レビュー一覧は、こちらから。
優しくなったジョンフンの口から、突然もう会わないと言う言葉が出るなんて、ハジンには理解出来ませんでした。
この時は、あっけにとられて、質問すら思い浮かびませんでした。
でも、落ち着いてくると、ドラマじゃ叫びまくっているのに、現実に起こると何も言えなかった・・・と悔しく情けなく思いました。
一夜明けました。
ハジンは気分が落ち込んだままでした。本当に恋人に振られた気分です。
世間では交際していると皆が思っています。でも、自分は悲しいわけで・・・。
つい、正直な気分をSNSで呟いてしまいました。
勿論、すぐにハギョンに厳しく注意されましたけどね。
余談ですが、実年齢はハギョンを演じてるキム・スルギさんのほうがムン・ガヨンさんより随分年上。でも、小柄で童顔なので、妹役、十分イケます大好きな女優さんの一人です
一方、ジョンフンは、自分の言葉がハジンを傷つけたと感じていました。
しかし、会わない方がお互いのためだと思っていました。正しい判断だと。
テウンには、それを話しておきました。
幸い、仕事は順調なハジン。
映画も好調です。
ただ、ジョンフンとのことを質問されることも度々あります。やっぱね・・・仕方ないよね。
その度につい正直に答えそうになるのを、ハギョンが必死に取り繕ってます。
それに、悪役ばかり演じてきたハジンの印象がぐっと好転しましてね。人気もうなぎ上り。
交際が嘘だと知らない代表は大喜び。
余計に事実を明かせなくなりました。
ジョンフンの方にも、2人の交際を祝うファンがプレゼントなんぞを送り届けてきます。
その量が半端ないので、ジョンフンは困り果ててます。
おまけに、「ニュースライブ」の次のゲストが、ハジンの初主演映画のチ監督と言うじゃありませんか。
チェ局長の意図が見え見えです。
映画が成功して注目度アップしてるチ監督をゲストとして、番組の視聴率をさらに上げようって魂胆なんです。インタビューするのが、主演女優の恋人なんて、注目を集めるのは分かり切ってますからね。
あ・・・本当は付き合っていないということを、チェ局長は知ってるんですけどね。
ジョンフンはゲストを替えてくれとチェ局長にねじ込みましたが、一切聞き入れてはくれませんでした。
ところで、テウンですが。
実母は亡くなったようで、父が再婚した継母と異母妹ジウォンが家族です。
父親のユ教授とテウンはあまり仲が良くありません。ユ教授の考え方が、テウンには共感できないようです。
ユ教授はジョンフンのことを研究対象の“患者”としか見ていないようです。
それが、テウンには納得できないのでしょう。テウンにとって、ジョンフンは患者である前に親友ですから。
実家から足が遠ざかっているのも、そういう理由からでしょうね。
しょっちゅう、ジョンフンの家に入り浸っています。
ジョンフンも、テウンのそんな状況を知っているようですね。本当に幼馴染であり、大切な親友です。
ジョンフンは深夜一人で映画を見に行きました。
ハジンの主演した映画です。勿論、周囲にばれない様に帽子を目深にかぶって。
チ監督がゲストと言う事で、やっぱり見ておいた方が良いと判断したのです。
ところが、ばれないと思っていたのに、あっさり女子高生にばれちゃった。
突撃取材よろしく迫られて、証拠写真まで撮られちゃった。
こうなると、もう、秘密になんてできません。
あっという間にSNSに載せられてしまいました。
ハジンは、ネットでそれを知りました。
会わないと言われてから、ジョンフンには電話一つかけていません。
何を考えているか分からないから、本当は問いただしたいんだけど、やっぱり・・・ねぇ。勇気が出ません。
ただ、嫌いな人も映画を見てファンになってくれたんだから、ジョンフンも見てくれたら気持ちを変えてくれるかもしれない・・・なんて、淡い期待を抱いてはいました。
