私的図書館

本好き人の365日

『ある小さなスズメの記録』

2012-03-08 18:49:02 | 海外作品

この間リサイクルショップに不要品を持ち込みました。

10年くらい前に買って、ここ2、3年は靴箱にしまいこまれていたスキーブーツ。

海釣り用に買ったものの、後で子供用だとわかって一度も使わなかったライフジャケット。

アウトレットで衝動買いした、春用の上着。

スキーブーツは300円。

ライフジャケットは500円の値が付きました。

春用の上着は買取不可(涙)

どれも引越しを機に処分しようと思っていたので、多少でもお金になればいいや♪

 

帰りに本屋さんで、いけだたかしさんのコミック 『34歳無職さん①』(メディアファクトリー) を購入!

定価714円(税別)!!

不要品が本に変わっただけでした(苦笑)

 

最近読んだ本は、クレア・キップス 著、梨木香歩 訳、

『ある小さなスズメの記録 ~人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯~』 (文藝春秋)

 

美しい装丁、箱入りの上製本。

第二次大戦中、ロンドンに住むキップス夫人が助けた生まれたてのスズメの子は、クラレンスと名付けられ、障害を持ちながらも元気に育っていきます。

夫人のベッドにもぐりこみ、足音がすれば迎えに出るスズメのクラレンス。

翼が不自由なため、飛ぶことはできないけれど、チュンチュンとせわしなく鳴き、キップス夫人の手をつつき、爆撃の襲いかかるロンドンで、多くの人々の心をなごませる役目を果たします。

目が開く前に拾われたため、人間を親と思っているのか、キップス夫人とは意志の疎通ができるみたい♪

女性の友人が泊まった時は彼女を”彼とキップス夫人の”ベッドから追い出したり(笑)

12年もの歳月、キップス夫人と暮らしたクラレンス。

しかしやがて老化から病気にかかり、体が不自由になっていきます…

 

野性の動物って生存競争が激しいから、あまり年老いた姿を見ることはないけれど、人間と暮らす動物たちにはどうしてもそういう問題が出てきてしまいますよね。

うちの実家でも私や妹が生まれる前から家にいた、「チビ」という犬がいたのですが、目が見えなくなり、毛が抜けて、すごくおばあちゃんになっても、私たちがちゃんとわかるらしくって最後まで家族と共に暮らしました。考えてみたら、私が体験した初めての家族の死は「チビ」だったのかも。

 

スズメの寿命には詳しくありませんが、12年というのはスゴイ!

動物と触れ合う機会の多かった私には、クラレンスとキップス夫人の関係はとても見慣れたものでしたが、この本は1953年に出版された後、各国で翻訳され、多くの国々で読まれています。

犬や猫ならともかく、鳥にそんな知能が?

なんて失礼なことを言う人は、ローレンツ博士の名著、『ソロモンの指輪』をぜひお読みになって下さい。

あらゆる動物の声を聞くことができたという、古代イスラエルの王、ソロモン王が持っていた指輪。

王がその指輪を投げ捨ててしまったのは、999人いたお妃の一人が、若い男と浮気をしているとナイチンゲールが告げたから。

きっとこのキップス夫人も「ソロモンの指輪」の持ち主なんでしょうね♪

梨木香歩さんの丁寧な日本語の使い方も素敵でした☆

 



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