私的図書館

本好き人の365日

『和菓子のアン』

2011-04-20 13:01:00 | 本と日常
昨日はカミナリが鳴ったりして春の嵐って感じの天気でした。

咲いていた桜も散ってしまい、アスファルトの上にはたくさんの花びら。
今年はまだ桜餅食べてないなぁ~、なんてぼんやり思いながら眺めて来ました。

最近読んだのは、坂木司さんの和風ミステリー。

*(キラキラ)*『和菓子のアン』*(キラキラ)*(光文社)

…いくら私が「赤毛のアン」のファンだからって、ここまで間口を広げていいものか?
題名を見た時、一瞬そんな考えが頭をよぎりました。

読んでみると…これが面白い♪

高校は卒業したものの、将来の夢もなく、勉強もそんなに熱心ではないちょっと太目の女の子が(食べるのは大好き☆)、ふとしたことからデパートの和菓子屋さんでアルバイトを始めます。

そこにいたのは物腰のやわらかい女性の店長に、ちょっととっつきにくい雰囲気の和菓子職人を目指す青年。

ところがこの二人、化けの皮をはがしてみると…

和菓子屋さんの内情を丁寧に描きながら、和菓子をヒントに様々な謎を解いていきます!

和菓子の名前や形に込められた意味や、和菓子が代表する日本古来の風習や季節の行事。
お茶やお花を習っている人ならともかく、和菓子に縁の遠い人にとってはちょっと強引に思えてしまうかも…
しかしキャラクターの魅力とあいまって、そんなこと全然気にせず、けっこう楽しく読むことができました♪

男子なのに乙女チックな和菓子職人とか(笑)

職場は違いますが、本屋さんを舞台に様々な名作、古典の本をヒントに謎を解いていく大崎梢さんの「成風堂書店事件メモ」シリーズ(創元推理文庫)にスタイルは似ているかな?
こちらは書店員の女性とアルバイトの女の子が主人公。

ただし『和菓子のアン』は、読むととっても和菓子が食べたくなります♪
甘党の人はご注意を。

作者の坂木司さんは覆面作家ということで、性別不詳、名前もペンネーム。

和菓子屋さんが舞台なのでそんなたいそうな事件が起きるわけではありませんが、日常の中のちょっとした謎を解決するのもけっこう面白いです。

そうそう、題名にひかれた方、内容は「赤毛のアン」とはまったく関係ありませんので、あしからず☆