ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

NZ旅№8―――重大発表がなされる2日目の夜でした

2014年03月28日 | ニュージーランド旅2013

2013/11/16  今日のボールパスまでの往復は実に楽しめました。天気は最高。何よりも風がほとんどありませんでした。ニュージーランド最高峰マウントクック、僕の永年の憧れの山マウントクックをすぐそばに眺めながらのんびりとした登山! 下方にはニュージーランド最長氷河・タズマン氷河が横たわり、その末端には氷河湖、さらに遠く下流にはミルキーなスカイブルー色のプカキ湖も見えるのです。

もちろん、もう少し朝の出発が早く(午前中の天候に若干の不安要素があったのです)、我々の歩くスピードがもう少し速ければ、ボールパス到着後にカイティアキ山にも登頂出来たかもしれませんし、さらに余裕があれば、少し谷底へ下ってボール氷河探索も可能だったのかもしれません。そんなことも体験してみたかったのは確かですが、それらがなくとも今日のボールパス往復は充実感に満たされるものでした。

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▲サーモンですね。19:38ころ。
相変わらず、食欲の方が先走りますから、途中で思い出して、慌ててシャッターを切るのです。ニュージーランド産の脂ののったサーモンだったと記憶しています。

ところで、3時間ほど前にこの小屋に到着していますから、3時間の間なにをしていたのでしょうか? よく覚えていません。おそらく、温かい飲み物を飲みながら語り合っていたのでしょう。

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▲ディナーの主食はこのチャーハン。窓からはマウントクック右側の山々が連なっているのですが・・・・ 19:38ころ。

今晩の夕食担当はギィディアンでした。写真以外にも美味な一品があったように思うのですが、思い出せません。昨晩、僕たちが寝袋に入ってからギィディアンが寝室に来て、消えたストーブの中に何か紙でくるんだようなものを入れるのを見ました。余熱を利用していたのでしょう。
ギィディアンという名前は中東に多い名前なのだそうです。とは言え、彼の知る限りでは先祖にその方面の人はおらず、彼自身はオランダ人とオーストラリア人の間に生まれたのだとか。学者のサポート役として南極にも行ったことがあり、プロの料理人という一面も持っているそうですから、じっくりと話せればいろいろと面白い人なんでしょうね。

もっと英語の勉強をせねば!!!
高校の時に英語で落ちこぼれて、赤座布団(落第点)すれすれの低空飛行を3年間続けましたから・・・・。 真面目に予習やテスト勉強すればよかったと、今になって後悔します。意地になって全然しませんでしたからね。変な生徒でした。

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▲食事風景。右手前からS子、華世ちゃん、藤井さん、マーティン。19:45ころ。
窓の外の山の様子が見えるように写しましたから、部屋の中は少し暗く写っています。

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▲左からマーティンとギィディアン。19:46ころ。
マーティンはヴェジタリアンで、チャーハンの中から肉を取り除いて食べるのです。

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▲食事中の華世ちゃんと藤井さん。窓の外は、左にはキャロラインフェース、右下にはボール尾根が見えていますね。19:46ころ。

重大発表がいつ行なわれたのか、記憶にありません。夕食前だったのか? 後だったのか?

3日目の明日、ボールパスを越えてフッカー氷河へ下るメンバーを発表するのです。Ball Pass Crossing ですから、誰しもがフッカー氷河まで行きたいと思っているのです。

発表は淡々と行われ、僕と藤井さんが行けることになりました。
S子に関しては今日のスピードでは10~12時間で行かなければならないところを18時間はかかるだろうと言われ、難しい、と。
華世ちゃんが何と言われたかよく覚えていません。1日目にバテたことが影響しているのかもしれません。そして、総合的なこのレベルの登山の経験不足。ただ、これは僕の個人的見解ですが、華世ちゃんがリアルニュージーランドスタッフであることも考慮して、下山組をS子一人にしない心遣いだったのではと思っています。

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▲夕食後、小屋の外へ出てみました。風はなく、まだ昼間の温もりも残っています。こんな心地よい山中での夕暮れ時が僕は大好きです。眼下にタズマン氷河が見渡せます。LIEBIG RANGE の山嶺に残照が当たっていました。20:38ころ。

