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ハヨンは、ナム・ギテに、取り調べでは無いと最初に言いました。力になる・・・と。
事件を分析する者なので、ナム・ギテと言う人間を知りたくて話をしに来た・・・と。
ナム・ギテは、戸惑った表情を見せました。
ナム・ギテには前科がありました。それを、“運が悪かったから捕まった”と、ナム・ギテは言いました。
ハヨンが細かく質問すると、徐々にナム・ギテは話し始めました。ハヨンがおだてるような言い方をしたのも功を奏しました。
ク・ヨンチュンが自分の犯行までも横取りしたと言いました。
得意げに自分の犯した罪を話しました。しかし、全部を正直に・・・と言うのではなく、罪が重くなるような事はしらばっくれたりしました。
それでも、ハヨンと話をすることを望みました。
誰も聞いてくれなかった自分の話を、唯一聞いてくれる相手だと思ったのです。
ハヨンは、自白すべきだと言いました。
刑事は全ての罪を把握しているからと、そして、ちゃんと話を聞いてくれるからと。
泣き出したナム・ギテに、ハヨンはハンカチを差し出しました。
そんな事をしてもらったことが無いナム・ギテは、ちょっと驚いたようにハンカチに手を伸ばしました。
ハヨンは、刑事たちに尋問をする場合の注意点を説明しました。
高圧的に出ると、供述を拒む可能性があると言いました。聞いた話に対して評価はせず、聞き役に徹してくれと。
ナム・ギテは一般的な凶悪犯とは違い、被害者の数がその時点で分かっているのが14人にも達していました。余罪もあるかもしれません。
だから、いつも以上に尋問に注意を払わなくては、事件の見落としをしてしまうかもしれないのです。
ナム・ギテは従順に尋問に応じ、現場検証も素直に行いました。
注目を浴びる事に嬉々とし、罪の意識など、全く感じられません。
それどころか、被害者を殺した方法など、興奮して再現して見せたのです。
その様子は、被害者遺族をさらに傷つけるモノでした。
ナム・ギテの家の家宅捜索で、驚くべきものが次々と見つかりました。
自分が犯したと思われる事件の新聞記事を収集していましたし、ハヨンの顔写真が載った記事も、壁に貼り付けてありました。
靴の裏は、つるつるで、足跡が分からないように細工してありました。
ノートには、長生きする方法、現場から一刻も早く逃走するための走り方など、出来る限り殺人を続けるための方法を自ら学んでいたことが記されていました。
しかし、凶器だけは発見されませんでした。
マスコミは、ナム・ギテの異常性を書き立てました。
チェ記者は、上司から同じ論調で記事を書くよう指示されましたが、その気になれませんでした。
自分だけは、遺族について書きたいと思いました。
猟奇的な犯行やナム・ギテの異常性にばかり世間の目が集まり、その陰である人は突然理不尽な死を迎えることになり、ある人は死なないまでも、外出が怖くなり、引きこもりの状態になってしまっていることが忘れられていると、チェ記者は書きました。
愛する者を失ったのは、他人ではない、隣人であり、家族なんだと。
ナム・ギテの逮捕で、事件は一段落つきました。
しかし、ハヨンの気は晴れません。
ユンチーム長も同じ気持ちだったようです。
いくら犯人を捕まえても、後から後から同じような犯人が現れる事に、嫌気が差しているいるようです。
ハヨンは、犯人を捕まえても、被害者や被害者家族の気持ちが救われる事は無いと感じているのかもしれません。いつも被害者の気持ちを考えてしまうハヨンですから。
ユンチーム長は、まだナム・ギテの面談が残っているハヨンに言いました。
「怪物と戦う者は自分が怪物にならぬよう気を付けるべきだと言います。」
ハヨンもそれは十分分かっていました。
ナム・ギテの家宅捜索で、発見された刃物からは、血液反応が出ませんでした。
状況証拠は揃っていますが、犯行を裏付ける決定的な証拠が見つからないのです。
このままでは、住居侵入と特殊強盗の罪しか問えなくなる恐れも出て来ました。
ヨンスとハヨンが再度ナム・ギテの家に向かいました。
ハヨンは、殺人に執着を持っているナム・ギテが凶器を捨てたりはしないと確信していました。
そして、とうとう、発見したのです。巧妙に隠されている凶器を。
凶器には、血痕が付いたままでした。
余罪が明らかになりました。
検察に送検する前に、ハヨンはナム・ギテから話を聞くことになりました。
ナム・ギテはハヨン相手に上機嫌で話をしました。過去の辛い経験も、問われるがまま、話しました。
そして、そのうちに、自らの犯罪を得意げに興奮してハヨンに語って聞かせ始めたのです。
ハヨンは、その話から、余罪があるかもしれないと察し、別室で控えているヨンスに合図を送りました。
ヨンスがウジュに調べさせると、いまだに未解決のままの事件が浮かび上がって来ました。
ナム・ギテの話は、ハヨンの想像を超えるものでした。
異常性格になった過程は察することが出来たけれど、殺人に執着する心情を理解することは到底出来ません。
冷静に聞いている事が苦痛になって来ました。怒りがこみ上げてくるのを、必死に我慢しました。
別室で聞いているヨンスやユンチーム長たちも同じです。
ナム刑事は、耐えきれずに部屋を出ました。
ヨンスは、そんなハヨンが心配になりました。
おぞましい話を一人で受け止めるなと、ハヨンに言いました。
しかし、ハヨンは言いました。逃げるくらいなら、始めていない・・・と。
ヨンスは部屋に入るハヨンを見送るしかありませんでした。
相変わらず嬉々として殺人について語るナム・ギテ。
ハヨンはもう、耐えられなくなりました。
「お前がケダモノ以下に見える。ヒーローでもなく怒りで刃物を振り回すだけの奴だ。」
分かってる・・・とナム・ギテはあっさりと認めました。
そんな事より、もっと自分の話を聞いてくれと言いました。ハヨンが口にした自分を貶める酷い言葉なんて、全然気にしない・・・そんな言い方でした。
呆れて黙り込んだハヨンに、一方的にナム・ギテはおぞましい犯行の様子を語り続けました。
逮捕されて悔しいのは、殺人を犯すことがもうできないからだとナム・ギテは言いました。
罪悪感の欠片も持っていません。
全く話のかみ合わない相手との対話に、ハヨンは疲れ切ってしまいました。限界を感じたようです。
ハヨンの疲労にヨンスとユンチーム長も気づいていました。
1人になったハヨンの脳裏を、これまでに話を聞いてきた犯罪者たちの言葉が過りました。
耐えられませんでした。混乱しました。
ハヨン・・・事故を起こしてしまいました。重症です。
また人知れず、別の連続殺人事件が発生しています。