5705人と比べて大幅に増えている。
「ディスカッションの発言力に日本の学生は物足りなさが残る。
外国人留学生は積極的な姿勢が目立ち、入社後も日本人に足りない
部分を開拓できる可能性がある」ある企業の採用担当者は留学生の
魅力をこう話す。
ローソンでは「新たな商品開発などを進める上で、多様な文化を
持つ外国人留学生の力が必要」。
今年から上海とシンガポールで宅配便事業を展開し、来年は香港や
マレーシアに事業を拡大するヤマト運輸も「アジア進出に際して
現地の事情にも詳しい社員が求められている」と期待する。
海外からの留学生が全学生数の約半分を占める立命館アジア
太平洋大(大分県別府市)では21年度、日本で就職を希望する
外国人留学生約270人の9割以上が三菱商事や東芝、東レと
いった有名企業に内定した。
同大の就職支援担当の村田陽一さんは「アジア圏でトップレベルの
学力を持つ学生の多くは英オックスフォード大や米スタンフォード大
へ進むため、日本に来るのはその次のレベルが多いが、それでも
学力は高い。
希望する日本企業に就職するために熱心に勉強している」と話す。
ただ、留学生のすべてが就職に恵まれるわけではない。東京労働局
の東京外国人雇用サービスセンター(東京都港区)は「不況で留学生
の求人数も落ち込んでいる。
大企業に就職できる優秀な留学生と、内定がもらえずに帰国を余儀
なくされる留学生の“二極化”が進んでいる」と分析している。
中国・北京近郊出身で私大の留学生コースで日本語を勉強した後、
中央大大学院の修士課程を経て、今年4月にヤマト運輸に入社した
張磊(ちょう・らい)さん(27)も「日本への留学で遊んでいる
余裕はなかった。
とにかく一生懸命勉強して日本の企業に就職したかった」と振り
返っている。
以上。
このニュースを、知った時、一瞬戸惑ったが、でも、なるほどと
も思った。
結局、経済のグローバル化の帰結するところである。
テレビのニュースだと思ったが、外国から来た観光客相手に、店頭で
の対応のために、外国人の店員を採用しているというニュースがあっ
て戸惑いを感じたが、わたしたちの想像を超えて新しい時代に突入
したということであろう。
「増える留学生採用」ということについては、振り返ってみれば、
日本にマイクロソフトやアップルの日本支社ができて、日本人の
支社長が誕生したように、アメリカと日本との間にあったことが、
今度は、日本と東南アジアの国々との間で起こるということで
あろう。
言葉は悪いが、留学生を採用して、経済的な傀儡政権を作った方が、
草食化した日本人学生を叱咤激励するより、効果的・効率的で
あるということだろう。
日本の少子化と若者の消費意欲の低迷が囁かれ、内需が低下し、
「パイ」が縮小していくことが目に見えている現状にあって、日本人
相手の商売しかできない企業は、絶滅危惧種化していくしかないのだ
ろう。
深田和範氏は、「『文系・大卒・30歳以上』がクビになる」の中で
「今後数年のうちに、ホワイトカラー100万人が失業する」なんて
言っていたが、なんの、クビになる前に採用さえもされなくなる
ということなのだろうか。
大分前のブログで、紹介した内容にこういうのが
あった。
最初にこの問題に気づいたのは、アメリカを代表する
りベラル派の経済学者ロバート・B・ライシュだった。
いまから20年も前に、ライシュは『ザ・ワーク・オブ・
ネーションズ』(ダイヤモンド社)で、グローバル化に
よる格差社会の到来が不可避であることを宣告した。
ライシュはグローバリゼーションによって、アメリカ人の
仕事がシンボリック・アナリスト・サービス、インパースン・
サービス、ルーティン・プロダクション・サービスに三極化
すると述べた。
でもこれを聞いても、なんのことか理解できるひとはほとんど
いないだろう。
ルーティン・プロダクション・サービスというのは、製造業の
労働者のことだ。
工場に出かけて決められた仕事をするだけなら、世界じゅう
どこでもできる。
だから彼らは、グローバル化による企業の海外進出によって
またたくまに仕事を失っていく。
インパースン・サービスは、銀行の窓口係やブティックの
売り子、飲食店の接客係のような対面で顧客サービスをする
ひとたちだ。
こうした単純労働は移民でもすぐに習得できるので、内なる
国際化によって既得権は失われてしまう。
ラインュの推計ではルーティン・プロダクション・サービスと
イソパースン・サービスに従事するアメリカ人は全労働人口の
八割に及び、このひとたちは〝ふたつの国際化〟によって貧困層
に転落していく。
以上。
不気味な予言だが、「ブティックの売り子、飲食店の接客係のような
対面で顧客サービスをするひとたち」については、観光客相手に職種
は違うが現実化していくようだ。
わたしの従兄弟の子どもが大学は卒業したが、就職していないと盆の
時に言っていたが、厳しい時代にはいったものだ。