もち、ハギョンにすぐに否定されましたが。
そんな悶々としてる時、今回の映画鑑賞の一件を知ったわけです。
こりゃ、ジョンフンも自分に会いたかったに違いない、でもああ言った以上、自分からは連絡出来ないんだ・・・なんて、勝手に思い込みましたよ。
だったら、私から連絡しなきゃ・・・ってね。
こういうノー天気と言えるほどに純粋なところが、ハジンの魅力でもあります。
そして、そう思ったら、もう体が勝手に行動を開始しちゃいました。
ハギョンにも言わずに一人でジョンフンに会いに行っちゃった。
今日は私に話をさせてください・・・とハジン。
もう、ジョンフンの愛情を確信し切っていて、上から目線ですよ
前に言ったことを後悔してるんですね?と言いました。
でもね、ハジンのそんな妄想はあっさり否定されました。チ監督がインタビューゲストに来るので映画を見に行ったと、言われちゃったんです。
あ・・・とガックリしたハジン。
一つだけ聞かせてくださいと言いました。
「私の事を一度も考えませんでしたか?忘れてましたか?」
いや・・・僕は簡単に忘れるような性格じゃないので・・・とジョンフン。本当の事ですね。
ハジンはそれだけで満足でした。
自分に会いたくて映画を見に行ったことにします・・・なんて言いました。
最近映画のお陰で人気が出て、仕事も順調だけど、嬉しくないんです・・・とハジン。
あなたのせいです・・・と。
「各自元の位置に戻るだけで簡単な事だと言いましたよね。私は違います。もっと時間が必要です。自分でも驚くほどあなたとうまくいきたかった。だから、当分は誤解してますね。それに、誤解じゃなく、私に正直になれる時間があなたには必要なのかもしれません。」
映画はどうでしたか?とハジン。
「面白かったです。役柄もよく似合ってた。」
それを聞いて、嬉しそうにハジンは笑顔で先に席を立ちました。
「ニュースライブ」が、今年の番組賞を受賞しました。
代表で表彰を受けたジョンフン。
ハジンも、プレゼンターとして出席していました。
当然、マスコミは二人に注目します。受賞コメントをしたジョンフンに、司会がハジンへのコメントも要求しました。
スルーするだろうとハジンは思いました。そう言う事を嫌う性格だと思っていますから。
でもね、ジョンフンはコメントしたのです。
「過ぎ去った時間よりこの先の日々を幸せでいてほしい。応援しています。」
ハジン・・・感動しました。初めて、ジョンフンへの想いを意識したかも。
いや・・・まだ自覚してないかもね。惹かれてることだけは分かってるでしょうが。
そして、ジョンフンのコメントは、自分への想いゆえだとしか思えないわけです。
ジョンフンに不気味な写真が送りつけられました。
ハジンと一緒のところを隠し撮りしているのですが、その写真に写ってるジョンフンの姿がカッターで切り裂かれているのです。
ジョンフンはそんな写真に見覚えがありました。
ソヨンを殺した犯人の部屋に、同じような写真が数えきれないほど飾られていたのです。
不気味でした。
不安になりました。今度の標的はハジンかもしれないと思いました。
携帯をチェックすると、ハジンは深夜だと言うのに映画を見に行くと書いてありました。
ハギョンに問い合わせると、ハギョンはジムにいて、一人だと言うじゃありませんか。
行先も分かりませんが、ジョンフンは飛び出しました。
ハジンの映画を上映している映画館を調べ、急行しました。
その途中、道端でハジンを見かけたのです。
反対側に車を停め、歩道で数人の男と何やら揉めてる雰囲気。
ジョンフンは、クラクションを鳴らされつつ、道を横切り、血相変えてハジンに向かって駆けました。
そして、ハジンを力いっぱい抱きしめたのです。
ジョンフンには、ハジンがソヨンと被って見えたのでしょう。