私的図書館

本好き人の365日

『電子ジブリぴあ』

2011-12-16 22:58:00 | 本と日常

本屋さんで、織田まゆみさんの『ゲド戦記研究』(原書房)という本を立ち読みして来ました。

「ゲド戦記」はアーシュラ・K・ル=グウィンの本編5巻、外伝1巻からなるファンタジー小説。
スタジオジブリで映画化されたことで一気にその名が知れ渡りました。
物にはすべからく”真の名”があり、それを知ることで物自体をあやつることができる…
これがゲド戦記の中で魔法と呼ばれる力。「ゲド」とは主人公ハイタカの”真の名”です。

『ゲド戦記研究』はそのタイトル通り、小説世界やフェミニストとしても知られる作者ル=グウィンの世界観を解説、分析した本。
小説のファンとしてはすでに概知のものばかりでしたが、ウンウンとうなずける内容でかなりボリュームがありました。許せないのはもう一冊のほう…

映画「ゲド戦記」と「ハウルの動く城」ブルーレイ発売を記念して、このたびスタジオジブリが㈱ぴあから出したデジタルフリーペーパー『電子ジブリぴあ』

さっそくダウンロードして読んでみたのですが、「ゲド戦記」の監督宮崎吾朗と、オンラインゲーム会社ドワンゴの代表取締役会長兼スタジオジブリプロデューサー見習いという川上量生の対談はヒドイ…

「ハウルの動く城」は原作読んでいないんじゃないかと思うほど見当はずれ。「ゲド戦記」にいたっては、映画化の当初、吾朗は第4巻と外伝を読んでいなかったことが判明!(5巻も?)
そんなんで監督引き受けないでくれ~(ファンの叫び!!)

「コクリコ坂」がちょっと評判良かったからって、調子に乗って!

「ゲド戦記」は微妙な色合いで表現したので、DVDで見たら色がつぶれちゃってて「これはダメだ」と思ったけれど、ブルーレイで見たらすごくキレイだった…(吾朗&川上)

自分で作っておいて何その言い方?
ブルーレイをそんなに売りたいか!?
これだから与えられた物でしか物が作れない世代は…

黎明期の日本アニメは低予算で、ディズニーのようなフルアニメ(当時のフィルムは一秒で24コマだったので、ディズニーは24枚全てを違う絵で表現していた)ができなくて、止めの絵を使ったり、顔のパーツごとに動く工夫をしたり(顔は同じ絵を使い、口だけ3パターン描き分けてしゃべらせるとか、目だけ描き分けてまばたきさせたり)、人間の目の錯覚を利用して一秒を12コマやもっと少ないコマ数で表現したり、それこそ涙ぐましい努力で、節約と作業時間の短縮を成し遂げて、今の日本アニメの技術を作りあげてきたんだぞ!
DVDの画質くらい考えてその条件でも素晴らしい映画を作れよ!!

…ハァハァ。
つい熱くなってしまいました。
大好きな小説『ゲド戦記』をあんな映画にされて、だいたい「ゲド戦記」なのにアレンを主人公にした時点で失敗でしょ!?
それを今思えばあーすればよかったこーすればよかったと、ねちねちと言い合って、挙句の果てに、でも「ゲド戦記」があったからそのおかげで「コクリコ坂」ができたって…

「ゲド戦記」はどうしてくれる!?

『電子ジブリぴあ』にはその他にも、父親宮崎駿が「岩波少年文庫」のために書いた文章や、児童文学に寄せるその熱い思いが書かれていて、こっちはとっても心に響きました。
本にもなっているそうなので注文しちゃおうかな?

「ハウルの動く城」はすでに録画してありますが、吾朗の「ゲド戦記」はブルーレイ買うつもりはありません。

しかし同じ作品を読んだり見たりしても、解釈は本当に人それぞれなんですね。
あ、そうか読んでさえいないんだった。

…よけいなお世話だけれど、ジブリ、大丈夫かな。



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