ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

NZ旅№14 ――― Mt Arthur(マウント・アーサー1795m)を目指して、まずは Mt Arthur Hut 山小屋まで

2015年09月14日 | ニュージーランド旅2013

今、2015年9月です。2年近く前のことを思い出しながら書いています。山の風景や肌に当たる陽光や乾いた風、地面の固さや柔らかさ、積もっている落ち葉が日本のように朽ちていくのではなくて、カサカサと枯れていくこと、沢を流れる水の様子は日本とあまり違わないこと、そんな幾つもの様子は目に焼き付いていて忘れることは出来ません。

2013/11/22  この日は僕とS子のために華世ちゃんが日帰りハイキングをセッティングしてくれました。


▲華世ちゃんが一緒に暮らしているマリアンさんのおうちです。朝食後、牧草地に出て、ちょっとだけ散歩しました。8:18ころ。


▲猫も幸せそうですね。8:26ころ。


▲3匹の猫がそろいました。S子のザックも見えています。8:33ころ。


▲たまには僕の姿も。猫は大好きです。

華世ちゃんの車で、今日の登山口まで向かいます。
向かう途中、牧草地の緑の絨毯風景から、だんだんと森の風景が増えていきました。そんな風景の変化を僕はワクワクしながら眺めていました。
これまでは広々とした牧草地の風景がニュージーランドらしい風景だった訳ですが、僕はこんな風景ははっきり言って嫌いでした。嫌いというのは誤解を生む表現ですが、これはあくまでも自然ではなく、人工的な風景です。日本の里山も人工的な風景ですし、棚田や平地に広がる田んぼの風景も人工的な風景です。同じ人工的風景なら、僕は日本のこんな田舎の風景の方が好きです。それにその方が生物多様性も豊かですし。牧草地のような単純な環境はあまり好きにはなれませんでした。もしかすると、これは僕の偏見なのでしょうか?
山に近づくにつれ、本来のニュージーランドの森が増えてくるようで、嬉しくなります。


▲登山口に到着しました。中央に華世ちゃんの車。華世ちゃんと座っているS子の姿が見えますね。ここは Flola Car Park フローラ駐車場です。標高は約950m。9:36ころ。


▲Information shelter があります。中には入ってみませんでしたが、ここでいろいろな情報が得られるのでしょうね。9:36ころ。


▲トイレももちろんあります。車椅子にも対応しているようです。9:41ころ。


▲いよいよスタート。最初は林道のような広い道ですが、もちろんゲートがあるので、車は入れません。青い看板には「KIWI ZONE  HELP US PUROTCT KIWI  NO DOGS ALLOWED」と書かれています。キーウィがいるので犬も連れて入ってはダメなのですね。9:51ころ。


▲この森もNZ独特の森ですね。日本の木についても詳しく知らない僕ですから、NZのはさっぱり。ひょっとしたら、南極ブナなども混ざっているのでしょうか。10:03ころ。


▲日本でも奄美大島に行った際にはマングース用のこの写真のような罠を見たことがあります。NZのこの箱罠はポッサム用なのでしょう。10:04ころ。

ポッサムはもともとオーストラリアの生物。有袋類なのだそうです。和名はフクロギツネ。オーストラリアでは数も減ってきており、保護されているそうなのですが、NZでは増え過ぎて、害獣扱いです。外来種で、ただでさえ哺乳類のいなかった(コウモリ以外には)NZですから、天敵もおらず天国のような島だったのですね。
今では毛嫌いされて、道路を走ると車で轢かれたポッサムの死骸累々です。華世ちゃんもNZ人化していて、ペチャンコになった死骸を避けようともしません。避けようとしてハンドルを切る方が危険なのだそうです。僕はまだ日本人感覚から抜け切ることができず、死骸を目にすると、せめて道路脇によけてあげたくなります。
1980年代には全国で7000万匹ほどいたそうですから、確かに多すぎではありますね。


▲この木の名前も分かりません。でも、キャベツツリーにも似てますね。10:15ころ。


▲枯れ木に花! と言った風情です。サルオガセの仲間なのでしょう。10:16ころ。


▲華世ちゃんから「ハニーデューだよ」と教わったのがこれ。木肌が焦げたように黒く変色しています。その中に白い糸のように垂れ下がっているものが見えます。よお~く見ると、その糸の先に水滴のように丸く粒が付着しています。「舐めてみて」と華世ちゃんが言うので舐めてみると、ほんのりと甘い。
ネットで調べてもあまり詳しくは分かりませんでしたけれど、どうやらカイガラムシの仲間がこの木の表面に付き、分泌した液体がこの甘い液体のようです。それをミツバチが花の蜜を集めるのと同じようにして集め、蜂蜜となったものがハニーデューなのだそうです。ミネラルが豊富で、マヌカハニーをも超えるかもしれない様々な効力があるかもしれないのだとか。いま研究中のようですね。10:20ころ。

今になって、ネルソンのホリデーマーケットで凄い安価で購入したハニーデューの空瓶を眺めています。MOUNTAIN VALLEY HONEY 社の Beech Honeydew Honey です。カイガラムシも絡んで産まれた蜂蜜だとは思いもせずに食べていました。


▲この木にもサルオガセの仲間が付着しています。10:22ころ。


▲尾根道になっています。道は相変わらず立派すぎます。NZの本来の森ですが、日本の森とはまったく違う不思議な雰囲気の森です。10:31ころ。


▲この太い幹の巨樹は何という名前なのでしょう? 巨樹のある森はいいですね。10:45ころ。


▲ポッサム用の罠です。樹上の鳥の巣を襲うのでNZ固有種の鳥が被害を受けているのだそうです。木に登る途中でこの罠に捕まるという訳なのでしょう。10:46ころ。


▲罠に捕まったポッサムがいました。すでに息絶えています。可哀想ですが、NZ本来の自然を取り戻すためには仕方のないことです。10:48ころ。

NZには毛皮のためにオーストラリアから運びました。今でも捕獲して皮を利用しているようです。それに毛自体もとてもいいそうなのです。短い毛ですから、それだけでは使いづらいようですが、羊毛と混ぜて使うと保温力が高まってとてもいいのです。ポッサムの毛の形状が筒状で多くの空気をため込むことが可能ですから保温力が高いのです。


▲景色が開けて来ました。小休止です。平らな道が多く、少しずつしか登っていませんから、あまり疲れません。10:56ころ。


▲何ヒービーかは分かりませんが、ヒービーの仲間だと思います。日本には似た花はありませんよね。10:57ころ。


▲山小屋に到着です。Mt Arthur Hut(マウント・アーサー・ハット)。ここの標高は約1300mですね。歩き始めてからここまで1時間30分くらいかかりました。DOC(自然保護省)が発行しているガイド本のコースタイムは1時間15分のようですから、上出来です。11:23ころ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NZ旅№13 ――― ネルソンの市街... | トップ | NZ旅№15 ――― Mt Arthur 登頂... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ニュージーランド旅2013」カテゴリの最新記事