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▲少し左へパーンすると、MALTE BRUN RANGE です。左に見える紅く輝く鋭鋒は Mt Chudleigh 2952mと Malte Brun 3155mではないかと思うのですが、自信はありませんね。20:38ころ。

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▲少しずつ左へパーン。手前にどっしりとボール尾根が入って来ます。MALTE BRUN RANGE の鋭鋒も見えていますね。中央にはタズマン氷河最奥の峰々が純白な姿で見えています。20:39ころ。

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▲上の写真の中央部を望遠で捉えてみました。白く夕陽に輝いている右奥のピークは Elie de Beaumont 3117m、山頂部がギザギザしている中央のピークは Minarets 3055mなのかな~と思うのですが・・・・ 20:39ころ。

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▲右の岩峰は Anzac Peaks 2530m、左はキャロラインフェースです。その隙間から覗いているのがニュージーランド第二の高峰マウント・タズマン3498m。純白の鋭鋒で美しい山ですね。20:39ころ。
ちなみに、写真右側のコル(峠orキレット)ですが Cinerama Col 2333mと名付けられているようですね。

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▲前の写真でもお気づきの方はおられたでしょうが、満月が出ているのです。それだけで幸せ気分ですね。20:40ころ。

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▲ちょっと寄り道しましたが、左へのパーンは続きます。アオラキ/マウント・クックです。久し振りに正式名称で記してみました。
右には Cinerama Col やマウント・タズマンも見えています。20:45ころ。

ちなみに、マウントクックにはピークが3つあるのです。高い方からハイピーク、ミドルピーク、ローピークです。あまり自信はないのですが、この写真で見えている中央のふたつのピークがミドルピークとローピークでしょう。それぞれ3722mと3593m。
ハイピークはミドルピークの少し右奥に、ミドルピークとローピークの距離と同じくらい離れてあるのです。ですからこの写真では隠れて見えていないはず。
そしてこのハイピークの標高がちょっとした問題なのです。僕が持っている古い地図では3764mになっているのですが、今は正式に3754mとなっています。それは1991年11月14日の山頂崩壊によって低くなってしまったためです。当時の僕のあやふやな記憶によれば、山頂のアイスキャップが大崩壊したのだと覚えています。その影響で、しばらくは山頂に近づけず、その手前のピークで登頂が認められた、と記憶しています。
そして、さらにさらに驚くべきニュースが今年になって飛び込んで来ました。
標高が30mも低くなって、3724mになっているというのです!
今年1月、オタゴ大学の研究者の測量でそれが判明。どうやら、1991年の大崩壊の影響がその後も継続的に影響を及ぼしていたようです。

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▲キャロラインハットは実に素敵なロケーションなんです。20:46ころ。

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▲小屋の北東側に付いているベランダのような場所でS子の記念撮影。20:48ころ。

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▲綺麗に片づけられた台所。右の窓には Minarets 3055mでしょうか? 21:07ころ。

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▲僕のベッドです。シュラフと敷布団は小屋のもの、青いインナーシュラフと緑の枕カバーはアルパインレクリエーションの事務所で借りたものだったと記憶しています。22:15ころ。

ボールパスクロッシングのメンバー発表の際に告げられたことと思いますが、明朝の出発は6時なのです。今日ボールパスまでは行って来ましたから、明日の心配はさほど感じていませんでした。
S子たちは9時に出発して昨日登って来たボール尾根を下降するのです。

2013/11/17  何時に起き出したのかは忘れました。朝食を食べ、出発の準備をします。もうベッドは使いませんから、そのあたりの片付けもしました。

小屋の外に出て、いつ出発してもいいようにマーティンを待ちました。

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▲マウントクックの山頂に朝陽が当たり始めました。5:57ころ。

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▲ほんの6分後には、こんなに広く陽に当たるようになっています。6:03ころ。

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▲ミドルピーク(右)とローピーク。6:03ころ。

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▲今日はS子とは別行動です。ここでお別れ。6:04ころ。

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